休話
目が覚めた。ホワホワした感じで、何故か自分が時をかけたのではないか?と考える。いつ目を閉じたかもわからないままに、今日の日付を確認する。
僕のスマホを取ろうとした。が、出来なかった。その代わり、今気づいたことが二つほどある。一つ。僕はベットに横たわっていること。そしてもう一つ。
僕に足がついてない。
正確には、片足が無くなっていた。膝から下、とかではない。完全に、全く、確実に、左足が無い。股関節……尻下なのだろうか。そこから下がない。全く、だ。
やばいな。自分の体なのにめっちゃ怖い。なんだこれ。思考の中では冷静を保ってる??つもりだ。無理だ。これはやばい。やばやばいやばやばやばやばい。あ、あかんわ、これ。叫ぶ。
そうして僕は病室で叫んだ。
ふぅ。叫んだら落ち着いた。しかし何だこの病院は。患者が叫んだってのに誰ひとりとしてこないぞ?別に今が真夜中ってことではない。冷静になった今なら考えられる。
僕は地雷に足を突っ込んだのだ。そして、片足失った。まぁいい。失ったものはどう使用もない。無いのだが。
やっぱりなかなか悲しい。哀しいなぁ。愛しいよ。
と、外からドタドタと足音が聞こえる。あいつだ。やはり来たな。
ガラッと開けられたその扉の先にいた人物とは。
「久しいな」
「……………っ!」
変わり果てたその姿。風格、体格が変わっている。
「心配…かけさせんなよ……っ!」
「心配してくれたのかい?」
「するよ。君のためならば」
「やめてくれ、僕には仕事がーーー」
「まだやる気なのか」
そこまで言われてようやく自分の立場を理解した。
「僕はもう、クビか」
「クビってより、解雇だね。お疲れ様って意味も含めて。……少し安静にしてろ」
そう言うと、その男は別途の隣に椅子を持ってきて、そこに腰掛ける。
なぜだろうか。それだけで不思議ほっとできる。
「加奈子……」
その男はやがて、涙を目に貯めながら……いや、もう零していた。
「頼むから……、しないでくれ……」
「…………っ」
「頼むから、無茶しないでくれ…っ!加奈子がいないと、俺はどうやって生きるんだ…っ!お前がすべてなんだよ…っ!加奈子がいない世界なんて……っ!」
「……悪いが、僕は恋人は作らない」
「嫌なんだよぉ……。大切な人を、失うのは……っ!」
目の前の男はそう言うと、下を向きながら大量の水で床を濡らしていた。
「やれやれ……、僕に恋をさせる気かい?でも残念だ。僕は恋をしない」
「…もういいだろ。この機会だ、足を洗えよ……」
むっ。多分、彼は僕のことを本気で心配してるのだろう。そうと分かっていても何故かむかつく。
ーーーだが……
「そうだな。足を洗うか」
私は、スパイであることをやめた。
「…つまり?」
「いやいや、付き合おうって事じゃないよ。それとこれとは別だろ?第一、私が恋人を作らない理由は、スパイじゃなくても当てはまるし」
「俺が弱いってか」
彼は下を向きながら言う。
「俺は守る人間になったよ…。誰かに命を狙われても、対処できるよ…。誰かが恋人って立場を使って加奈子を挑発してきたとしても、俺なら対応できるよ……っ!」
「僕が恐れてんのはそうじゃないよ。たしかに昔はそうだったかもしれないけど、今は違う」
「…………今はどうなの?」
「みんなを傷つけたくない。たとえ。みんなが傷つかないと言っても。襲われている。狙われているだけで、僕は嫌なんだ。慢心が故に傷を負った戦士がここにいるから。僕だって油断するんだ、みんなも油断するかも知れない。そうなった時また誰かが死ぬのが嫌なんだよ」
「じゃあ…っ!なんで…っ!転校したのさ…っ!」
「 ! そ、それは……」
「一緒にいてくれよ…っ!もう、どこにも行かないでくれ…っ!」
彼はそう僕に願った。そういえば、僕が転校した時も二人だけで話してたような…
「はぁ…分かったよ、一緒にいてあげっから。あ、愛の告白じゃなくて」
「そうか…!それを聞けて安心した……」
彼はやっと笑顔を見せた。きっと彼の願いは、私の隣に立ちたい、なんだろうな。
「………あの〜、そろそろ出てって貰っていいですか?」
「え!?一緒にいるってあったじゃん…」
「いや私、こんな足じゃまだまともに動けないから。ここから離れたりしないから」
「……まぁ、それもそうだな」
そうゆうと、ようやく彼は私の隣から離れていった。だがまた明日隣に座るだろうなぁ…わざわざ椅子を用意して。
「じゃ、また明日、加奈子」
「また明日」
彼が出ていったあと彼が座っていた椅子を見る。
「また明日、か」
ちょっと顔がほころんだ。
……ん?ドアの所に……
「(にやにや)」
「何見てんだ。さっさと帰れ丙而」
「きついにゃ〜加奈子は」
まったく。
ま、でも。
嫌いじゃないよ。
前のやつのあとがき読んでる人なら分かってた展開でしょうね。あ、ヤバ。夜宙推しが揺らぐ!
(ちなみにこれ日曜日の分ですから!)




