二年
「おいけん。このごろはワードに文章をうってから、それをコピーして投稿してるらしいじゃねぇえか」
目の前の男はそう口に出す。
「いや、それを僕に言われましてもね……」
「俺っちもいいたいことがあるのにゃ」
「なんだよ……」
「なんで一年前はこれをやらなかったのにゃ?」
「だから僕にそれを言うなって」
一つの机を囲むようにして座る僕ら。僕から見て右の男がそうメタリ始めた。
「……俺もいいか?」
今度は左に座る男がしゃべりだす。
「……体育祭はどこに行った」
「…………」
ついに僕は黙ってしまう。いや、何か悪いことをしているわけではないし、こいつらの言っていることに思い当たることもない。思い当たるどころか、なにを言っているのかすら分からないのだが、それでもなぜかその話をきかさせると罰が悪くなる。
なので、なぜかは分からないのだが、一応誰かに謝っとこう。すいませんでしたぁ!
「つーことで二周年です」
目の前の男こと、孜蘿原聖夜(初期設定:最強のゲーマーせいや)がそう口に出す。
「ついにこの物語も二年目になったのにゃ」
右の男こと涯原丙而(初期設定:天才プログラマーへじお)もそうつづく。
「……(コクン)」
左の男こと初谷零(初期設定:大漫画家れいき)はただ静かにうなづく。
「なになにー!?何の話ー!?」
と、そこで扉をガラッと開けてやってきたのは阿堂看世佳(初期設定:大人気ラノベ家みせか)だ。
「私たちも混ぜなさいよね」
続けて部屋にやってきたのはドヴュラーナ・夜宙(初期設定:人気プロバンドボーカルキララ(※この子が一番初期設定と変わっています))だ。
「ちょっとまてや」
そこまで行ったところでせいやが口を割る。
「なんかさっきからおかしくないか?なんか……初期設定とかどうたらいわれている気がするんだが」
「おまえ俺っちの名前言ってみろニャ」
「へじおだろ?」
「先生こいつが主犯格です」
「ちょっと待て臼井健一(初期設定:地味名前は決まっていない)!」
「二周年だからってそこまで言わなくていいだろ!」
聖夜め、お前だって最初は生徒会長要素なんてなかったくせに!
「私は今も昔も変わらないよー!夜宙がどうだか知らないけど」
「私も大丈夫よみせか」
「キララ、本名あったけど忘れた、芸名星空キララ、バンドのメンバーの名前なんてしょっちゅう変わっている、変わっていると言ったけどぶっちゃけ本質的にはあまり変わりは見られない、だとよ」
「やっぱり聖夜は私の敵のようね」
「前の名前がキララだったせいか、今でも時々夜宙のことを脳内でキララと読んでしまう……だとよ」
「よろしいならばフリークだ」
聖夜と夜宙は会話から外れ何かをしている。人を超えた者同士の戦いだろう。
「おや、みんな、なにをしているのかな?」
ここで部屋に入ってきたのは西丘加奈子(初期設定:多数名前なし)。
「今何か私の過去が明かされた気がするんだが」
「加奈子、初期にはいなかった、もしかすると男になっていた、もしかするとスーパーアイドルになっていた存在。男だと超能力を使えるようになっていて、元FBIという実績もあった。過去のノートを見てみると、彼の説明書きには、スパイみたいなやつでもいい(そしたら女でもいい)と書いており、そこから加奈子が誕生したと考える。サムライはダメと書かれていることから、何かサムライではだめだった、ということが分かる。スーパーアイドルの方は」
「うるさい黙れ!」
「スーパーアイドルの方は歌手なので、キララとかぶるのでぼつにされたと考えられる。ここの説明書きも見てみると、AVはダメと書かれており、まぁおれもそう思いますとしか言えない」
「なぜ黙らない!へいじも何か言ってくれ!」
「へじおの初期設定には加奈子のことが好きなんて書いてなかったし……」
「なんてことを言うんニャお前は!」
聖夜が三方向から攻撃をくらっている。自業自得だと思う。
「そうだ!姫さんはどこだ!あとみな君やら何やらもいただろう!」
「探したけどなかったです。完全に後付けです。っていうか姫っちの方はお前の昔の設定その4をそのままつかたんだよ。ほらふんげら賞をとった……」
「……つまり分身体」
「余計なこと言うな零!めんどくさいことに首を突っ込むな!」
「……承知」
僕は零に忠告すると、またその荒れた部屋をしずかに傍観することにした。
「っていうかケンの弟はどうなってたんだよ。ほら傍観するな会話に混ざれ!」
「それも聖夜が知ってんでしょ?ほらいいなよ」
「健一の弟、名前なし。世間一般的には事故死だったが、誰かに殺されたことが分かり、それが俺らの通う学校に潜んでいることが分かる。それを追い加奈子が転入。殺されたと書いたが実は生きており、健一の弟がこの物語の裏ボスであった。そして裏ボスを倒した健一は学校のみんなから尊敬される人物となり、当初の目的の『人気になりたい』という目標は達成されることになる」
「つまり原井先生をやっつければいいのね!?」
「何も聞いてないんだなヤソラ!あんなドジっ子倒したところで何も起こらねぇよ!しかも当初の物語はよくよく考えたら兄が弟のことやっつけるとかいうどこのラ王ですかみたいな話だし!ぼつだわこんなものぉ!」
会話がヒートアップしてきた。うーむ、傍観にまわるつもりだったが、無理かぁ。
「はい!今日の結論!過去は振り返ってもいいけどあんまりにも振り返ると黒歴史が出るから気をつけるように!以上!解散!」
『しないよ!』
またもや僕らの心が一致した。
裁判から逃げてきました。




