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君の魂に抱かれて  作者: 皐月-Satsuki-
boy and girls' aspects
98/136

9月3日/沙耶eyes  私に出来ること

ー君の魂に抱かれてー(きみのこころにだかれて)


この作品はフィクションです。

登場する人物・団体・地名・事件・世界設定などは全て架空の物であり、

実際の物とは一切関係ありません。

初めて読む方は、本編からご覧ください。



ーboy and girls' aspectsとは?ー


このモードは主人公の視点ではなく、

君の魂に抱かれての主人公以外の登場人物の視点です。


これにより、より世界観がわかりやすくなります。


※目次の場合、下に行くほど時間が最新です。

9話 この世界の真意~



「幸運あれ!」


私は道路を右に曲がり、

戦場へ駆け抜けて行った。


仲間の無事を心から祈った。


中沢くんは『異能』を持っている。

その能力は結界を生じさせることができる。

私も聞いたことがない能力だ。


中沢くんにはその能力がある

その結界を生じれば、仲間の安全は確保できる。


これで私も、心置きなく戦える。


爆発音がした。


ということは、状況は悪い。


急がなければ――!


私はその場まで駆け抜ける。



◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇



「こ、これは……」


その場に着いたが、状況は最悪だった。

建物は崩壊し、この場は炎に包まれていた。


異常なまでに燃えている。

炎で先が見えない。

爆弾を使ってもこうまではならない。


「自動車を爆発させたのか……」


なんらかの方法で自動車を爆発させた。

自動車にはガソリンが入っている。

その自動車が爆発すれば、凄まじい威力を持つ。

その爆発により、次々と引火し周りは火の海になったのだ。


「間に合わなかったか……」


先ほどまでは戦闘が行われていたのだろうか?

それすらも分からない状況。


この先に進むことすら出来ない。

確かめることすら出来ない。


私はゆっくりと炎へ近づく。


眼が焼ける程、激しく音を立てて燃えていた。

火の粉が顔を掠める。


『ドカ―――――ンッ!!!!!』


この炎の中で、再びなにかに引火し爆発を起こす。

爆風で私の髪がなびいた。そして、さらに火の粉の勢いは増す。


私には視ることしか出来ない。


中にまだ人がいるかもしれない。


なのに、私は立ち荒むだけ。


私は腰に差してある一振、

『三日月宗近』を視る。

この刀なら、この炎を打破できるかもしれない。


私は空を見上げる。

まだ、明るい景色。

この刀に必要な‘月明かり’はない。


「……………」


私はいつも刀に頼っている……。

現に今がそうだ。"月明かり"がない以上、三日月宗近の力は発揮できない。


私は刀がなければなにも出来ない。


それが、『桜夜 沙耶』という人物だ。

この三振の刀のお陰で、今を生きている。


「考えるんだ……"桜夜 沙耶"にできることを……」


何故だ……何故なにも思いつかない……。


周りは炎。

この炎を消す術は"私"にはないのか……?


「雷切……力を貸してくれ」


千鳥の柄を握り、鞘から抜く。

私はまた、刀に頼る。


「千鳥に宿われし雷魂よ、再び、生ずことを請う」


呪を唱えた瞬間、千鳥の刃に電気が走った。


「今、此処に雷魂を開放する」


『ゴロロロロロロロッ!!!!!』


激しく音を立てて帯電し、表面は剥離はくりする。


「我が剣よ請え。全ての雷魂を飲み込み、正法を生じよ」


その呪に雷切が反応し、更に帯電を増す。


「雷神正法。雷光らいこう!」


ブンッと全力で雷切を左から右へ振る。


『ゴロロロロロロロッ!!!!!』


雷切を振った瞬間、雷切の刃から電撃が溢れる。

閃光のような電撃が障壁と化して、私の眼の前全てに広がる。


『ゴロロロロロロロッ!!!!!』


炎と雷魂がぶつかり合い、周囲の空間ごと震えるような大爆響音。

残響が消えるのと同時に、巻き上がった土埃が落ちていく……。


「…………」


雷切によって生み出した雷障壁が、炎を消滅させた。


また、刀の力に頼った。いつもそうだ……。"桜夜 沙耶"は何もしていない。


"桜夜 沙耶"はただ立ち頻くだけだった。



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