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引きこもり令嬢と呼ばれていますが、自由を謳歌しています  作者: 燈華


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依頼内容

「さてそろそろ本題に入らせてもらおうかな」


ハンカチを丁寧に畳んで返してくれた侯爵が改めて切り出した。

今までのは場を温める前座だったのだろう。


「はい」


クラウディアは背筋を伸ばした。

オルトがメモ帳を取り出す。

普段なら自分でメモを取るが、今日は自分に任せてほしいとオルトに言われたので彼に任せることにしていた。


「まずはどのようなものがいいか、大きさなどお聞かせいただけますか?」


一つ頷いて侯爵は話し出した。


「布に刺繍してもらったものを板に打ちつけて額装するので折る分は空けておいてもらいたい。大丈夫かな?」

「はい。それは大丈夫です」

「よかった。あとは、」


大きさ。

刺繍せずに空けておく折り幅。

デザインはこれから相談して決めること。

かかった費用は別途支払うこと。

期限は特になし。

等々基本的なことが示される。


特段変わったところはない。

どちらかが不利になるようなものでもないように思える。

至極真っ当なものだ。


「クラウディアさん、引き受けてくれるかな?」


クラウディアは確認のためにオルトを見る。


「クラウディアお嬢様のご随意に」


オルトに頷いて侯爵に向き直る。


「お引き受けします」

「ありがとう」


部屋の空気が緩む。

やはりそれなりに緊張感はそれぞれにあったのだ。


「では細かい契約の打ち合わせはリノ殿とするとしようか」


侯爵が言えば侯爵夫人も頷いて笑顔をクラウディアに向けた。


「ではクラウディアさん、細かな条件のすり合わせは男性陣に任せて別室でデザインの打ち合わせをしましょう」


オルトに視線を向ければ彼は微笑んで頷く。


「お任せを」

「オルト、お願いね」

「はい」


侯爵夫人とヴィヴィアンが立ち上がり、続いてアーネストまでもが立ち上がった。

立ち上がったアーネストを侯爵が見上げる。


「アーネスト? お前も行くのか?」

「交渉は父上に任せますよ。私はクラウディア嬢と話したいので」


侯爵が呆れたような視線をアーネストに向けるが、彼は取り合わない。


「行こうか、クラウディア嬢」

「はい」


手を差し出されたので、手を重ねる。

立ち上がり、侯爵に礼をする。


そのままアーネストにエスコートされ、侯爵夫人とヴィヴィアンと共に部屋を出た。

読んでいただき、ありがとうございました。


誤字報告をありがとうございます。修正してあります。

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