核心
ユメは後ろでずっと待っていてくれた。
「ごめん、待たせて」
ユメは機械的に首を振る。
「いいえ、大丈夫です」
bunnyから出て、再び船に乗った。
何だか何もかも分からなくなる。
ゆっくりと流れる水面を見ていると、ふいに手を繋がれた。
柔らかくて温かい。
ユメはボブカットの黒髪を揺らし、俺の顔を覗き込んで言う。
「大丈夫です。私が付いています」
俺は胸が温かくなって、手を握り返した。
「ありがとう」
船が停まる。
陸に上がると、長い上りのハシゴがあって、俺たちは梯子を上った。
白い光があり、触れると視界がゆっくりとホワイトアウトし、俺は瞬間移動していた。
一斉に耳を打つ人の声。
顔を上げ、周囲を見て、俺は唖然とした。
雑踏。人々がスマートフォンを弄りながら歩いている。
大きなスクランブル交差点。
反対側の太いビルには、ゲーム広告のデジタルサイネージが点灯していた。
強烈な既視感。
近くにあった案内板を覗き、犬の記号で俺は確信した。
「渋谷だ」
その時、雨が降って来た。
冷たい。こもったリアルな雨の匂いが鼻腔をくすぐる。
アスファルトの上に雨が流れて、排水溝に流れていく。マンホールの蓋が雨に濡れ、東京の巨大モニターの光を反射して、不思議な色に照り輝いていた。
猫がぶるんと身体を振って、俺の肩に飛び乗って来た。
ズシンと重くて温かい。
「ちょっと、案内してくれよ」
猫は無言でスキャンをする。
スキャンの細い光の線で、そっちに行け、と言っているようだ。
様々な店の入っている雑居ビルの通りを歩き、角を曲がって歩き続けると、少しずつ高層ビルが多くなって来る。
「‥‥こんな所に住んでるのか?」
スキャンが止まり、猫が地面に降りる。
超高層マンションの前で猫は俺を振り返った。
猫はマンションのドアに近づき、自動ドアが開くと、尻尾を立ててエントランスに入っていく。金色の台があり、部屋の数字が書かれている。
猫が台に飛び乗り、鼻先で404を押した。
ブチっと音がして、インターフォンが繋がる音がする。
無愛想なアルトの声が響いた。
「はい」
俺は震えそうになる声を抑えて問う。
「‥シロ、シロなのか?」
「はぁ。そうだけど。あんたは、イチって奴?」
「あぁ、そうだよ!ツクモの猫もいる」
猫が俺の隣で、ニン、と短く鳴くと、自動ドアが開いた。
俺は走って豪奢なエントランスを抜け、エスカレーターに乗った。
404を押すと、エレベーターは上昇する。後ろを振り向くと、東京の景色が一望出来る。上昇するにつれ、俺の気持ちも高まった。
死んだシロと会える。
40階に到達し、白い大理石のタイルの廊下を走る。インターフォンを鳴らすと、ツクモがガチャリ、とドアを開いた。
ツクモの隣にはシロがいる。
シロ‥‥
シロは、いつもとは違って女の子っぽい白の短パンに肩出しの桃色のチュニックを着ていた。
シロは腕を組み、ツクモに問う。
「本当にこの人が未来でボクを助けたの?」
「未来っていうか、別の世界線な」
「ふぅん」
「‥‥ごめん」
俺は思わず謝罪していた。
俺のせいでシロは死んだ。
勘違したツクモがいう。
「別に時間の事はいいよ。結局、悪魔の小瓶で飛んでいくしな」
ツクモが俺にタオルを投げる。
「それで、お前は何処で油を売って、誰と何を話していたんだ?」
下手に誤魔化さない方が良いだろう。
俺はタオルでユメの頭を拭きながら答えた。
「ヒイラギとたまたま会って、bunnyっていうバーで話した。ほら、チュートリアル的なのが始まっちゃって、船から降ろされちゃったんだ。それで仕方なく」
「話だけじゃそこまで遅くならないだろ」
「‥」
シロが呆れて言う。
