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宮川の少将の暴走は続く
御徒町の樹里は都で並ぶ者のない美人で、光源氏の君の血を引く由緒正しき家柄です。
宮川の少将は互いに見つめ合う慶一郎とまどかを見ても、まだ夢から覚めません。
(まどか様は、右府様に騙されておいでなのだ。救えるのは私しかいない)
かなり危険な状況だと思う地の文です。
「お邪魔致しました」
少将は慶一郎に愛想笑いをし、邸を去りました。
(ここは一旦引き下がり、夜になったら、まどか様をお救いしよう)
更に危ない事を考える少将です。脳波の検査をしてもらった方がいいと思う地の文です。
「のうはとは何じゃ!?」
意味がわからない事を言う地の文に切れる少将です。
(まどか様、必ずお助け致します)
少将は救い出されて感謝するまどかを妄想し、気持ちの悪い笑みを浮かべました。
周囲の人達がドン引きしたのは言うまでもありません。
茜は御所へと走り、少将の様子がおかしい事を左京に告げました。
「宮川殿にも困ったものだ」
左京は腕組みをしました。




