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二つの野望

 御徒町の樹里は都で並ぶ者のない美人で、光源氏の君の血を引く由緒正しき家柄です。


 樹里の弟である帝は、宮中の実力者である弘徽殿こきでん女御にょうごとその妹である美子よしこ姫の訪問を受けていました。


「では、美子姫のお気持ちは如何に?」


 帝は美子姫に尋ねました。


 普段は妃にはならないと豪語している美子姫ですが、帝の前ではさすがに言えません。


「申し訳ありませぬ、御上おかみ。妹は御上のお問いかけに驚いてしまったようです」


 女御が言いました。


「中宮になれると聞いて、それを拒む女子おなごなどおりませぬ」


 女御はフッと笑いました。美子姫は口が強張ってしまい、何も言えません。


 


 一方、たいらの特盛とくもりは自分の邸で酒盛りをしていました。


「おやかた様、手筈が整いましてございます」


 武士の一人が跪いて言います。


「弘徽殿の女御と通じれば、御所は手に入れたようなものよ」


 特盛はニッとしました。

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