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11話-(2) 

ー君の魂に抱かれてー(きみのこころにだかれて)


この作品はフィクションです。

登場する人物・団体・地名・事件・世界設定などは全て架空の物であり、

実際の物とは一切関係ありません。


「君の魂に抱かれて」は本編とboy and girls' aspects

で構成されています。

初めて読む方は、本編からご覧ください。



先輩はもう桜凛武装高校には帰れないのか?

いや、それほど桜凛武装高校も追い込まれているっていうことなのか?

その、殺害命令を出すほどに状況が悪い。


「桜凛武装高校って……酷い所なんだ……」


月守さんの身体は少し震えていた。


「そんなことはないさ」


桜夜先輩は言い切った。

だが、いくらなんでも殺害命令は酷過ぎる。

それにも理由があるってことだ。


「これからどうします……?」


重い空気の中、美唯の声が聞こえる。


随分と状況が悪くなった。

俺達はこれからどうすればいい?


「もう、危険は避けられないか……」


俺は覚悟を決めた。

危険を侵してまでも、『真の理由』を知らないといけない。


「中沢君のいう通りだな……」


日が沈みかかっている。

もう、夜になってしまう。


かなり危険を伴うが、逃げてはいられない。


「桜凛武装高校に行きませんか?」


静まっている中で、自分の意思をはっきり言った。

それはあまりに危険な一言だ。

だけど……。それ以上に……


「言ってくれるじゃないか……」


桜夜先輩はふふんと鼻で笑い失笑する。

確かに無謀な事だとは分かっている。


「敵の本陣に突っ込む行為だぞ?そんな簡単に言うものじゃない」


「分かっています。だけど……」


「どうしても"真の理由"を知る必要がある」


俺が言おうとしていた言葉が美唯の口から発せられた。

迷いもなく、透る声で。


「…………」


桜夜先輩が眼を閉じ、黙して考える。


俺達の命にも関わってくる。

だからこそ、慎重に決めなければならない。


「確かに、真の理由は知る必要がある。だが――」


先輩は閉じていたを開けた。

その眼はいつになく真剣な瞳だった


「今はその時ではない」


それが先輩の答え。

今はその時ではない。


「今のままでは、死にに行くようなものだ。仲間を増やすことを最優先しないか?」


死にに行くようなもの……。

先輩はともかく、俺達は桜凛高校の生徒。

結界を発動させて美唯と月守さんを守れても、桜夜先輩は守れない。


戦うのは桜夜先輩だけ。

俺達は殻に閉じこもって視るだけ。


いくら、先輩が強くても数が違い過ぎる。

俺はそれを見落としていた。


「そうですね……。今は仲間を増やすことを優先しましょう」


焦ってしまえば駄目だ。

早まった行動をすれば俺達が死ぬ。


「はぁああ~~~」


月守さんが安息したのか、息を漏らす。


「君達はこの方針でいいかね?」


「はい。良いと思います」


美唯も、この方針に賛成する。


「了解。沙耶先輩」


全員の意見がまとまった。

これが俺達の今後の方針。


「よし。そろそろ行くか」


桜夜先輩が立ち上がった。

それに続いて、俺達も立ち上がる。


「そうですね。行きましょう」


俺は左眼に意識を集中させ、結界を消す。

結界を消しても、周りは静かだ。


くぞッ!」


俺達は再び歩き始めた。


真実へ近づく為に。



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