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じゃじゃ馬対決の続き
御徒町の樹里は都で一番の美人ですが、彼女は何故か貧乏貴族の左京に思いを寄せています。
そのせいであちこちで嫉妬の渦が巻き起こっています。
「亜梨沙様、日も高きうちより何をなさっておいでで?」
蘭姫は左京の裸を食い入るように見ながら尋ねます。
左京はその目の強烈さにビビり、慌てて衣を着ました。
「左京様は亜梨沙様にその気はなきようですわ」
蘭がニヤリとして言います。
「いかなる意味です?」
亜梨沙はムッとして訊きました。すると蘭はフッと笑い、
「見たままを申したまで。左京様は貴女の事を好いてはいらっしゃらないとそのお身体ではっきりおっしゃっています」
左京はギクッとして思わず前屈みになりました。
(見られた?)
妙な心配をしている左京です。
御所の警護の役を担っている箕輪の大納言は、ある書状を見ていました。
「度崙戸とは何者ぞ? 都で一番大事なものを盗むとは如何なる意味か?」
大納言は五人衆の招集をかけました。