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帝と美子姫
御徒町の樹里は都で一番の美人で、光源氏の君の血を引く由緒正しき家柄です。
弘徽殿の女御の乱入で集いは強制終了となりました。
左京は樹里に手を引かれ、御所の中にある樹里の部屋へ行きました。
「今宵はこちらでごゆるりとしてくださいませ」
樹里が笑顔全開でお辞儀をしたので、妄想が暴走した左京は失血死しそうなくらい鼻血を噴きます。
「如何なさいましたか、左京様?」
気絶しそうになった左京を気遣う樹里です。
「大事ありませぬ、樹里様」
そう言って結局意識を失う左京です。
一方、弘徽殿の女御は妹の美子姫を伴い、帝の御簾の前にいました。
帝が入室しました。女御と美子姫は額突きます。
「如何なさいましたか、母上様?」
帝は亡き父の寵愛を受けていた弘徽殿の女御を敬う意味でそう呼んでいます。
「御上には、そろそろ妹を中宮にお迎えいただきたく参りました」
帝はその言葉に目を細めました。




