表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君の魂に抱かれて  作者: 皐月-Satsuki-
boy and girls' aspects
96/136

9月3日/侑eyes    朝倉の正体

ー君の魂に抱かれてー(きみのこころにだかれて)


この作品はフィクションです。

登場する人物・団体・地名・事件・世界設定などは全て架空の物であり、

実際の物とは一切関係ありません。

初めて読む方は、本編からご覧ください。



ーboy and girls' aspectsとは?ー


このモードは主人公の視点ではなく、

君の魂に抱かれての主人公以外の登場人物の視点です。


これにより、より世界観がわかりやすくなります。


※目次の場合、下に行くほど時間が最新です。



ファーゼストクンパニアンは、見事に自転車狩りに成功した……?


田舎風情な所に不自然に7台自転車が並べてある、神秘的な光景を眼にした。

その自転車は、罠や仕掛けなどは一切仕掛けてなかった。

しかも、新品の自転車だ。


蒼生先輩がいうに、『朝倉の差し金』といっていた。

その朝倉さんがどんな人物かも知らない。


だけど、なんだか会ってみたい。


「俺は今!風を裂いてるぜー!」


俺達全員は暢気のんき(特に聖夜)に自転車に乗っている。

この世界で、こんなこんな事をしているのは俺達だけだと思う。


「風って気持ちいいねぇ~菜月ちゃん~」


「そうだね~」


この通り、超暢気だ。

そういられるのも、敵がいないからだ。

此処まで敵は廻ってなかった。


だが、気になるのはあの自転車を置いてくれた朝倉さん。

まったく何がしたいのか分からない。

しかも、人数分ジャストだ。

偶然とは思わなかった。

朝倉さんってどんな人なんだろう?

ちょっと聞いてみよう。


「朝倉さんって何者ですか?」


先輩方は名前も知っていた。

ということは、結構有名な人なんだろうか?


「朝倉……」


蒼生先輩は反応を示す。

そういえば、『戦術科の朝倉』って粢先輩が言ってたな……。

蒼生先輩も戦術科だよな……。


「朝倉……」


「朝倉……」


「朝倉~~~」


桜凛武装高校の生徒達は、朝倉という言葉に反応する。


「その朝倉です」


どの朝倉か分からないけど、

多分先輩達が思っている朝倉で間違いないだろう。


「朝倉 佳紀……称号は『狡猾こかつ破格知力ノエル』だ……」


蒼生先輩は朝倉さんの説明を始める。だが、その表情は明るくはなかった。

『朝倉 佳紀』さんっていうんだ。

称号は『狡猾こかつ破格知力ノエル


「桜凛武装高校戦術科3年S+ランクで桜凛おうりん八重奏オクテットの一人だ」


蒼生先輩の言葉に付き加える粢先輩。

S+ランク?桜凛おうりん八重奏オクテット

知らない言葉が飛び交った。


「S+ランクってなんですか?」


なんだか相当高そうな気がする……。

Sの他にも、+(プラス)が付いてるしな……。


「桜凛武装高校には『桜凛八重奏』という学園組織のようなものがある」


桜凛八重奏?

そういえばさっきもそんなことを言ってたな……。


「この桜凛八重奏のメンバーは、それぞれの科から一人ずつ代表が選ばれる」


野球でいうとオールスターゲームってことか……。

っと、口を閉じていた蒼生先輩が口を開く。


「つまり、剣術科、現代剣術科、魔法科、現代魔法科、射撃科、戦術科、異能科、総合科、の代表が揃う学園組織。それが桜凛八重奏だ」


八つの科の代表が集う学園組織……。

それが、桜凛八重奏……。


「戦術科の代表が『朝倉 佳紀』だ」


戦術科の代表!?

ってことは……。


「朝倉さんは桜凛八重奏の一人なんですか!?」


さっき粢先輩が"一人ずつ代表が選ばれる"って言っていた。

ということは、朝倉さんも桜凛八重奏の一人ってことになる。


「そう。その代表のみが与えられるランク。それがS+ランク」


粢先輩から最後のまとめが発せられる。


……。……。……。


話が繋がった。

とにかく、朝倉さんって凄い人ってことは鮮明に分かった。


「朝倉くんって桜凛武装高校では知らない人っていないからねぇ~」


桜凛武装高校で知らない人はいない……。

やっぱり凄い人なんだ!


