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4話
心が痛い。
「どうして痛いの?」
僕は言った。
夜空が見える。
星が見える。
でも、僕が知ってる夜空じゃなかった。
ここはどこだろう?
「痛くないんですよ」
金髪の、髪が腰ほどある女性が言った。
「痛くないんですよ」
今度は、優しく、確かに聞こえるように言った。
「でも、痛いんです」
僕は言った。
「大切なものをなくす苦しみは…」
彼女は何かを言ったが、僕にはわからなかった。
「彼女に会いたい」
僕は、見知らぬ女性に言った。
「…」
彼女は何かを言ったようだが、僕には聞こえなかった。
彼女に会いたいなぁ、それが僕の、心からの、ノゾミダッタ。