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異世界で暗殺された最強賢者、現代日本で病死寸前のおじさんに転生する〜莫大な資産と最強魔法で現代でも異世界でも無双します~  作者: 天音天成
異世界復讐編・第1章:大賢者の帰還と、腐敗した英雄たち

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第6話:式典乱入! 現代化学×魔法理論の絶対的論破

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翌日。正午。

王城前広場は、凄まじい熱気に包まれていた。

広場を埋め尽くす数千人の平民たち。そして、演壇の近くの特等席には、着飾った貴族や王族の姿もある。


『これより、偉大なる英雄にして王国筆頭錬金術師、ザンク様のご入場です!!』


ファンファーレが鳴り響き、金糸で刺繍されたド派手なローブを身にまとったザンクが、尊大な態度で演壇へと上がってきた。

5年前はただの地味な研究オタクだった男が、今や権力と金にまみれ、顔は脂ぎって醜く歪んでいる。


「皆の者! よくぞ集まった!」


ザンクが【拡声】の魔道具を使って声を響かせると、サクラの兵士たちや貴族たちが一斉に歓声を上げた。


「かつて、この国を導いていた大賢者は死んだ。だが嘆くことはない! 今や、私の錬金術の頭脳はあの賢者をも超越したのだ! 今日、私が発表するこの『奇跡の霊薬エリクサー』こそが、その証明である!!」


ザンクが恭しくガラスの小瓶を掲げる。中には、怪しげな赤紫色の液体が波打っていた。


「この霊薬をひとたび飲めば、いかなる病も退け、老いた肉体には若者のような活力がみなぎる! 私はこれを、王国の未来のために……金貨十枚という破格の安さで提供しよう!!」


金貨十枚。それは平民が一生働いても稼げるかどうかの途方もない金額だ。

最初から、金を持つ貴族だけをターゲットにした麻薬ビジネスなのだ。


貴族たちが「おおっ!」とどよめき、平民たちが絶望のため息を漏らした、その瞬間だった。


「――相変わらず、三流の詐欺師のような口上ですね、ザンク」


俺の声は、昨夜仕込んでおいた【サラウンド音響魔法】によって、数千人が集まる広場の「すべての方向から」映画館のように重低音を伴って響き渡った。


「な、なんだ!? 誰だ!!」


ザンクが慌てて周囲を見回す。

群衆がモーセの十戒のように割れ、俺は漆黒の魔導ローブを翻しながら、ゆっくりと演壇の正面へと歩み出た。

26歳の若々しい姿と、仕立ての良いスーツにローブという奇抜な装いの俺を見て、ザンクは一瞬ポカンとしたが、すぐに顔を怒りで赤く染めた。


「き、貴様は何者だ! この私を呼び捨てにするとは、不敬罪で首を刎ねるぞ!!」


やはり、若返った俺が「大賢者」であることには気づいていない。

俺はポケットに手を入れたまま、涼しい顔でザンクが掲げている小瓶を指差した。


「奇跡の霊薬? 笑わせないでください。その薬、ただの粗悪な『興奮剤』に、強い依存性を持つ『麻薬成分』を混ぜただけのゴミでしょう?」


「なっ……!?」


俺の言葉に、広場が静まり返った。

図星を突かれたザンクは、ギョッとしたように目を見開いたが、すぐに声を荒げた。


「で、でたらめを言うな! これは私の長年の研究と、高度な錬金魔法の粋を集めた奇跡の――」


「高度な錬金魔法? では成分を解析しましょう。【物質分解・スペクトル解析】」


俺が指を向けると、ザンクの持っていた小瓶の中の液体が、空中で勝手に分離し始めた。

赤い成分、紫の成分、そしてドロドロとした黒い成分が、空中で別々の球体になって浮かび上がる。現代化学の分析機器を、魔法で視覚化したのだ。


「赤い成分は『ブラッド草』。一時的に血流を上げ、活力が湧いたように錯覚させるだけの安価な興奮剤です。そしてこの黒い成分……これは魔の森に生える『夢魔のキノコ』から抽出した神経毒。……少量なら強烈な多幸感をもたらしますが、三度も飲めば脳神経が破壊され、この薬なしでは生きていけない廃人になる」


大賢者の絶対的な知識と、現代日本の化学的知見を交えた、反論の余地のない完璧な理論解説。

俺は冷たい目でザンクを見据えた。


「これを『万能薬』として金持ちに売りつけ、薬漬けにして財産を根こそぎ奪う。……それが、お前の『世紀の大発明』の正体だ。違いますか?」


「あ、あ、あ……ッ!!」


完全に論破され、ペテンを暴かれたザンクは、脂汗をダラダラと流しながら後退った。

広場に集まっていた貴族たちの顔色が「あの薬を買っていたら俺たちも廃人に……!?」と蒼白になり、ザンクへの視線が怒りへと変わっていく。


「だ、黙れェェェッ!! どこの馬の骨ともわからん若造が、適当な幻術で私を騙そうとしているのだ! 衛兵! そいつを殺せ! 八つ裂きにしろォォォッ!!」


窮地に陥ったザンクが、狂ったように叫んで周囲の兵士たちに命令を下す。

数十人の重武装の兵士たちが、槍や剣を構えて俺を取り囲んだ。


「言葉によるプレゼンだけでは、まだご不満のようですね」


俺は襲いかかってくる兵士たちを一瞥もせず、ただ右手を高く掲げた。


「では、動かぬ『証拠映像エビデンス』のプレゼンを始めましょうか」


パチンッ。


俺の指がスナップ音を鳴らした瞬間。

演壇の上空に、昨夜仕込んでおいた縦十メートル、横二十メートルの【超巨大ホログラム・スクリーン】が、鮮烈な光と大音量のBGMと共に展開されたのだった。

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