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詮議の続き
御徒町の樹里は都で一番の美人です。
権謀渦巻く宮中で、この先何が起こるのか、作者すら分からないという無責任なお話です。
次に詮議を始めた宮川の少将は侍女のはるなに見とれていました。
(可愛いなあ……。男はいるのかな?)
下世話な事を想像する少将です。
(あの人、気持ち悪い)
はるなは少将の視線を感じていました。
「そうなんですか」
それでも樹里は笑顔全開です。
「先程から拝見するに、一体貴方達は詮議をするおつもりがあるのですか?」
業を煮やした美子姫が言いました。宮川の少将はビクッとしました。
(あれは帝の妃候補の美子姫ではないか)
他の五人衆の加古井の中納言は目を見開きました。
「あ、いや、その……」
狼狽えて言葉が出ない少将を見かねて、目黒の少納言が立ち上がります。
「私が代わりましょう、宮川様」
少納言は有無を言わさずに少将と入れ替わりました。
(あ、好みの顔)
今度ははるなが惹かれてしまいました。