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はるな、正体を明かす
御徒町の樹里は都一番の美人です。
その樹里を巡り、陰謀が渦巻いていました。
「五人衆は樹里様と縁戚になりたいのです。樹里様は源氏の君の血と先帝の血を引いておられますから」
はるなが部屋に戻ってから真顔で言いました。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開です。はるなはチラッと左京を見ました。
「樹里様、人払いをお願い致します」
左京はハッとして部屋を出ようとしました。
「では、あちらに」
樹里も一緒に出て行こうとしました。
唖然とするはるなです。
「樹里様はいらしてください」
はるなは言いました。
「そうなんですか」
樹里は左京の手を引いて戻りました。顔が真っ赤な左京です。
(話が長くなる)
はるなは諦めました。
「実は私は先帝の命を受けて貴女をお守りする忍びなのです」
はるなは声を低くして言いました。
「そうなんですか」
樹里はそれでも笑顔全開です。
「潔癖症ですか?」
樹里が尋ねます。
「坂上忍じゃないです」
はるなはまた項垂れました。