理不尽
「お主今完全に他人事じゃと思っとるじゃろ」
「いやそん……うっ!ゴホッゴホッ!!」
女の子のその言葉に否定しようと声を出そうとした俺だが、何故か急激に体が苦しくなった。
「そうか……お主、栄養不足なんじゃよ」
栄養不足……?
「体に栄養やら必要なものが足りておらんのじゃ。うっ、そう思うとまた涙が……」
そんなに……そんなに俺の体は弱っているのか。
確かに俺は起き上がろうとした時、体に力が入らなかった。それに、ビチャ、という音。
あれは俺が海の中で死んだから、俺の体が濡れていたからあんな音が鳴ったんだ。
しかしその感触は俺自身にはなく、その事実で俺は本当に死んだんだなと思うことが出来た。
「ということは……あなたは神様ですか?」
「うむ。そのとおりじゃ。ちなみにあそこにいるお主に謝った男は死神、と呼ばれるやつじゃな」
死神……なぜそんなやつが俺に謝ったのだろう。
「む?その顔はなんで俺謝られたんだろうという顔じゃな。よかろう、教えてやろう」
「お主に降りかかった数々の不運。あの殆どはこの死神のせいなのじゃ」
なるほど……だから死神、なのか。
「しかし誤解しないで欲しい」
それまで黙っていた死神が割って入ってきた。
「僕が起こしたわけでない、ただの偶然の、理不尽な事故もあったんだ。台風や地震なんかはその例さ」
つまり全部が全部こいつの仕業ではない、ということか。
成程、今の状況はわかった。
俺は死神によって死ぬようにされたが、ここにいる神様と俺の生命力で生きようとしたが、世界の理不尽によって死んでしまった、ということだ。
理不尽、か。
なんて残酷なんだ。
世界は理不尽とーーーー




