休話3
今一度自己紹介をしておこうと思う。
私の名前は阿堂看世佳。現在中学二年生の春を駆け抜けている。ただひたすらに小説の案をノートに書き殴っている状況だ。
そんな私だが、なんと先日とりあえずでだした小説が賞をとってしまったのだ。これは、私的に望んでいない結果だ。
理由と言うと、実際に出した小説はわたしの本心みたいなものが入っていなくで、賞をとるなんて思ってもいなかったから。そして、どこかもわからない様な、だいぶレベルの低い出版社に出してしまい、私自身がその出版社の作家になることを望んでいないからだった。
「みせか、おはよ」
ビックリしてバッと後ろを振り返ると、そこには同じ中学に通う男友達のモブがいた。
「何か今お前の心の中で激しく罵倒されたような気がしたんだけど」
「突っ込みが長いなぁ」
「余計な御世話じゃい‼」
さっきから突っ込みを入れているこの中坊の名前は、臼井健一。なんともモブらしい名前だ。
「ゴールデンウィークはどうだったよ。どっかいった?」
さっき、時期は春と言ったけど、正確に言うなら今はゴールデンウィーク明けの月曜日。まぁまぁ久しぶりなクラスメイトに会って、私の心もちょっとは気分が乗ってきたみたいで。
「どっかいったもなにも。私は世界の裏の果てまで行ってきたよ」
「おぉすげぇ!何が凄いかって、裏なのか果てなのか分からない所がすげぇ‼」
「バカにされても痛くもかゆくもありません~」
「この休み中に耐性をつけてきたな」
こんなに仲良く言い合っているけど、こいつとはただの腐れ縁。
ま、私の方はこいつに恋をしているんだと思うけどね。
「おーっす、なんだ、二人とも早いな‼」
そんな熱々カップルを途中で引き裂いたのは同じくクラスメイトの孜蘿原聖夜と言う男。こばえめ、うっとうしいわ‼
「しっしっ」
「みせかが俺に手でしっしっ、ってやってくるんだけど。休み中俺なんかしたっけ?」
「お前が夢に出てきたんじゃないの?」
「ああそりゃ悪夢だなケン。っておい」
……本当に邪魔だなぁ!途中から入ってきて!ちょっと格好いいからって調子に乗ってるアホオタクのくせに!何故だか今日は二人が仲良くしている所を見るとイライラしてくる。嫉妬だなこれは。
「何か理不尽なことを思われたような気がする」
「気のせいだよ、聖夜」
こいつも、健一と同じく私の幼馴染。小学校からアホばっかやってるグループのリーダー的な存在だ。現在中二病を発症していることにする。
「しかしなんだ、やっとこさ学校が始まりやがるのか。かなりめんどくせぇことになりそうだな」
「でも中学生ってはっちゃける時期なんでしょ?」
「……ケン、それどこで聞いたんだ?」
すっかり二人で話しこんでしまう男子。私は後ろでもんもんとしながら、結局そのまま学校まで会話には入れなかった。
この作品では、まったくと言っていいほどレイやへいじは出ません。聖夜が出たのは、ケンを引き立てさせるためです。ちなみにこのころから相当ひどい扱いをされているらしいですね、現会長。




