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君の魂に抱かれて  作者: 皐月-Satsuki-
boy and girls' aspects
88/136

9月2日/侑eyes    光のピース集めて

ー君の魂に抱かれてー(きみのこころにだかれて)


この作品はフィクションです。

登場する人物・団体・地名・事件・世界設定などは全て架空の物であり、

実際の物とは一切関係ありません。

初めて読む方は、本編からご覧ください。



ーboy and girls' aspectsとは?ー


このモードは主人公の視点ではなく、

君の魂に抱かれての主人公以外の登場人物の視点です。


これにより、より世界観がわかりやすくなります。


※目次の場合、下に行くほど時間が最新です。



俺達は桜凛市を出ることを目的とし、

自転車狩りを実行へと移した。


だが、こんな森に自転車なんてある筈がない。

あった方がむしろ怖い。

何事も思い通りには行かないということだ。


だから俺達は、自転車を狩りに再び町を目指すのであった……。


「こっちで合ってるのかな……」


俺は不安に満ちた声を漏らす。

此処が何処だが誰も分からない。

だから、粢先輩の勘を頼りに俺達は歩いている。

それが一番の不安要素だ。

はっきり言って、合ってる予感がまったくしない。

どんどん町から遠ざかってる気がする。


「――ッ!?」


いきなり粢先輩は足を止めた。

それに、続いて俺達も歩みを止める。


「どうしたんですかぁ~」


いつも通りマイペースな奏笑。

こんな、状況でも自分の性格が変わらないってすごいことかもしれない。


「……前から誰か来た……隠れるぞ……!」


粢先輩が振り返って俺達の方を見て、小声でそういう。


『前から誰か来た』


小声で言ったのは、前からきた人に気付かれないためだ。


俺達は無言で右側に隠れた。

ガサッと音が立つ。

此処では無音で行動するのは無理だ。


俺達が隠れた所は草々が生い茂っている。

身を隠すためなら十分だ。

そこで、俺達は身を潜めた。


「……先輩……どうするんですか……?」


最低限の大きさで声を出した。


「……まずは様子を見る……もしかしたら話せる人かも知れない……」


そうか……。

全員が敵っていう訳でもないんだった。


桜凛高校の生徒かもしれないし、

桜凛武装高校の生徒でも協力してくれる人もいるかもしれない。

仲間は多い方がいい。


すると、二人の人影が見えた。

この影は前方から歩いてきた人の影。

もう俺達の近くまできた。


「なんで、お前がついてくるんだ……」


声が聞こえた。

この声は男の人。

どうやら話をしているようだ。


「それはこっちのセリフッ!なんでアンタついてくるのよ!」


……。……。……。


どうやら、男一人と女一人で行動しているみたいだ。

しかも、いきなり言い争い。


「じゃぁ、俺はこっちから行こうかな」


男生徒が後ろに振り返り、歩き始める。

すると、速攻に女生徒が口を開いた。


「な! 何よそれ! 意味わからない!」


更に言い争いが激しくなる。

俺達は気付かれないように身を潜める。


「はぁ……。なんなんだよお前は……やっぱりお前がついてきてるんだろ?」


男生徒が振り返った。

かなり、大きな吐息を漏らす。


「ち、違うっ! 行きたければいけばいいじゃない!」


「ああ、行かせてもらうよ。此処には隠れている人間も居るようだしな」


「―― ッ!?」


思わず声を出してしまった。

あまりにも、予想外だった。

気付いているような態度も一切していなかった。


『隠れて居る人間』


それは、恐らく俺達のこと。


いつの間に、ばれていたのか……。

いつの間に……。


「か、隠れて居る人間?」


女生徒は周りを見渡す。

チェックメイトか……。

体が恐怖で戦慄せんりつする。


「…………」


男生徒は黙して俺達の方を睨み付ける。

居場所まで正確に把握済みって訳か……。

俺はこの危局をどう乗り越えるか考えた。

だが、良い術が見当たらない。


すると先輩がゆっくりと立ち上がった。


「粢先輩……?」


なにをする気なんだ……?

