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一-十

No.16

 私は応接室に戻り、彼の言った事を考えていた。私は最終的に無くなる。それはわかる。ただ、私の意見は聞いてもらえないらしい。では何故、私はそこに行かなくてはならないのだろうか? それとも、生きてから死ぬまで、死んでから無くなるまで、全て言われるがままなのだろうか? 与えられるとは、それ以外全て奪われているのではないか? 私はこの世界が憎い、この私が憎い、この意識が憎い、この形が憎い。この世界は誰が作ったのか? この私は誰が作ったのか? この意識は誰が作ったのか? この形は誰が作ったのか? 最後まで行っても、人間が造った、人間的な天国やら地獄やらがあるだけだ。あの世もこの世も変わらない。私はただ分類され、何処かに属し、また醜悪な何かをさせられるだけだ。私の仕事は、ただ私の行いを認め、無くなるだけだ。私の最後の仕事は私を消す事だ。これは時間の問題だ。後は特に無いだろう。私は疲れた。ただ、無くなればいいのだろう。ただ、折れればいいのだろう。全てと一つになるという名目の上に、他のものと一緒くたにされて、私は消える。全て自動的に決まることだ。もう、認めて終わりにしよう。

 私は立ち上がり、床に空いた大きな穴を見た。ここが、私の墓場へと繋がっている穴だ。私を処理する所だ。私は無くなる為に、この穴に落ちた。



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