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7話
ガラス張りの教会。
ガラスの先に見えるのは海だった。
僕の愛しい彼女はそれを見て、口を開いていた。
僕が人差し指を彼女の口に入れると噛まれた。
そんな優しい世界を僕は思い出していた。
声を出せない3歳くらいの少女が僕を見ていた。
彼女になんて声をかけたらいいのだろうと思っていた。
彼女は僕の目を真っすぐ見て、僕は彼女の眼を真っすぐ見た。
「おはよう」
それが彼女の言ったコトバっだった。
「おはよう」
それが僕が言ったコトバだった。
彼女はカノジョなのだろうか?
そう思って、僕は身体を起こした。
「にいにぃ、だいじょうぶ?」
眼がそう言っていた。
彼女はカノジョではなかった。