「アイツが一番胡散臭いんだからさ。ツクモがどうしてボク達みたいな弱者に優しくしてくれるのか、よく考えなよ」
「それは、攻略のための援助だろ」
「防具を振り撒くだけじゃ人は付いて来ないよ。はじまりの街の人達とか、ボクがツクモを信頼するのは、メンタルケアも含めて大事に接してくれるからだ。むしろ、攻略の奴らは良いアイテムを配れば付いて来るから、ヒイラギは慕われているように見えるけど、全体的な評価は低いよ」
「そうなんだ」
シロの意見はもっともである気がした。
ツクモが問う。
「どうしてお前はそんなに俺を疑っているんだ?何を吹き込まれた」
「ツクモがプログラマーだって」
「は?だから、違うって」
「なら、どうして毎日3回ログアウト出来るんだよ?部屋で安全を確保するアイテムが作れるんだ?」
「アイテム?」
「ツクモが言ったんだろ」
「よく覚えてるな」
ツクモは腕を組み考えるように間を置いてから、言った。
「人を騙すには、嘘と事実を混ぜるのが定石だ。ヒイラギの言う事は、間違ってもいないが、正しくは無い」
シロと俺は息を呑んだ。
俺はツクモに向き合って強く言った。
「ツクモが本当の事を話さないなら、俺も今あった出来事は話さない」
俺は畳みかけて言う。
「プログラマーじゃないなら、何なんだ?」
ツクモは一度シロを見て、俺に言った。
「場所を変えよう」
俺よりも、シロが先に口を開いた。
「なんで?教えてよ」
「お前はまだ子供だから」
「意味わかんない!」
俺も追随する。
「よく子供を困らせたく無いから、何も言わないって言うけど、俺はそれは間違っていると思う。どんな事も知っていた方が良いに決まっている」
「それはお前が子供だから言える事だ。知らなくても良い事なんて、山ほど‥」
「馬鹿にするなよ!シロだって、ここで三年生きてきたんだ。こんな世界、強い人じゃなきゃ何年も生き残れない。シロはきっと向き合えるよ、ロードして記憶はなくしたけど、俺はシロと話して友達になって、シロはこの世界に適応して、ちゃんと生きてるんだなって分かった。普通の人なら、適応できない世界で」
「‥なにが言いたい?」
俺はハッキリと言った。
「シロを帰せないのはツクモだろ!」
「‥」
「だって、ツクモがシロをエスケープさせれば良いだけの話だ。それをしないのは、帰れないんだって解釈して、シロを守って帰さないのは、お前じゃないか!」
ツクモは初めて見る表情をしていた。
苦しそうな、何かを諦めた様な、哀しい目で訴えるように俺を見る。
その顔で、俺はツクモという人間を誤解していることに気が付いた。
ツクモは苦笑して言う。
「まさかお前に核心を突かれるとは思わなかった」
「分かってたのか」
「分かってたよ。でも帰したくなかった、帰せなかった‥‥」
シロがツクモに駆け寄り、ぎゅっと抱きついた。
ツクモはシロの頭に手を置いて、歯切れ悪く言った。
「ごめん。イチの言う通りだ。俺は‥‥踏ん切りがつかなくて‥‥」
「ツクモは何も悪くない。悪いのは私。私が強くなれたのは、ちゃんと生きれるようになったのは、ツクモが色々教えてくれたから」
シロは俺を見て言った。
「ツクモは悪くないんだよ、ツクモは私が泣いてたから、助けてくれたの。帰りたくないって、私は最初ずっと言ってたから」
シロがツクモから離れる。
ツクモは俺たちに言った。
「分かった。話すよ。少し難しい話になるから、分からないところは聞いてくれ」
「うん」
「俺はプログラマーと研究していた医学研究者で、現実じゃ23歳だ」
「「えっ!?!?」」
俺とシロは信じられず、ツクモを見返した。
明らかにツクモは幼い。中学生か高校生位にしか見えない。
ツクモは自身の手を見つめて言う。