でも、なんでそんな凄い人が自転車を……。


「桜凛武装高校一の秀才にしてスポーツ万能だが、性格は完全に破綻している」


蒼生先輩は朝倉さんのことについて淡々と語り始める。


「朝倉が起こす行動その他全ての要素が理解不能、その上広大な情報力を持つ」


起こす行動が理解不能?

ああ!なるほど!確かにあの自転車は理解不能だ!

今、ガッチリっと歯車が合った。


「そのことから付いた称号。それが『狡猾こかつ破格知力ノエル』だ」


……。……。……。


大体どういう人柄かは把握できた。

とにかく、普通の人格じゃないってことだな。


「しかも朝倉は桜凛八重奏にも宣戦布告している」


戦線布告!?

まさか、内部勃発か!?

つまり、朝倉さんは反逆者……?


「もちろん、その行動全てが意味不明だ」


なんだか難しいな……。

とにかく、朝倉さんは桜凛八重奏にも意味不明な行動をしているってことだな。


「桜凛八重奏のメンバーでありながら、桜凛八重奏のブラックリストに入っている」


……。……。……。


つまり、桜凛八重奏が朝倉さんに対して、目を光らせているってことなんだな……。

朝倉さんもメンバーの一人なのに……。

なんだか、朝倉さんの立場って不思議だな……。


「桜凛高校全生徒の殺害を命令したのも、"朝倉"」


「……え?」


いま……粢先輩はなんていった?


『桜凛高校全生徒の殺害を命令したのも、"朝倉"』


この狂ってる命令を出したのは朝倉さん……?


「分からない?そんなに頭の回転は悪くは見えないけど?」


意味は理解できる……。

だけど、あまりにも信じ難い。


なぜそんな命令を出さなければいけない?

この自転車を用意してくれた人が、本当にこんな命令を出したのか?


「あの朝倉だ。こんな命令を出したっておかしくはない」


どうやら蒼生先輩にとっては、そんなに良い印象ではないようだ。


あの朝倉?こんな命令を出してもおかしくない?

俺の中の『朝倉』のイメージが一変した。


「たとえ戦術科の出した至上命令だとしても、なぜこんな命令に従うのか。俺にはわからん」


戦術科の出した命令は絶対。つまりは至上命令。

"朝倉"は『立場』を利用して、こんな狂った命令を出しているのか?

まるで、『ゲーム』のような感覚で……。


「朝倉ってのは"そんな奴"だ」


蒼生先輩の表情は不愉快そうだった。


これが本当なら……。いや、本当だろう。

"朝倉"は戦術科の代表。

戦術科の命令は至上命令。

つまり、朝倉の出した命令は絶対。


「まぁ、朝倉は私達が殺し合っているのを面白がって視てるだけじゃないの?"ゲーム"感覚で」


緋咲の言葉が重く聞こえる。

面白がって視ている……。

ならこの世界も、全ては『朝倉のゲームの舞台』のために作られたのか?


「ゲ~ム感覚~?」


「…………」


聖夜と菜月は口を閉じたままだった。

所詮この世界は『生死を賭けたゲーム』に過ぎないかもしれない。


そう視点を変えただけで、この世界が汚らわしく、穢れ切っているように視えた。


この世界に、『意味』なんてない……。

この世界で起こることなんて、『意味』がない……。


「朝倉……もう止めろ……こんなことは……」



ー用語集ー



桜凛八重奏(おうりんオクテット)


桜凛武装高校の全ての科、剣術科、現代剣術科、魔法科、現代魔法科、射撃科、

戦術科、異能科、総合科、の代表各一人ずつで構成されている学園組織。

桜凛八重奏のメンバーに与えられるランクはS+。

桜凛武装高校で最も権力がある。




ー登場人物更新ー


朝倉 佳紀(あさくら よしき):(男)


桜凛武装高校戦術科の代表S+ランク。桜凛八重奏の一人。

称号「狡猾の破格知力」(こうかつのノエル)


桜凛武装高校一の秀才にしてスポーツ万能だが、性格は完全に破綻している。

彼が起こす行動その他全ての要素が理解不能、その上広大な情報力を持つ。

そのため、桜凛武装高校のブラックリストにも登録されている。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
投票は終了しました。多くの投票ありがとうございました。
君の魂に抱かれて キャラクター人気投票
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