表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
222/1080

髪長姫の思い

 御徒町の樹里は都で一番の美人で、光源氏の君の血を引く由緒正しき家柄です。


 左京をジッと見ていた姫は通称「髪長姫」。何と加藤の中将の妹君です。


 姫は自分の容姿に自信がないので只一つの自慢である艶やかな黒髪を長く伸ばし、できるだけ顔を隠して暮らしています。


 多くの殿方は姫を「絶世の美女」と妄想し、何とかその心を射止められないものかと競いました。


 それでも姫は決して殿方に会う事はありませんでした。


 そんな姫が心を動かされたのが、貧乏でろくでなしの左京です。


 兄の中将が驚くのも無理はありません。


「はあ……」


 いつものように姫は自分の長い鼻先を触り、溜息を吐いていました。


「何を塞ぎ込んでいるにゃん」


 そこへ長靴を履いた猫が現れました。


「話が違うにゃん!」


 勝手に時代と国を変えてしまった地の文に吏津玖りつくは切れました。


「誰かに悪口を言われたような……」


 左京は辺りを見渡しましたが、


「気のせいか」


 また歩き出しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