「どうしてこの世界で俺が10代の見た目なのかは分からない」
「‥本当?」
ツクモは頷く。
「俺は日本の《メタバース計画》における、正規の研究者だった。メタバースっていうのは‥」
「この仮想世界の事なんだろ?メタバース計画っていうのを政府がやろうとしていたのも知ってる。そこら辺の事情は聞いた」
「そうか。そのメタバース計画に俺も関わっていた。メタバースには、色々な知識や技術が必要だから、多様なジャンルから研究を進めて行き、協力しようという事になった。だから一口に研究開発って言っても、77個のプロジェクトが同時進行していて、そのプロジェクトの中で、また研究機関がある。国立のセンターや、工学系の大学とかな。とても大規模な研究だ」
嘘をついている感じでは無さそうだ。
ツクモは滑らかに説明を続ける。
「俺は中でも、医療とメタバースを結び付ける様なプロジェクトに携わっていた。長く生きられない終末治療をしている人や、障害のある人が自由に生きられる世界をどう表現し、どう体験させるか、といった感じの事だ。俺は医学部にいて、工学系の研究者と共同研究を行なっていた。でも途中で病気を発症して、自分からメタバースの被験者に立候補した。医学の知識は一般人よりあるし、具体的な感覚も欲しい情報を伝えられるから」
そういう事だったのか。
「それでこの世界に?」
「きっかけはね。ある日突然帰れなくなって、一日経過してようやくログアウト出来たと思ったら、別の知らない病院に居たんだ。そこで治療しながらログインしてる。一日3回食事とリハビリが済めば、自分からログインしてるよ」
「え!?なんで!帰れるのに」
「俺は頓挫したメタバース計画を復興させて、死んでも生きられるようにしたいから。プログラマーはメタバース内にいる可能性は高い」
「そうなのか!?」
ツクモは頷く。
「どういう事か説明するために、まず、メタバースがどういう仕組みか説明する」
「うん」
「主に脳複製という技術を使っている。これは文字通り、自分の脳をデータとして書き起こす技術だ。もちろん簡単なものじゃない。ニューロン細胞は1000億個あるし、それが1000兆本も手を繋いでいる。他にも、脳細胞のタンパク質の分子までマッピングして、ようやく個人の脳複製が完成する」
「‥‥もう一人の自分ってこと?」
「あくまで電子内、のな。電子の自己が動いている時は現実の自己は動いてはいけない決まりがある」
「倫理的に?」
「そう。そして、それは今も守られている。この世界の上空に「転生の扉」っていうものがあって、そこへ行くと俺はログアウト出来る。つまり、そのタイミングで複製された脳の方をオフにして、現実で俺を起こさなきゃいけない。現実では、神経伝達物質を少なくして、脳の働きが落ちている状態、つまり寝ているような状態になる特殊なヘルメットを付けている。転生の扉に辿り着いて、おそらく、サインを受けた看護師がそれを外して現実の俺は目覚める」
「メタバース内でツクモのログインログアウトを感知して、看護師に指示してるって事?」
「分からない。他には、毎回メタバースの中でプログラムにアクセスし、世界が変更されている。そしてそのアップデートの情報がすぐに流れる。bunnyに情報を流している奴がいる。仲間の研究者同士でも、その意見で一致している」
「‥なるほど」
「俺は病院内は自由に歩けるけど、外に出ようとすると止められる。看護師やリハビリ師は、みんな何も語ってくれない。研究仲間と連絡を取って、患者を通してパソコンとかは手に入れたけど、調べてもSEOのせいでサッパリだ。仲間も同じ状況だよ」
「SEOって?」
