Alarmist!? 会議抜け出すお姫サマ!
三人称に変更です!すんません!!!
「ヒメアっっっっ!!!!!」
森の小道に、よくとおる声が響き渡った。知った声だ。
うげっ と、ヒメアは顔をしかめながらも、声のした方に向き直った。
そこには、金髪のツインテールに美しい碧い目をした少女が立っていた。背はやや低めで、華奢な身体つきをしている。
「あ~……アリス…………」
リメアは心底嫌そうにその名を呼ぶ。
そう、金髪の彼女こそ、リメアの大親友にして大臣の娘のアリシエル=レン=ドゥーランだった。アリスというのは、愛称である。
「なんでこんなところに……」
リメアの、答えのわかりきった質問に、アリスは想像していた通りの答えを返す。
「あんたがっっ!!! 脱走してきたからに、決まってんでしょぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉおおお!!!」
さすがにこの声量は予想外だったが。
いきなりの大声にリメアは頭がくらくらした。そんなリメアに、アリスはチクチクトゲトゲした嫌味をたっぷり投げかける。
「まあぁぁったく、国王になりたくないからって大事な会議を抜け出すなんて考えられないわっ。しかもヒメア。あなた、その程度の脳ミソで我が国の兵士達から逃げ切れると思って? 何度も何度も逃げ出してたら、逃げ道だって底を尽きるわよ。どこに来るかなんてお見通しなんだから! 本当一人でなんて、一体何を考えているのかしら? たった一人のあなたなんて、逃げ出した土人形を探すのより簡単よ! 誰も味方がいないなんてかっわいそうなお姫様ねぇ。一人じゃ無理よ、無理!!」
後から後から出てくる嫌味に、ヒメアはどんどん落ち込んでいく。
アリスは、ふうっ と息をつくと、言い聞かせるように言った。
「だ・か・ら!」
そして、ニッコリと微笑み、鈴を転がしたような声で、
「私も一緒に、逃げてあげる♡」
………………
「……どういう風の吹き回しよ」
リメアはアリスに、疑いの視線を向ける。
アリスはそんな視線を避けるように目をそらし言う。
「やっだなぁ、あなたと私の仲じゃないの♡」
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「ふむ」
リメアはそんなアリスの心を見透かすようにじーっと見つめて、しばらくして口を開く。
「よーするに――暇だってコトね」
「ぎくっ」と、思わず口に出して言ってしまうアリス。リメアもさすが、そう簡単には騙されなかった。
「え~~~ん、だってさぁ、面白そうだしぃ……」
と拗ねるアリスに、リメアは優しい言葉をかける。
「でも、まあいいわよ? こっちも一人じゃ寂しいし」
「ほんとぉ!?」
ぱあああああああぁっ というような効果音が似合いそうなアリス。
そんなアリスを見るリメアに裏は……ないだろう。きっと。
あてんしょん!!
※作者、蒼留は、嫌味が言えないため、嫌味になっていない可能性がたっぷりです。
※作者、蒼留は疲れまひた……。