135/1080
左京、遂に樹里と契る?
御徒町の樹里は都で並ぶ者のない美人で、光源氏の君の血を引く由緒正しき家柄です。
平特盛の策に嵌められ、特盛の娘と浮気をしてしまった左京は樹里を守る忍びのはるなに薬を飲まされ、正気に戻りました。
そして、樹里の部屋に戻った左京ですが、バツの悪さから樹里に声をかけられません。
「左京様?」
樹里が顔を覗こうとすると、左京は背中を向けてしまいます。
(全く、何してるのよ!)
端で見ていて苛ついたはるなは、
「旦那様、樹里様のお許しいただくには、樹里様と契るしかありませぬ」
小声で囁きました。
「え?」
想像して鼻血を噴く左京です。
(ダメだ、こりゃ)
思わず往年のコントの締め台詞を心の中で呟くはるなです。
その頃、特盛は左京が元に戻った話を聞いていました。
「おのれ、月一族め。許さぬぞ」
特盛は歯軋りし、
「御徒町一族は必ずや滅する」
立ち上がって豪快に笑い、顎を外してしまいました。
唖然とする侍女達です。