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左京、樹里と二人きりになる
御徒町の樹里は御所一の美女です。
そんな樹里の元には下心満載の男共がたくさん押しかけてきます。
その中の一人の左京の君は、樹里の侍女のはるなに打ち倒されました。
「邸の前に倒れている殿方をお見捨てするのは忍びなき事。中に運んでください、キャビーさん」
樹里が再び本編からのボケをかましたので、はるなは項垂れました。
「畏まりました、姫様。それで、私ははるなです」
涙目で訴えようとすると、樹里は邸に戻った後でした。
石化しかけるはるなです。
左京は下男達に客間に運ばれ、布団に寝かされました。
お坊さんをお呼びした方がいいと思う地の文です。
「私は死んではいない!」
うわ言のように切れる左京です。
「貴方は毎日いらしてくださっている方ですね」
樹里が入って来て囁いたので、その吐息が耳にかかり、盛大に鼻血を噴く左京です。
「お気がつかれましたか?」
樹里は笑顔全開で尋ねました。
「はい、何とか」
血塗れで応じる左京です。