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吏津玖、更に動く
御徒町一族は美女揃いで、しかも光源氏の君の血を引く由緒正しき家柄でもあります。
茜ばかりではなく、美咲までも落としてしまった護。
次に元猫又の吏津玖が向かったのは、本命の瑠里の部屋です。
(瑠里しゃまを落としたら、次は冴里しゃま、そして最後は樹里しゃまにゃん!)
野望が叶いそうなので笑いが止まらなくなる吏津玖です。
「護様あ」
護にすがりついている茜と美咲です。
(何て事!)
異変に気づいて駆けつけた葵ですが、相手が護では太刀打ちできません。
できれば、お仲間に加わりたいと思ったのは内緒です。
「だから内緒にしなさい!」
口が滑った地の文に切れる葵です。
(もしや、瑠里様のところに?)
護を操っている吏津玖逹の行く手を見抜いた葵は焦りました。
(由里様にお願いするしかない!)
葵はすぐさま樹里の母親の由里がいる部屋へと走りましたが、
「護様あ」
いつの間にかすでに陥落していた由里です。
葵は呆然としてしまいました。