第42話 曲芸師の一座
馬車は進んでいき、野営の広場を通り過ぎて村までたどり着いた。大型のカウムは歩幅が大きく揺れも少ないためわからなかったが、思っていたよりも足が速いらしい。
その間ナハトらの近くに座ったカティとフィリーは一方的に自分たちについて話続けていた。それによると、彼らは町や村へ移動しながら芸を見せて渡り歩く曲芸師の一座らしい。主に王都から南で活動していて、レザンドリーでの興行を終えて次はいくつかの村や町を経由してフルサロムへ向かう予定との事だ。
「はいはい降りてねー」
急き立てるようにカティに馬車を下され周囲を見渡すと、彼らは小さな村の脇にある広場にテントを設営するつもりのようだ。いそいそと全員が荷台から降りて動き回っている。おそらくあらかじめ担当が決められているのだろう、調理を行うもの、テントを設営する者、カウムの世話をするもの、村へ向かうものとそれぞれ駆けて行く。
「君たちはこっちね」
その隙に逃げようかとナハトは思っていたのだが、そうするのをわかっているかのように後ろから現れたカティがナハトらの背中を押す。
連れていかれた先は調理をしている者たちのところだ。ポタタとビガネの皮むきをするよう言われ、ナイフを手渡される。
「…えっ…」
「あれ?ひょっとして皮むきしたことない?」
「あ、いや…そんな事はないが…」
何の躊躇もなくナイフを渡されたことに驚いたのだ。食事を作る場所へ連れてきたことにもそうだ。ナハトらの事をまるで疑っていない様子に戸惑いを隠せない。
「坊ちゃんたちもお手伝いよろしくねー」
コルビアスとピリエも戸惑ったままくっついているが、カティはそんなナハトらを置いて行ってしまった。ナハトらの目の前には山盛りの野菜と肉類。それを取り囲むように集まった食事担当らしき者たちが一斉に皮むきをはじめ、視線でやらないのかと問いかけてくる。
「…ナハト、どうするんだ?」
「……やりましょう」
驚いた顔をするコルビアスにもナイフを渡す。
こう取り囲まれては逃げるのは不可能だ。強行すればいけなくもないだろうが、すでに村に入ってしまっているし、今から野営できる場所を探すのは難しい。ならば今は言われた通りポタタとビガネの皮を剥くのが正解なのだろう。隙を狙うしか今は方法がない。
「ピリエは出来ますか?」
「うん、出来るよ」
ピリエにもナイフを渡すと、たどたどしいながらもナハトの隣に座ってポタタの皮を剥きだした。それを確認して、ナハトも皮を剥いていく。
「こんな事をやっていていいのか?」
「今は他に出来ることがありませんから」
ナハトらの事を”拾った”と、団長呼ばれた老婆は言った。追われていることも話したのにここへ連れて来た。という事は、少なくとも害するつもりはないし、相当腕に覚えもあるのだろう。こうしてナイフも渡され全員の口に入る”食事”の手伝いを任されたのもその一つと言える。
そう言うと、コルビアスは納得しきれないながらも頷いた。ナイフを片手に見よう見まねで皮を剥こうとするが、大分危なっかしくて見ていられない。
「コル、こうして指で皮を抑え、ポタタの方を回しながら皮を剥くのです」
「こ、こうか…?…あれ…」
今まで皮むきなどしたことがないのだからしょうがないが、コルビアスのポタタは皮を剥こうとして実が削れ、どんどん小さくなっていった。その割に速度は恐ろしく遅かったため、1つ剥き終わる前にすべての野菜の下処理が終わってしまった。
しかもコルビアスの剥いたポタタは時間をかけすぎたために黒く変色してしまっている。
「あー…こりゃ使えないね」
「すみません。初めてだったものですから」
「ならしゃーないね。すぐ出来るから、この子らの面倒も見といておくれ」
「わっ!」
今度は手伝いをしていた子供を放り投げられ預けられた。ナイフも持たされたままだ。不用心がすぎると思うが、それをした女性は気にした様子はない。新たに増えた3名の子供に見つめられ、ナハトはどうしたものかと思う。
「お兄ちゃんたち新しい人?」
「あー!怪我してるよー?」
「あっ、こ、こら。やめなさい!」
6歳のピリエよりも年下の者たちばかりなため、ナハトの言うことなど聞きはしない。長い髪を引っ張られたりのし掛かられたりとやりたい放題だ。
とりあえずピリエとコルビアスから回収したナイフを離れた場所に置くが、それだけでもうくたくただ。この人数に纏わりつかれて相手できるような体力はナハトにはない。
「離れよ!潰れてしまうではないか!」
「あはは!変な言い方ー!はなれよー!」
「なはれよー!」
ナハトが劣等種だと知るコルビアスはナハトが本当に潰されかけていることがわかる。だから子供たちを剥がそうとするが、年下相手に出てしまった言葉遣いを揶揄われてしまい真っ赤になった。恥ずかしいのか怒っているのか分からないが、おそらくどちらもだろう。
対抗するように甘えだしたピリエも加わりわちゃわちゃしている間に食事は出来上がった。それをみんなで食べると、今度はテントへ案内されそこで休むよう言われた。渡された布や敷かれた布団に怪しいところはないが―――当たり前だが、テント内は女性しかいない。
