第四話 別れの夕闇、離れた絆
はい、約一週間ぶりです。
もう夏真っ盛りですね、皆様夏バテなどしておられませんでしょうか?
今までの3話と比べると字数自体は倍近いですがさらっと読むとものの数分程度のものですね。
(今日日ssの方が作り込まれてるとか言えない。)
ここまで書くと漸くキャラが勝手に動いてくれるので後は各キャラの様子を追って文字に起こすのが私の仕事のなりそうです。(尚投稿速度は変わらない模様。)
それでは皆様お楽しみくださいませ。
数分後に後書きでお会いしましょう。
「ここか。」
「そ、語部魔法店。私とお師匠様のお店、と言っても今は無人だけどね。」
店はマーケットが立ち並ぶメインストリートの外れにひっそりと佇んでいた。崩壊後にこちらに居なかったレンと崩壊後失踪したというレンの師匠、少なく見積もっても6年以上手付かずか。
「鍵は、レンも持ってるか普通に。」
ノブに手をかけるが当たり前のように鍵はかかっているのでレンに尋ねる。
「うん、持ってるわよ。ちょっと待ってね。」
レンは腰のポーチからくすんだ鍵を取り出しドアを開ける。
古紙と埃の匂いのする室内に足を踏み入れカーテンと窓を開け放つ。
「変わってないなーここは。」
レンが懐かしむように呟きレンのものとおぼしき机を物色し始めた。
「俺はなにか手伝った方がいいか?」
待ち惚けている訳にもいかないのでレンに尋ねる。
「鳳火は適当に見てて、そんなにかからないから。」
ふむ、些か手持ち無沙汰だと思いレンに言われた通りに店内を見て回る。魔法薬と思われる瓶が並んだ棚や簡易的な魔法具、依頼の纏められた紙の束などどんな店だったのかが容易に伺える物が多かった。
「ん?これは・・・。」
依頼書の束から抜け落ちた封筒に目がいく。差出人は語部紬、宛名はレンになっている。
「おいレン!これはレンの師匠からの手紙みたいだぞ?」
「え!?ちょっと見せて!」
俺の言葉に弾かれるようにこちらを振り向いたレンは半ば引ったくるように俺から手紙を受け取り中身を確かめている。ちらっと見えた日付は3年前のもの、レンの師匠が失踪した後のものだった。もしやレンの師匠は今でも度々ここに訪れているのではないか?
「お師匠様・・・。」
「レン?何が書いてあったんだ!?」
少し曇ったレンの表情に悪い事態を想定し焦った俺は語調を荒げレンに問いかけた。
「安心して鳳火、悪いことは書いてないわ。お師匠様は無事みたい、ただ向こうとこっちの行き来が激しいみたいでなかなか会うのが難しいみたい。」
「そういうことか、俺の早合点だったみたいだな。すまん。」
レンの笑顔に冷静さを取り戻しこれからの事をふと思案する。
「レンはインペリアに戻るつもりなのか?」
「うん、明日には向こうに帰るつもり。師匠の行き先も大体わかったから合流できればいいなって。」
「そうか、それじゃあ今日はゆっくり休んどけば良い。準備はしといてやるぞ。」
俺の返事に違和感を感じたのかレンが不思議そうな顔で聞き返してくる。
「準備って?」
「乗り掛かった船だ。俺もレンと一緒に向こうに行く、準備が二人分に増えるだけだ。全部済ませといてやるよ。」
「本気で言ってるの?鳳火はインペリアに行ったこと無いんでしょ?危険よ!」
案の定レンは止めてくる。だが俺は引く気はない。俺と似た境遇のレンとこうして出会ったことも何かの縁だ、下手すりゃあくたばるほど危険なのかもしれないが目的も目標も見えずに日々刀打ってるだけじゃこの先も変わらないんだろう。俺の成長の為にもレンへの同行は止めない。
「まだ出会って間もない俺が言うのもなんだがこんなときは周りに頼ってくれて良いんだよ。このままこっちで何も解らずに終末を待つだけってのはなんとも味気無いからな、ちょっとした観光がてら大冒険してやるさ。」
「鳳火・・・ありがとう。」
放っておけば泣きそうなレンの頭をポンポンと叩く。
「深く考えるなって、なんとかなるさ。ひとまず飯の材料買ってくるからさ。」
「うん、私はもうちょっとなにか無いか探してみるね。」
レンに見送られマーケットのあるメインストリートへと向かう。今のレンを一人にする不安と一人で考える時間を作ることのメリットを天秤に掛けた結果レンが心の整理をする時間を優先した訳だ。
「正直俺も一人で考える時間が欲しかったってのが本音なんだけどな。」
立ち並ぶ店々を横目に呟く、調子にのってレンには良い格好したが不安だらけな上に危険だらけ。インペリアに行ったことはないが情報くらいなら幾らでも入ってくる。曰く常日頃魔物に襲われる。曰く魔力障気に侵され廃人化する。それもこれも不安を煽る物ばかりなのは如何なものかと思うが。
「まぁ、案ずるより産むが安しとも言うし細かいことは後でも良いか。」
適当な食材を吟味し献立を考えながら帰路に着く。こっちでの食事は当分とれないと踏んだので出来る限り豪勢に体力の付くものをチョイスしたつもりだ。
「お帰り鳳火。」
戻るとレンは机に向かい何かを書いていた。
「手紙か?」
傍に封筒が置いてあるのを見た俺はそう尋ねた。
「そ、お師匠様と入れ違いってこともあるからね。念を入れて書いとこうと思って。」
なるほど、確かに行けば会えるって保証はないしあるに越したことはないか。
「まだご飯の支度には早いよね?お茶淹れてくるね。」
手紙が一区切り着いたのかレンはキッチンへと向かっていく、確かに日は傾き始めたものの本腰を入れてチョウリヲ始めるにはまだ早い、ありがたくティータイムにするとしよう。
少しの時間を置いてキッチンからは香草特有の香りが漂ってくる、ハーブティーを淹れてるのだろう。
「お待たせー、私が1から作ったハーブティー。自信作だから飲んでみて。」
「それは期待できそうだ。いただきます。」
口に含むと少しの清涼感と共に疲れが抜けるような感覚と仄かな甘さが全身を駆け抜ける、相当な逸品だとカップをおいた瞬間違和感が警笛を鳴らす。
身体から力が抜け意識に靄が掛かり猛烈な睡魔が襲ってくる。レンに顔を向けるとそこにいたレンの表情は寂しさと申し訳なさの混ざった切ないものだった。
「レ・・・ン?」
一服盛られたと気付いたときには既に手遅れで俺の意識は急速に深い闇の中へと沈んでいった。
「ゴメンね鳳火。」
意識が完全に消える間際耳に届いたレンの声はとても小さく今にも消えてしまいそうだった。
と、いうわけで第四話でした。
特に言うこともないので裏話と言うか先の見立てを。
この先は徐々にお話が複数の場所で同時に進行していくみたいなので(私の脳内電波によると)
インペリア行ったりペルフェト行ったりになると思います。
当初の見立てでは鳳火とレンのW主人公になるんですがこれからどうなって行くのやら全く想像がつかないですねー(オイ作者それで良いのか)
それでは次回第五話でお会いしましょう。
皆様しばしお元気で。




