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花丸

例えば君が何かやらかしてしまったとする。そうすると、大体の人はその場で怒られるが、度が過ぎたり、毎回やらかしているやつだと、特別な部屋に呼ばれる。


学校の場合、それは生徒指導室。どこの学校の生徒指導の先生は顔が怖いっていうニーズがある。


あの部屋に呼ばれたことのある人間なら、あの場の空気というものがわかる、というものだ。


その空気が今現在の俺が呼ばれた部屋に充満している。


きつい……!


さて、今俺はというと、.niziライブに呼ばれ、その責任会社であるコレカランドのひとつの部屋に来ている。


目の前には3人、とってもお顔が怖い方たちが座っております。睨まれております。


それもそのはず、あんな動画を送り付けてしまったからです……1歩間違えばセクハラとかで訴えられてもおかしくなかった。


「それで……早乙女さんだっけ?」

「ひゃ、ひゃい!」

「元男だって聞きましたが……本当ですか?」

いや……本当だけどさ……


「本当です……設定とかじゃないです……」

「と、言われましても……なにか、それを証明出来ることはありますか?」

「あのー……親とかに聞いてもらえれば確認できますけど……なんなら私の以前の姿があるので見せますか?」

俺はこうゆう場合を想定して先売って手を打っているのだ。しっかり写真も持ってきた。


「いや、結構です」

「あっ……そうですか……」

なんやったん俺の苦労!


「あのー、あなたはどんな動画を作っていきたいと思っているんですか?設定とかは?」

「はい、私は見る人が思わず切り取ってしまうほどかわいい女の子をめざしています。そして、設定は元男ということ。この事実を逆手にとり、逆にキャラとして成り立たすのです」

と、ここで面接官たちの顔つきが変わる。なるほど、という顔になった。


「ちなみに職業の方なんですが……」

はいきた!

「この……ライトノベル作家というのも、本当なんですか?」

「もちろんです」

「作品とか持ってきた?」

「いや、まだデビューしたてなので、まだ書店に本が並んでいません!近々大賞受賞作品として書店に並びます!」

「そういう宣伝は配信では控えてね……?」

「もちろんです!」

やっぱり自分の小説の宣伝はダメなのか……?まぁやるけど。


それからも何個か質問をされたけど、正直今となっては覚えていない。


五分くらい話したと思う。最後にはこんなことを言ってきた。


「ー分かりました、以上で面接をおわります。最後に聞きます、あの動画の最後……どういう意味ですか?」

この質問は意外だったので覚えていた。


「あれは……自分の小説でもそうなんですけど、リアクションとか細かく状況とか書くよりも、何故かその一言だけってのが伝わると思うんです。無駄に言うより、これはガチだな、と思われそうだなってことで……」


「確かに、これはガチじゃないかなと思いましたよ。だからこそ……」


「だからこそ、こんな原石を掘り当てることが出来た。うちに入ろうとしてくれて、本当にありがとうございます、先生」


「ちょ、先生はやめてくださいよ。まだヒットするかわからないんですから」


そんな会話をしてから俺は部屋を出たのだった。


そして思った。




受かったな。





受かったなぁぁぁぁああああ!!!




その通り。結果は見事に花丸だった。

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