恐慌している俺には何も分からなかった。


そして、先輩は男生徒の方へ歩いて行った。


「隠れていてすまなかった。謝る」


粢先輩は男生徒に話を持ちかけた。

こんな状況下でよくそんな事ができるもんだ……。


すると、男生徒は微笑んだ。


「いや、とんでもない。お話が出来る方で何よりです」


良かった……。

どうやら、この人は話が出来そうだ。

少し安心した。


「私も話が出来る人で助かった」


問題は女生徒。

無愛想な感じの人だったからだ。

もしかしたら、話せない人かもしれない。


女生徒の方を視てみる。


女生徒は近くの大木に背中をつけ、

腕を組んで、先輩と男生徒のやり取りを見ている。


俺は再び視線を戻した。


「俺は、桜凛武装高校3年戦術科Aランクの柊 蒼生です」


桜凛武装高校3年戦術科Aランクの柊 蒼生……。

……Aランク?

って!先輩より上!?


「え、えええええ、イーランクだと!?」


「Aランクです」


俺はこの場から訂正を入れる。

また先輩が驚愕している。

先輩がランクで驚いたのは今日で2回目か……。


「ああ…間違えた……Aランクだと!?」


先輩が言い直す。

粢先輩はBランク。

そして、この男生徒はAランク。

学年は同じだが、残念ながら先輩の方が1ランク低い。


「はい。称号は『矯正きょうせい影法師ダークネス』です」


称号――!?

称号なんてあるのか?

知らなかった……。


「矯正の影法師か……」


先輩は彼の称号を繰り返した。


「私は、桜凛武装高校3年現代剣術科Bランクの粢 璃桜。称号は『両撃りょうげき右剣左銃クローヴァル』だ」


両撃りょうげき右剣左銃クローヴァル……。

それが、粢先輩の称号。

俺も今まで知らなかった。


「やはり3年だったか。よろしく頼む」


自己紹介を終えると親しみやすい言語に変わった。

本当に話合えそうな人だ。

俺達は運が良かったかもしれない。


「ああ、そうだな。よろしく頼む」


二人は握手を交わす。

俺達もそろそろ出ても大丈夫だろ。


俺はその場をゆっくりと立ち上がった。


「どうやら、大丈夫みたいだな」


聖夜も俺に続いて立ち上がった。


「よいしょ~っと。ほら、菜月ちゃんも~」


奏笑は立ち上がり、菜月に手を差し伸べる。


「あ、ありがと。奏笑ちゃん」


菜月は奏笑の手を握り、立ち上がった。

菜月と奏笑はいつの間にか仲良くなったみたいだ。


俺達は粢先輩の所へ行く。


「ん?君達は?」


蒼生先輩はこっちを見ながらそういった。

その問いに答えたのは、粢先輩だった。


「ああ、この人達は私の仲間だ」


先輩は誇らしくそういった。

そうだな。俺達は『仲間』だ。


先輩がそういった後、奏笑はあの女生徒の所まで駆けていた。

本当に、マイペースだな……奏笑は…。


「ほら~ぁ、あ・な・た・も~」


奏笑が強引に女生徒の腕を掴んだ。

予想外の行動に誰もが驚く。


「え?ちょっと……」


奏笑に引っ張られながら、

女生徒がこっちまで来た。


「そういえば、お前の名前を聞いてなかったな」


女生徒は少し嫌そうな顔をしていた。

だが、俺達のムードは明るい。

このムードに彼女を引きずり込んでしまおう。


彼女は、一つ吐息を漏らしてから口を開けた。


「桜凛武装高校2年総合科Gランクの嘉上 緋咲。称号は『違背いはいのシャイヤ』」


じ、Gランク……?

それは予想外の言葉だった。

まぁ、高い人もいれば低い人もいるってことかな……。

でも、最低で何ランクなんだろう?


「総合科だとっ!?」


先輩はGランクではなく、

総合科という言葉に反応した。

何か特別な科なのだろうか?


「まったくお前にピッタリだよな。その称号は」


称号……?

彼女の称号は違背いはいのシャイヤだったよな……。

確かに合っているような気がする。


「う、うるさい!こんな不名誉な称号ピッタリの訳あるか!」


不名誉……?

この称号は不名誉なのか?


「不名誉もなにも、お前そのものじゃないか」


再び言い争いが始まる。

俺も何処が不名誉なのかを探してみる。


「うるさいうるさいうるさ―――い!!どっか行け!!」


状況が悪くなったのか、誤魔化すように叫んだ。

なんだか、こっちまで笑えてくる。


「えぇ~どこが不名誉なの~可愛いよぉ~」


何処までもマイペースな奏笑は話に加わる。


「ああ、それはだな……」


「死ねっ―――!喋るな!!」


蒼生先輩が喋ろうとした瞬間、

もの凄い抵抗をする緋咲。

だが、その抵抗をもろともせずに蒼生先輩は話を続ける。


違背いはいのシャイヤの違背って意味はな……」


「それ以上言ったら殺す……」


だんだんと、抵抗が脅しに変わってきている。

だが、気にもしないで話を進める。


「違背ってのは規則などを守らないことをいう」


「死ね―――――っ!!!!!」


暴露した蒼生の顔面に向かって、緋咲は右ストレートを打ち込む!


