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五人衆の計略
御徒町の樹里は都で一番の美人です。
その樹里の邸におばさんと女の子二人が押し入ろうとしています。
「おばさん言うな! 度崙戸だ!」
度崙戸はおばさん認定をしている地の文に切れました。
「やれ!」
五人衆の頭である馨がニヤリとして命じました。
馬の時とは違って嫌味な性格のようです。
「前世の話はやめなさい!」
馨は身震いしながら地の文に抗議しました。
「は!」
邸の周辺に潜んでいた数多くの兵士達が姿を見せ、一斉に度崙戸達目がけて網を投じました。
「キャッ!」
手下の縫兎登と奇弥美が網に囚われました。
「卑怯な!」
おばさんが歯軋りして悔しがりました。
「だから、おばさん言うな!」
度崙戸がまた切れました。
「盗賊が何を言うか!」
箕輪の大納言が言いました。
「そうなんですか」
樹里は笑顔全開です。
「何てね」
そう言って、度崙戸は屋根から飛び降り、樹里の前に来ました。
「姫様!」
五人衆が慌てふためきました。