「検索結果を操作する技術だ。サーチエンジンオプティマイゼーションの略。情報を消して、都合の良い情報を流す、保守派の手口だよ」
「保守派って?」
「社会主義国家、右翼。日本が金を出して、検索結果に出ないように頼んでいる訳だ」
「‥なるほど」
国ぐるみの隠蔽、つまりそれだけ大きな事なのか。
「それから一日3回のログアウトだけど、俺はちゃんとした生活をしないと、病状は悪化するから、固形物を食うのとリハビリで帰らなきゃならない」
「‥‥なんの病気なの?」
「言ったら治してくれるのか?」
ツクモは片眉を上げ、微かに笑う。
俺は返答に困り、たずねた。
「俺の身体はどこにあるの?」
「さぁな。そのプログラマーの傘下にある病院とか研究所とかなんじゃないか?」
「‥じゃあ、ツクモはどこにいるの?」
「知ってどうするんだよ」
「もし無事にこの世界を出られたら、現実で会いに行くから‥‥嘘をついてないか、確認したいし。医者の卵とか、歳上とか、怪しいし」
俺が早口で付け足すと、ツクモは苦笑して言った。
「東北国立癌研究センターにいる」
俺は言葉を失った。
ツクモは静かな瞳で俺を見て言った。
「余命宣告されてから、寛解を繰り返して四年生きてる。俺は死なない、絶対に」
「‥」
「俺がメタバース計画を復旧させたい訳は分かるだろ?」
「‥‥うん」
「倫理的に、現実に自己が意識のある内はデジタル内の自己を動かしてはいけないという決まりがあったけど、無法地帯となった今もその決まりが守られているのは、本格的にプログラマー側が、ちゃんとメタバース計画を続けたいって意思だと思うんだ」
「でも、どうして国はメタバース計画を消そうとしてるの?良いことばかりなのに」
「分からない。悪い事があったんだろ。研究で使用し、管理されていた個人の脳のコピーも全て消された。けど、おそらくそのバックアップがあって、俺のデータ脳は、それが使われているみたいだ。機械の技術も含めて、メタバース計画に関わっていた人間の誰かが犯人であることは間違いない」
ツクモは付け足した。
「国や公安はプロジェクト自体を抹消させたいようだけどな。ヒイラギが俺を敵対視しているならば、そういう見方をした場合だ」
「‥‥なるほど、わかった」
俺はヒイラギのことを説明した。
ツクモは特に何も言わず、話を聞いた後は「次帰ってきたら、山小屋まで移動する」と言い残し、ログアウトをしに帰って行った。
俺は少しシロと話をした。
「本当にボクは死ぬの?」
「うん。俺を庇って、シロは死ぬ。でも、どうして俺を庇ったのか、俺は分からないから、それをシロに聞きに来た」
「ふぅん」
「ツクモは、シロが現実に帰る覚悟を決めたんだって言ってたけど、それは本当なのか?」
シロはソファーに座り、膝を抱えて言った。
「たぶん、ボクが死んだのは、君のためではないし、ボクのためでも無い」
「え?」
「ツクモと君は、そこそこ仲が良さそうに見える」
「いや‥」
「何年もここにいると、出会いや別れが多くある。ツクモは昔、君と同じくらいの歳の友達を失くして、すごく悲しんでた。言わないけど、しばらく口数少なくて、何だかボクまで傷ついたような気持ちになった。だからだと思う」
シロは小声で言った。
「ツクモを傷つけたくなかった。それだけだよ」
それは、まるで予想もしなかった死因だった。
シロはタロットカードを胸ポケットから取り出し、ソファーに一枚一枚を並べ始める。
俺はたずねた。
「どうしてシロのマニュアルは、タロットカードなの?選んだのは運だよね?」
シロは頷いた。
「占いが好きなんだ。根拠がないけど、今日は良い一日ですって朝言われたら、そう思える。今大変でも、少しずつ良くなっていくっていう占い結果なら、元気が出る。スピリチュアルなのは分かってる。それでも救われるから、ボクは占いが好きだ」
