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君の魂に抱かれて  作者: 皐月-Satsuki-
boy and girls' aspects
100/136

9月4日/沙耶eyes  桜剣

ー君の魂に抱かれてー(きみのこころにだかれて)


この作品はフィクションです。

登場する人物・団体・地名・事件・世界設定などは全て架空の物であり、

実際の物とは一切関係ありません。

初めて読む方は、本編からご覧ください。



ーboy and girls' aspectsとは?ー


このモードは主人公の視点ではなく、

君の魂に抱かれての主人公以外の登場人物の視点です。


これにより、より世界観がわかりやすくなります。


※目次の場合、下に行くほど時間が最新です。



くぞ!少女!」


右手で千鳥の柄を掴み鞘から出し、

片手で構えながら走り出す――!


『ズド―――――ンッ!!!!!』


銃声に素早く反応し、身体を右へ流すように回避する。

そして、また疾走する――!


『ズド―――――ンッ!!!!!』


体勢を低くし、銃を避ける。

まだだ……。もっと近くに――!


「なかなかやるじゃないのッ!」


少女は冷静さを保っている。

相当戦闘慣れしている。

そう感じさせる程の腕と態度。


少女が引き金を引く――!


だが、銃弾は発射されなかった。


「うそっ!?弾切れ!?」


少女は焦り始めている。

勝敗は決した。

私はゆっくりと少女に近づく。


距離が縮まった瞬間、少女は薄笑いを顔に浮かべた。


「チェックメイトッ!!」


少女はふところから新たに銃を2丁出す――!


「――はあっ!?」


その銃は大きな物ではなく、

小さなものだった。

左右にしっかりと握られた銃。

その銃口は私を向いていた。


「バイバイ」


少女が私に妖しく笑いかける。


『ズドドドドドドドドドドドッ!!!!!』


「――ッ!!」


左右両方から連続発砲。

乱発された銃弾は私の握っていた千鳥を吹き飛ばした。

私は瞬時に弾道を見切り、紙一重で横飛びに避ける――

その時に起きた回転の勢いを殺さず、床を蹴って私は少女と距離をとる。

千鳥は吹き飛ばされ私の手の中にはない。


「アンタしぶと過ぎっ!。でもこれでお仕舞い――!!」


『カチャッ!』


左右の銃の銃口を私に向ける。


これで勝負が決まる――


少女との距離は遠距離。


だが……。私が歴然と不利という訳ではないッ!


「帰りきたれ!千鳥!」


呪を唱えた瞬間、私の右手には千鳥の柄が握られている。


「舞い落ちる桜の花に夢幻の優美を奉ずる」


私は呪を唱え始める。

この呪は桜夜家に代々伝わる剣術、桜剣おうけんを成すための呪。


空いている左手の人差し指で、前方に呪印を組む。

人差し指で描いた呪印が、指で組んだ通りに桜色に光る。


「な、なに……?この光……?」


驚愕の表情を浮かべ、悪し様に私を視る少女。


「巡り来る花信へと集い百花繚乱の如く成せ!」


呪を唱え終えると、指で組んだ呪印が燦爛のごとく輝きを増した始めた――


『カチャッ!』


私の攻撃の変化に気付いた少女は、機敏に銃を構えなおす。


『ズドドドドドドドドドドッ!!!』


少女が左右で乱射する――

だが――


「解き放てッ!零傑れいけつッ――!!」


ギュッっと千鳥に力を込め、全力を刃に送り込み、

遠距離にいる少女の胴を、その場で上下に一刀両断する勢いで切り裂いた――!!!


千鳥で切裂いた瞬間、遠距離にいる少女に向かって、神風の如く、衝撃波が跳ぶ――!


「――――ぐッ!!」


少女は俊敏に態勢を低くし、衝撃波を避ける――!

だが、低く出来たのは態勢のみ。

左右に構えていた銃は衝撃波に直撃する――!


「くぁあッ!?」


少女の左右に構えていた銃は、上下に綺麗に切断され、

切断された上の部分は、宙を舞っていた。


このとき、武器を無くした少女は初めて恐慌の色をみせた。


私は距離は縮めず、遠距離から対峙している。


「コイツ……!化け物――ッ!?」


少女はその場を立ち上がり、

私に背を向けながら、走り去っていく。


私は潰走する少女を見送った。


「化け物、呼ばわりか……」


私は千鳥を鞘に戻し、ビルを後にした。



◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇



ビルを出て、私は一番に空を見上げた。

もう、夜は近い。


「中沢くん達と合流しなくては……」


だが、中沢くん達がどこにいるのか分からない。

最悪の場合、離別だって考えられる。

それはどうしても避けたい。


だから、私は千鳥を鞘から抜き、天へ刃先を向けた。


「千鳥に宿われし雷魂よ、再び、生ずことを請う」


この呪は千鳥の雷魂を開放するための呪。


「今、此処に雷魂を開放する」


呪を唱え終わると、雷切の刃は大きく帯電し始めた。


「我が剣よ請え。全ての雷魂を飲み込み、正法を生じよ」


これは、雷神正法を成すための呪。

この呪を唱えた瞬間、雷切の刃は大きく剥離はくりする。


「雷神正法。龍来」


『ゴロロロロロロロ―――――ッ!!!!!』


雷切の刃が閃光と成し、その電撃は轟音と共に空へ走っていった。



ー用語集ー



ー桜剣(おうけん)ー


桜夜家に伝わる桜夜流の剣技。

全て習得するには困難な技で、技数も豊富。

桜剣の一つ一つの剣技が、かなりの難易度。



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