怪しい薬屋には怪しい広告を
ルキ一行再来
漫画で描いたのに小説版に書き換えることに飽きました蒼留です。あれから時間経ってます。リメア達とは別章です
“安くて安心驚異の効き目魔法の薬屋の薬はいかが?”
「……なによコレ」
ミリアは羊皮紙に書かれた広告に目をやる。
このなんとも怪しい広告を配っていたなんとも怪しいフードの人はもう人混みの中に消えていた。
ふむ……
立ち止まって考えるミリア。
羊皮紙を使うにも、それなりのお金が必要だ。それを広告に使うのであれば店に利益を上げてくれそうなお客に配るであろう。この場合の“利益を上げてくれそうな客”は、魔法を使うような人、いわゆる魔道士になろう。そしてもちろんミリアも魔道士――それもかなりの使い手だ。
しかし今、ミリアは魔道士らしい服装をしていない。それどころかどこからどう見てもただの一般人のような格好である。それをなぜ――
「……ま、いっか」
彼女はそういうと羊皮紙を片手に仲間の待つ宿へと駆けて行った。
*
「おっかえり~」
扉を開けると元気印の黒髪美少女――ルキの事である――がのほほんとお出迎えをした。
「少し遅かったな」
クールな口調の銀髪美青年はラギウス。
「あっはは~。何買うか迷っちゃってぇ~」
「の割に何も荷物がないのはどういうことだ……?」
ミリアの不思議な言動に眉をひそめるラギウス。
「あっ、何?それ~」
ルキがミリアの持つ羊皮紙にいち早く気付き、広告を読む。
「なになに?……魔法の薬屋ぅ?」
「あ~それね。怪しいでしょ」
『こういうとこ絶対行きたくないな~』 そんな答えを予想して、でも返ってきた答えは、
「なにココ行きたい!!」
だった。
おろ?書き始めがミリア視点だったんでそこからずるずるミリア視点だぞ?