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帝と五人衆
御徒町の樹里は都で一番の美人です。
「これは一体何の集まりであるか?」
そこへずば抜けて高貴なオーラを身に纏った男性が現れました。
「あ」
宮川の少将の嫌らしい顔が封印され、だらしない顔をしていた亜梨沙と蘭がキリッとします。
「これは、御上」
加古井の中納言がひれ伏しました。
美子姫もはるなもひれ伏します。
「そうなんですか」
樹里はそれでも笑顔全開です。
「姉上、お久しゅうございます」
御上と呼ばれた男性が樹里に言います。
(やはり樹里姫様は帝の姉上様なのか)
目黒の少納言は確信を得た顔です。
「どちら様ですか?」
樹里は笑顔で尋ねました。慌てふためく一同ですが、
「相変わらずご冗談がお上手ですね、姉上」
帝はクスッと笑っています。そして、
「姉上に何をしていたのか?」
五人衆を見渡しました。
五人衆に緊張が走ります。でも蚊取り線香ではありません。
(帝はお怒りなのか?)
加古井の中納言は焦りました。