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君の魂に抱かれて  作者: 皐月-Satsuki-
boy and girls' aspects
103/136

9月4日/侑eyes    止まない雨はない

ー君の魂に抱かれてー(きみのこころにだかれて)


この作品はフィクションです。

登場する人物・団体・地名・事件・世界設定などは全て架空の物であり、

実際の物とは一切関係ありません。

初めて読む方は、本編からご覧ください。



ーboy and girls' aspectsとは?ー


このモードは主人公の視点ではなく、

君の魂に抱かれての主人公以外の登場人物の視点です。


これにより、より世界観がわかりやすくなります。


※目次の場合、下に行くほど時間が最新です。



『ゴロロロロロロロロロロ―――――ッ!!!!!』


『ギギギャャャァァァアアアアアアアアアア―――――ッ!!!!!』


まだ雨は勢い良く降り注いでいる。

俺の髪にシャンプをつけたら、泡立つと確信を持っていえる量だ。


そんな中、ファーゼストクンパニアンは自転車で走り抜ける。

しかも周りは真っ暗だ。

これまでにない、悪条件が揃いに揃っている。


「いやぁ~雨酷いねぇ~」


聖夜はおっさんか!って突っ込みたくなるぐらいのおっさん口調だ。


「そうだな……」


雨は一向に止む気配を見せない。

天気雨なら、もうじき止んでもいいんだけどな……。

聖夜の人格も、段々と老いてきたことだし。


「お天道様もお怒りだぁ~」


奏笑は呑気な声を上げる。

だが、今の精神状態は極限状態だろう。


「大丈夫だ奏笑、雷が直撃しても死なない可能性もある!」


粢先輩のフォローはまったくフォローになってない。

この言葉の響きだと、死ぬ可能性の方が高く聞こえる。


「そ、そうなのぉ~」


そりゃ、確かに直撃すれば絶対に死ぬってわけでもないだろう。


「そうだぞ。雷に打たれながらも、下半身不随で生きていた人物もいるんだぞ?」


それって運がいい方なのか?

それとも悪い方なのだろうか?


「か、下半身不随は嫌だよぉ~」


そりゃ、そうだ。

下半身ということは、歩けなくなる。

ということは、車椅子生活だ。


「安心しろ奏笑。もしもの時は俺の下半身をあげよう」


聖夜が下半身提供の話を始める。


……。……。……。


想像しただけでも、背筋がゾッとする。


「ほ、ほんとう~?」


何故か奏笑も受理した……。

マジかよ……。

本当にそれでいいのかよ……。


「男に二言はないぜ?」


聖夜は逞しい声でそういってみせた。


その瞬間……。


「あ、雨止んだ……」


あれほどショワーの如く降り注いでいた雨が、何事もなかたようにピタッと止んだ。


「や、止んだ……」


雨が止んだことを、一番驚喜したのは緋咲だった。

雨が止んだというより、雷がおさまったということに驚喜しているんだろう。


「お前、泣いてるのか?」


「な、泣いてなんてないッ!」


此処は緋咲は、強く言ってみせた。


雨は止んだ。

だが、問題はこれだけではない。


周りは真っ暗だ。

灯りの一つもない。


よく、俺達は此処まで行ったなと感心する。


「粢先輩。今日はこれで休みませんか?」


今日はかなり走った……。

体力的にも、気力的にも限界だった。


「そうだな。休むか」


ああ、ようやく休息ができる……。

俺は心の底から嬉しく思った。


「な、菜月ちゃん!わ、わたし~どこも打たれてないよねぇ~?こげてないよねぇ~?」


「暗いから視えない……」


こうして俺達は、9月4日を終えた。



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