『バシッ!』


その拳を左手で受け止めて、再び話を進める。


「コイツはランクが変更する重要なテストを受けたことがない。だから違背って訳だ。校則に従わない」


「死ね―――――っ!!!!!」


さらに暴露した蒼生の顔面に向かって、緋咲は左ストレートを打ち込む!


『バシッ!』


その拳を右手で受け止めて、

再び話を進める。


「テストを受けていないってことは当然ランクも下がる。だからGランクまで下がった。入学ランクはBランクだったのにな」


「死ね―――――っ!!!!!」


両手が塞がれているため、

緋咲はヘディングをする!


『ドスッ!』


だが、明らかな背が違う。

緋咲のヘディングは蒼生の胸元で止められた。

が、諦めずに何度もヒディングを試みる緋咲。


「び、びびびびび、Pランクだと!?」


「Bランクです。何ですか…Pランクって……」


また、粢先輩は驚愕のあまりランクを間違える。

入学ランクがBか……。

結構すごいな……。


「ああ…間違えた……Bランクだと!?」


粢先輩は意味のない訂正を入れる。


「今はGランクだそうです」


「うっさいわっ!細か過ぎだわっ!」


なんだか、本当に雰囲気が明るくなった気がする。

やっぱり俺はこういう雰囲気の方がだんとつで好きだ。

皆だってそうだろう?


これが、俺達の日常だったんだから。



ー登場人物ー



柊  蒼生(ひいらぎ あおい):(男)

        

桜凛武装高校3年戦術科のAランク。

称号『矯正の影法師』(きょうせいのダークネス)

戦闘力はあまりないが、頭がかなり良く、

状況判断力もかなり高く、いつでも冷静さを保っている

装備はサブマシンガンを一丁所持している。

本当の危機しか使用しない。だが当たらない。


身長:177cm

体重:58㎏

血液型:A

髪色:漆黒色 (黒系)

誕生日:11月19日

年齢:17




嘉上 緋咲(かがみ ひさき):(女)


桜凛武装高校総合科2年生のGランク。

称号『違背のシャイヤ』(いはいのシャイヤ)

桜凛武装高校は総合科が最も入学が困難だが、

(レベルが何処の科よりも、ズバ抜けて高いため)

彼女は入学試験でBランクという結果を残した。

だが、一年で数回行われるテストランクが変動するテスト)

をサボリ続けた。 

その結果、入学当時のBランクからGランクまで下がってしまった。

1年生のとき(その当時はFランク)は留年の危機だったが、

入学試験のランクがBだったため、留年は免れた。

2年生になった彼女だが、

今のままでは3年生へ上がれない。

だが、彼女は今もテストをサボり続けている。


身長:157

体重:44

B.W.H:83.47.85

血液型:B

髪色:ピンク色、ロングで髪を止めている。 

誕生日:9月17日

年齢:16




ー登場人物更新ー



粢  璃桜(しとぎ りお):(女)


桜凛武装高校3年現代剣術科のBランク。

称号『両撃の右剣左銃』(りょうげきのクローーヴァル)

いつも最前線で戦う。

彼女の戦闘スタイルは右手に剣、左手に銃。

現代剣術科に入り独自に生み出したスタイル。

そのため、近距離でも遠距離でも対応が可能。

仲間からの信頼は厚い。


彼女が使用している銃はMP7・OBK/SR。

マガジンは20発を4個所持している。     


身長:161cm

体重:47㎏

B.W.H:86.52.87

血液型:O

髪色:黄支子色(金髪系)、ロング

誕生日:1月16日

年齢:17

         

沙耶の中学生の頃からの親友。

沙耶が桜凛武装高校を入学すると知って、

璃桜も沙耶と同じ剣術科を受けたがレベルが高く、入学試験で落ち、

素人でも入れる現代剣術科へ入学した。 

彼女はまったくの素人から、Bランクまで上がった。

彼女のセンスは開花し続ける。

仲間に憧れている。



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