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水光学園科学部。

作者: 本。

行方不明だったファイルから発掘第二弾。

はっちゃけてみました。

 水光学園みなひかりがくえんに存在する、科学部。


 その部室に、はたはたと白衣を揺らして、1人の少年が入った。


「よいしょっ、と。ふう…」


 両手一杯に荷物を抱えていた少年は、ズシッと音を立ててそれを机の上に置くと、ため息を一つ吐いた。


「よし、せっかくあの先輩たちが居ないんだから、やりたかった事、片っ端からやらなきゃ!」


 むん、と腕まくりをして、少年は何やら楽しげに、薬品を取り出した。が。


賢志さとしく~ん!!」


 阿呆そうな声が響き、少年の顔に青筋が浮かぶ。1人の男が手を振りながら、少年の元へ駆け寄って来た。


隆志たかし先輩、何で居るんですか!!」


「だって、俺達がいないと、賢志君が寂しいだろうと思って。なあ、剛志つよし?」


「!!剛志先輩までいるんですか!?」


「おう」


「私も居るわよ」


はな先輩まで!?何でまた…。修学旅行はどうしたんですか!?3泊4日の沖縄旅行は!!」


「「「抜け出してきた。ヘリで」」」


「……。チッ、このボンボン共め…」


 少年―――――賢志は、殺意のこもった瞳で三人を射た。


「「ヒイィッ」」


「……」


「今直ぐ、戻って下さい。…先輩方?」


「ま、ままままま待つんだ、賢志君!その、手に持っている薬品を置きたまえ!!」


 賢志が大人しく、かつ素直に、その言葉に従い、代わりに手に竹刀を持った。


「な、なななあ、賢志。俺達、『志』ブラザーズ」だろ!?すなわち兄弟だろ!?止めろって、剣道全国ベスト4のお前にやられちゃたまんねーよ!」


「知りません。先輩方や、名前も知らないような人達が勝手に言っているだけです」


「やーだーー賢志君てば、冷たいー」


「無表情のままハイテンションの人の口調で言わないで下さい!」


 賢志は言って、竹刀を置いた。今度は拳を握る。


「だから、暴力に訴えるのは止めようぜ!お前、それ系のヤツ全部有段者だろ!?」


 剛志が両手を前に突き出して必死に言い、隆志と華がこくこくと、激しく頷いた。


「……はあ。分かりましたよ」


 賢志が手を下ろすと、三人はほっと息を吐いた。


「賢志君、ちゃんとお土産を買って来たんだよ!」


「お土産…ですか…?」


「「「そう!!」」」


 三人は自信満々で返事をする。それを聞いた賢志は、苦い顔になった。


「嫌な予感しかしませんけど…」


「俺からはこれだ!!」


 賢志の呟きを全く無視して、隆志が叫んだ。


「はい」


「…カレンダー?」


「Yes!」


 賢志は無言でそれを破り捨てた。


「あ゛あ゛っ!」


「私からはこれよ」


 華が賢志に手渡したのは、コアラのぬいぐるみだった。


「沖縄関係無いじゃないですか!!」


「あるのよ。きっと、多分」


 賢志は全力でぬいぐるみを投げ捨てた。


「あ゛あ゛っ!」


「甘いなお前ら!賢志はもっと実用的な物じゃないと喜ばねーよ!」


「…シューズ…。学校指定の…」


「嬉しいか?嬉しいだろ!?」


「そこまで貧しくねえよ!!!しかもやっぱり沖縄関係ねえだろ!!!」


「ぐはっ」


 賢志は、剛志を力の限り殴った。


「もう良い。あんたら死ね、この変人共」


 白衣を翻して、賢志は部室を後にした。




 その日賢志は、カレンダーとコアラとシューズに踏み潰される夢を見たとか。

友人達に人気だったこの作品。

実はReturnがあったりするのですが…。まあ、それは反応次第ですかね…。何故ならこんなにはっちゃけてると作者が恥ずかしいので(笑)

ファイルには短編小説がたくさんはさんであったので、長さによって短編にしたりプチ連載にしたりしていきたいと思います。

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