それぞれの
夜宙の場合ーーー
私は異世界でも健一に興味を惹かれた。それは現実との変わりはない。
へいじは、異世界でも現実と同じようなことが起こると言っていたような気がするけど、まさかここまでとは思っていなかった。
だから、なんて言うか……
異世界でも健一のことを好きになってしまったのが、少し腑に落ちないのよ。
私は結局……ん〜、うまく言い表せない。
それに、アンジェーの言葉……
今ならわかる。きっとアンジェーはみせかだったんだ。
だから、あの時、一歩引こうと言い出したんだと思う……
……たぶん。
わたしは今、結構悩んでいる。
みせかの場合ーーー
またか!!
私はまたやってしまったのか!!
私は現実世界のようなことを、異世界でもやってしまったのか!!
後悔しかない。こうかいしかなぁぁいい!!
壁に何度かあたまを打ちくけていたら、少しは冷静になれた。そもそも私がこんなに後悔しているのには、またやってしまったということだけな訳では無い。
ぶっちゃけると、私は幼い頃ケンが好きだった。あぁそうだよ!!!好きだったんだよくっそ!!だって優しいし話面白いしノリが会う男の子だよ!?好きになるやん普通。
でもそれは幼い頃の話。今は違う。前にも言ったけど、私は夜宙に、譲ったのだ。
私じゃなくて、夜宙の方がいい。そう思ったから、夜宙には内緒で、私は1歩引いた。それでケンのことを諦めた。
だってのに、私は懲りずに異世界でもケンに恋をした。つくづくアホだなわたしは。
そしてまた、私はケンから1歩引いたのだった。
……どうせなら。
どうせ異世界に行くのだったら、私がケンをとっても良かったじゃないか。
だから今、私は後悔してるんだァァァ!!
零の場合ーーー
ふざけんな!
あれが恋だと!?ふざけんな俺!
ここまで自分にがっかりしてることは初めてだ。
なんで、会えて嬉しいのを恋だと錯覚したのだろう。全く理解できない。
それに、アンジェーやリリエッタがせっかくゆずってくれたのに、俺は結局告白できなかった。
意気地無しかよ俺は!
今考えれば、告白しないで正解だったのかもしれんが、それでも曲がりなりにも恋をしたと思った相手に告白できないってのは、かなり心にダメージをもらった。本当にがっかりだ。
俺は今、自分に怒り、そして失望しているのだった。
そして、明日から数日はケンと少し気まづい雰囲気が流れるわけだと思うと、気が滅入ってしまうな……
思わず大きなため息が出てしまう……
ー補足ー
「なんか零の女体化姿って、どこかで見覚えがあるんだよな」
「……ケン、忘れろ早く」
「忘れられないわーwめっちゃ面白かったわ異世界転生w」
「……殺してぇ」
「まぁまぁ落ち着けってれい。えっ…とそうだな、たしかに俺もあの姿にはどっか見覚えがあった」
「俺っちもにゃー!」
「……多分うちの姉」
「あ〜、あの痴漢魔か〜。ケンなんてめっちゃ狙われてたな〜」
「え〜……っと、まだ思い出せないわ僕」
「ほら、刑務所行った人」
「あー!あのお姉さんか!!確かに似てるわ!」
「……似てるの嫌だ」
「まー兄弟だから仕方にゃいんじゃにゃいか?」
「あの人はまだ務所にはいってんのか?」
「……明日出てくる」
「それは……やばそうだね」
「やばいな」
「やばいにゃ!!」
「……確実にやばい」
零のお姉さんが出所した。
女と男の脳みそって全然違うらしいですよ。だから、互いに何考えてるんだか分からないんだって。




