9月5日/侑eyes イマージュ
ー君の魂に抱かれてー(きみのこころにだかれて)
この作品はフィクションです。
登場する人物・団体・地名・事件・世界設定などは全て架空の物であり、
実際の物とは一切関係ありません。
初めて読む方は、本編からご覧ください。
ーboy and girls' aspectsとは?ー
このモードは主人公の視点ではなく、
君の魂に抱かれての主人公以外の登場人物の視点です。
これにより、より世界観がわかりやすくなります。
※目次の場合、下に行くほど時間が最新です。
ー9月5日ー
「全員、集まったか?」
粢先輩の声で話合いは始まった。
俺達は寝ていた場所で円を描くように座っている。
ファーゼストクンパニアンでは、お馴染みの形態だ。
「ええ、集まってますよ……」
起きたばかりだから眠い……。
俺だけじゃなくて、皆眠そうだ。
「これからの行動……」
瞼が重い……。
閉じれば一瞬で眠れそうだ……。
そう思いながらも、瞼を閉じてしまった。
「も、大事だが!まずこの制服を洗おう!」
…………………。
「わぁ~~~い!賛成~~~!」
おっと、少し眠ってしまった……。
駄目だな。しっかりしないと。
で、今はなんの話だ?
「緋咲もそれでいいか?」
「まぁ、いいんじゃない?」
はて?何の話をしているんだ?
隣の聖夜に聞いてみよう。
「おい……聖夜……」
俺は小声で聖夜に話しかける。
「なんだよ?」
聖夜は俺の声に耳を傾ける。
「今……何の話?」
聖夜に聞くのは屈辱的だったが、俺だけ話合いに着いてこれないのは情けない。
致し方ないことだ。
「子供の作り方」
「え……!?マジ……!?」
おいおい……マジかよ……。
なにを面前の前で語り合ってるんだ?
「そうと決まれば行くぞ!」
粢先輩はその場に立ち上がる。
そうと決まれば……?
って!何が決まったんだッ!?
まさか、子作りッ!?
「わぁ~~~い」
「行こう!奏笑ちゃん」
何故か皆ノリノリだ……。
行こうって何処へ……?
聖夜の言うことが本当なら、行くのはとんでもない所……。
嫌な予感と共に、先輩達に着いていった。
◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇
『ザザザザザザァァァァァ…………』
ん?水の流れる音?
こんな林に囲まれているのに水の音……?
獣道を抜けた先には――
「川だ……」
そこは結構幅もある川だった。
しかも水も綺麗だ。
此処で何をするつもりなんだ?
「此処ならやれるだろう!」
粢先輩がまさかの爆弾発言!?
マジかよ……。
本当に子供を作るつもりなんだ……。
「此処ならできますね!」
菜月までもが爆弾発言!?
なんで此処ならやれるんだ……?
周りには石が多く転がっている。
川の近くってのは大体こんな感じなんだよな……。
だけど、川の近くには虫が一匹もいない。
それもそうだ。
この世界には俺達以外の生命体はいない。
「でもどうやってするの?」
……。……。……。
緋咲まで……。
何だか今日の女性陣は積極的だな……。
なんだか、胸の鼓動が速くなる。
「大丈夫だ!必要なものは私が持ってる!」
ひ、必要なもの……!?
な、何を持ってるんだ粢先輩は!?
その一言で、先輩の人格を疑う俺。
「俺達も後でやらせてもらうか」
な!?蒼生先輩まで爆弾発言!?
この一晩で皆の身に何があったんだ!?
「そうだな。俺も我慢出来ないし」
全員が爆弾発言!?
どうなってるんだこの世界は!?
俺が知らない間に何があった!?
「みんな、本気なのか!?」
あまりの急展開で戸惑いを隠せない。
な、なんでいきなり子作りなんか……。
「侑はこのままでもいいんだな?」
粢先輩の顔は本気だった。
ヤバイ……。全員本気だ……!!
「ああぁ~もう我慢出来ない~!」
そう言いながら制服を脱ぎ出す奏笑――!
ま、マジかよッ!?これは本格的だぁ!
俺は思わず眼を逸らしてしまった。
「か、奏笑!まだ準備はできてない!ちょっと待っていろ!」
粢先輩は驚きのあまり、口調を速くする。
「ええぇぇ~~~」
先輩がいう準備ってなんの準備だ?
ああ!そうか!
心の準備かッ!?
これは本当に子作りをする気だッ!!
「お、男達はこっちを視るなッ!」
粢先輩は鋭い口調でそういった。
あれ?男って結構重要なんじゃないのか?
いや、結構どころじゃないよな……。
相当重要だよな……。
ああ、そっか……。
心の準備か……。
なら仕方ないか……。
「はいはい……」
蒼生先輩は身体を180度回転させ、その場に座る。
もちろん蒼生先輩の背中は女性陣の方向を向いている。
「なんだよ……ツレないな……」
聖夜は残念そうに口を尖らせ、
背中を女性陣へ向けて座る。
俺も慌てて身体を回転させた。
そして、座る。
い、一体、これから何が始まるんだ……!?