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帝の思い
御徒町の樹里は都で一番の美人で、源氏の君の血を引く由緒ある家柄です。
帝は目黒の少納言を見ました。少納言は緊張のあまり、汗を噴き出しています。
「姉上を守るため? 如何なる事か?」
帝は少納言に近づきました。
「そうなんですか」
でも樹里は笑顔全開です。
大村の御息所はあまりの展開に気絶しそうです。
(あの女が帝の姉上様?)
娘のもみじは母親の変貌に項垂れていました。
(良い薬師を探しましょう)
少納言は事情を説明しました。
「度崙戸とな?」
帝は眉をひそめました。
「ああん!」
蘭と亜梨沙が絶叫します。はるなも恍惚とした表情です。
「ならば姉上は私とお暮らしください」
帝は樹里に言いました。
「そうなんですか」
樹里はそれでも笑顔全開です。
「貴女は我が父桐壺院の血を引く私の只一人の姉上です。私がお守り致します」
帝は樹里の手を取って告げました。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開で応じました。
やっと桐壺関係の方を出せました(汗)。