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第三話 海風の街、揺れる蒼髪

なるはやとは一体なんだったのか。

と言うわけで二週間ちょっと空いてしまいましたが第三話です。


 翌朝、軽く朝食を摂った俺達は早速港都ヨコハマへと向かうことにした。


「それにしてもだレン、ヨコハマはトウキョウとは隣接しちゃあいるが結構な距離だぞ?どうやってヨコハマまで行こうとしてたんだ?」


 軽く湧いた疑問をレンに振ってみる。


「あはは、ぱぱっと飛んでいっちゃえば良いかなーと思ってたんだけど崩壊後のこっちって魔力(マナ)が安定してないみたいで魔法の類いが一切使えないんだよねー。参っちゃったよ。」


 あっけらかんと笑うレンだったがそれは下手を打てばほぼ廃墟の街で遭難する可能性だってあったわけで...。


「魔法が使えなかった時点で一度戻って下調べしてくるだろ普通は。」


「案外なんとかなると思ってさ。ほら、こうして鳳火にも会えたしさ。」


 あぁ、レンはこういうタイプの娘なのか。ちょっと気にしておいてあげないとな。


「さて、こっちは準備できたぞ。いつでも出れる。」


 整備の終わった愛車のソーラーバイクを引っ張り出しメットをレンに渡す。


「わぁー。こっちの乗り物に乗るのって初めてなんだよねー。」


「そかそか。折角だし帰りに景色の良いところでも寄ってみるか?」


「良いの?楽しみだなー。」


 背中越しにレンの弾んだ声を聞きながらエンジンを始動させる。

 ドドドドドとエンジンが安定するのを待ち二、三度吹かせる。

 久々の出番に『ッォォォン』と歓喜の咆哮を上げたバイクは二人の身体を乗せ軽快に走り出した。


「スッゴい気持ちいい!空を飛ぶのとはまた違った風の感覚ね。」


「気に入ってくれたみたいで何よりだ。」


 道幅は徐々に広まり郊外を抜けて湾岸の通りへ移っていく。潮風の香りを感じながら調子を上げたエンジンを唸らせ加速させていく。これで空が晴れていれば気分は最高なんだが崩壊後の不安定な気候のせいでもう何年も晴れ間なんて拝んでいない。


「・・・・。」


「不安か?」


 少しの沈黙が気になって振り替えるとレンは難しい顔で水平線を眺めていた。


「うん、少しね。」


 そう答えたレンの物憂げな表情は少し印象的だった。


 結局、その後は特に会話もなくヨコハマへの道を辿っていった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




ー港都ヨコハマー


 完全に廃都となったトウキョウとは違ってヨコハマは今でも活気に溢れている。無論その規模は崩壊前と比べれば格段に縮小されてはいるのだが。


「こんなにおっきな街はインペリアでも少無いんだよね。昔ここに住んでたときから好きな街なの。まだ無事みたいでびっくりしちゃった。」


「トウキョウとは違ってインフラも流通も生きていたからな。今じゃ街全体が巨大なマーケットを形成してる世界有数の商業都市だ、お陰で俺もよく物を仕入れに来るもんだ。」


「じゃあ鳳火の用事って買い物だったんだね。」


「ま、そーゆーこったな。」


 中心街のマーケットをレンが乗ったままのバイクを押して歩く。

 左右の店々からは威勢の良い商人達の売り文句が聞こえてくる。



「こんなご時世だ、安くするぜー!」

「うちの魚は鮮度抜群!買ってってくれよー?」

日ノ本(ひのもと)一の品揃えだ!さぁ寄った寄った!」




 マーケットの喧騒を抜け人通りの疎らな路地へ抜ける。

 刹那刺すような視線を感じ咄嗟に周囲を見渡す。


「ッ!!誰だ!!」


 呼び掛けた声は路地に反響するだけで返事は帰ってこなかった。


「どうしたの?」


 心配そうにレンがこちらの顔を覗き込んでくる。


「いや、ちょっと視線を感じたんだが気のせいみたいだ。すまない。」


「そう?ならいいんだけど。」


 とは言ったもののあの視線はどこか懐かしいものの気がして違和感が暫く残っていた。





~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





「フン、相変わらず勘の良い奴じゃのう。まさか気取られるとは。」


 人気の無くなった路地に響いたその呟きは誰にも聞かれることはなく消えていった。



新キャラも出てちょっとずつ話も進み始める予感の第三話でした。


異世界いくまではまだまだかかると思いますが。

個人的にはバトルとか入れられる異世界編までささっと行きたいですが練り込み甘くて失踪した小説が幾つもあるんで大切に膨らましていきたいですねー(ノ´∀`*)

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