「なるほど、良いね」
「うん」
そして、もう一つ知りたい事があった。
シロのピアスは桃色だ、つまり、自分が「夢」で出来ていると答えたみたいだ。
「どうして自分が夢で出来てると思うの?もし良かったら、聞かせて」
シロは意外にも、すぐに答えてくれた。
「このマンションに住んでいるのは、こういうお金持ちっぽい所に住んでみたかったから。現実で、叶わないけど、やりたい事がいっぱいあるんだ。だから、ボクは夢ばかり見てる」
きっと叶うよ、なんて安易な言葉は言えなかった。だが、無言も冷たく捉えられそうで、俺は悩んだ末、シロの小さな手に手を重ねた。
シロが驚いて顔を上げる。
「何かあったら相談してよ。俺じゃツクモほど頼りにならないけど、現実じゃ不登校児だったし、まったく同じじゃないと思うけど、少し分かるところもあるかもしれない」
言った後に傲慢だったと思ったが、シロは目を細めて笑顔で頷いた。
「‥‥ありがと」
シロは「占ってあげる」と言って、勝手に占いを始めた。
王様が玉座に腰掛けているカードだ。
上には逆さの「正義」がある。
「ふーむ。これは興味深い結果ですね。逆位置の正義は、不公平、アンバランスを意味します」
シロは占い師を気取って言う。
「不公平、アンバランス‥?」
「今はアンバランスでも、あなたの行動次第では、良くなっていくかもしれません。頑張って下さいね」
「なんだそれ」
思わず笑うと、シロも笑った。
シロはユメに、タロットカードを教え始め、ユメと楽しそうにお喋りしていた。
そうこうする内に、ツクモは直ぐに帰って来た。
俺はユメを武器化した。
マンションを出て、ツクモは悪魔の小瓶を俺とシロに渡した。
赤い布の蓋がされていて、紐を解くと、中にドロリとした黒い液体が入っている。
逆さにすると、口の中にゆっくり入ってきて、パチパチと爆ぜながら、舌を痺れさせた。
知っている感覚だ。
一気に猛烈な辛さが襲ってくる。
俺が口を離して躊躇うと、ツクモは言った。
「飲めなかったら徒歩で来い」
頑張って全部飲んだ。喉が焼けるようだ。
すると、身体が熱くなり、次の瞬間、背中が軋んで、ブチブチブチ、と肉を突き破る音を響かせながら、翼が生えた。
ツクモが俺に言う。
「いいか?ゆっくり落ち着いて、腕を上下に振るように飛ぶんだ」
羽の感覚がある。
第二の腕のようで、自由に動かせた。
腕を強く振ると、ふわりと離陸する。
東京の街を見下ろしながら飛んだ。
キラキラとライトが光って、まるでジオラマを見ているかのようだ。
景色よりも、飛ぶ感覚に俺は魅了された。
風の中を切り開いて進んでいく感覚。腕を振れば振るほど加速して、雲間の月夜を泳いでいるかの様だ。
「メタバースの中で、一番良い機能かも」
シロが横で飛びながら、「超同感」と首肯した。
シロは加速し、上昇して月に向かって楽しそうに旋回しながら飛び回る。
妖精みたいだ。
眺めていると、ツクモが声を掛けてきた。
「子供扱いしてごめん」
急に謝られて、俺は驚いた。
ツクモは言う。
「いじめから人を守るなんて、普通はできない。勇気があるよ」
胸が熱くなった。
どこか物足りなかったものが、満たされた気がした。
そうか、俺は、そう言われたかったんだ。
ツクモが真剣な眼差しで俺を見て言う。
「俺はお前を‥イチに話をするし、だからイチも俺を頼って、分かった事を教えて欲しい」
その瞬間、世界がモノクロに染まった。
時が止まる。
大きな月が、俺を立ち塞がるかのように雲間から現れた。
目の前に文字が表示された。
ツクモを信用する?
《する》 《しない》




