御徒町樹里の源氏物語（四百文字小説）

御法

左京、罪滅ぼしをする

　御徒町一族は光源氏の君の血を引く由緒正しき家柄で、美人揃いです。

　司（つかさ）に魅入られていた左京は、他の側室達に迷惑と心配をかけた事を謝罪しました。

　決して、スポンサーへの釈明会見ではありません。

「すぽんさあって何だよ！？」

　すぐに時事ネタをぶち込む地の文に切れる左京です。

「我らよりも先にお詫びする方がいらっしゃるでしょう？」

　側室筆頭の龍子（りょうし）が微笑んで言いました。

「はい」

　左京は苦笑いして応じ、正室の樹里がいる部屋に赴きました。

「このたびは大変なご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした」

　左京は床に額を擦り付けるようにして謝りました。

　決して、生放送ではありません。

「なまほうそうとは何だ！？」

　更に時事ネタをぶち込んだ地の文に切れる左京です。

「そうなんですか」

　樹里は笑顔全開で応じました。それを見て、ホッとする左京です。

「私達にはお詫びはないのですか？」

　長女の瑠里と次女の冴里が詰め寄りました。