ナハトのことを男と思い、そう扱う割に彼女らはあまりに無防備で目のやり場に困る。何の躊躇もなく着替えや休むために肌着になる彼女らに、コルビアスも目を逸らして渡された布団を頭からかぶってしまった。ナハトもそちらに背を向ける。
「本当にこんなところで休んでいいのか!?」
「今のところは。ピリエとコルで私を挟んで眠るようにしてください」
コルビアスは不服そうな声をあげるが、開き直ってしまえばここは比較的安全と言える。奴らはナハトとコルビアス、ピリエの3人を追っているはずだから、人数が多いここに紛れているだけでも敵の目を欺くにな十分だろう。
とはいえ念のためナハトは眠らないで見張るつもりだが、コルビアスとピリエは休んだほうがいい。ピリエはもう早々に夢の中だ。ナハトの腰あたりにくっつくようにして丸くなっている。
「コルも今は眠ってください。次はいつ休めるかわかりませんから」
「…ナハトは?」
「私はもう少し起きています」
「……本当に、大丈夫なんだな?」
そう言って不安そうな顔をするコルビアスの頭を撫でてやると、彼は恥ずかしそうに布団に潜り込んだ。だがすぐに布団から伸びて来た手がナハトの手にこつんと当たる。拳がほんの少し当たっているだけだがそれがコルビアスの精一杯なのだろう。分かり難い甘えに思わず笑ってしまう。
念のため周囲とコルビアス、ピリエに魔力で罠をはった。あれだけ好意的に接しておいてないとは思うが、それでも万が一と言う事はある。用心はいくらでもしておいた方がいい。ナハトしか戦えるものはいないのだから。
他の者たちも続々と寝静まり、人の声でうるさかったテント内が静かになった。それを見計らってか、テントの外にいた気配が1つ入ってきた。カティである。
「…?」
ジェスチャーを見る限りでは来いと言っているように見えるが―――ナハトの両脇にはコルビアスとピリエが寝ている。2人が眠っている今、置いての移動は考えられない。
黙って首を横に振ると、カティは困った顔でジェスチャーを繰り返す。どうやら団長が呼んでいるらしい。わざわざ皆が寝静まった時間を狙ってくるあたり怪しいが、正直言えばナハトも彼女とは話がしたいと思っていた。
どうするかと考えて、ナハトは厳重に魔力を仕掛けるとそっとその場を離れた。ついでに2人を囲うように蔦も生やして見た目にも警戒していることが分かるようにする。
「何もしないのに…」
テントを出ると待っていたカティが少し悲しそうにそう言った。
「…口では何とでも言えますから」
「むぅ…」
「2人に近づかないでください。触れようものなら、どうなっても知りませんよ」
そう警告すると、カティはため息をつきながら両手を上げてそのまま一つのテントを指さした。
「団長が呼んでる」
そのテントは他と少し違う造りになっているようだった。排煙のための煙突があり、テントを覆う布は厚みがある。入口には武器を持った女性が立っていて、そこが団長のテントであることは明白であった。
促されるまま中へ入ると、驚いたことに火が焚かれていた。抱えるくらいの大きさの石の器の中で木が赤く燃えている。排煙のための煙突はこれかと思うと同時に疑問に思う。夜は昼よりも気温が下がるとはいえここは南の土地だ。上着が一枚欲しくなるくらいにはなるが火を焚くほど寒いかと言われれば否だ。
「…火鉢が珍しいかい?」
その問いかけにはっと気づいてそちらを向くと、荷台の上でも座っていた椅子にふんぞり返った団長がいた。隣に置かれたサイドテーブルには開けたばかりの酒と、火のついた煙草も見える。
「そこ座んな」
「結構です」
「…あたしが座れって言ってんだよ」
一度は固辞したが、問答無用で座れと再度言われる。入ってきた出入口の幕は降ろされ、テント内はナハトと団長だけだ。外には人の気配があるが、中にはほかに気配はない。
座るまで話す気がなさそうな団長に、ナハトは渋々腰を下ろした。それに頷いて、団長は器に酒を注ぐ。
「おまえ酒は飲めんのかい?」
「…いりません」
「あたしゃ飲めるのかって聞いてんだよ」
「……飲めません」
「なら茶にするか…」
団長はそう言って立ち上がると、火鉢の上に置いてあった急須から器に湯を注いだ。薄緑の透明な液体が注がれ、嗅いだことのない匂いが湯気と共に漂ってきた。少し植物に似た香りがするこれは何だろうか。
「ほら、自分で持って行きな」
差し出されたそれを恐る恐る受けとり椅子に戻る。よく見るとその液体が入った器も少し変わっていて取っ手がない。酒場でカップが足りないときに提供される木の器のような細長い形をした石のような肌触りの器だ。この距離では香ばしいような匂いも感じる。
「緑茶だ。見た事はないかね?」
「…ありません」
「ははっ、猫みたいに警戒してんじゃないよ。カティには話をしたいから呼んで来いっていたはずだがね」
呼んでいるとしか言われていないが話をするのは予想がついていた。だがそれと警戒するしないは別だ。顔を上げると、ナハトはゆっくりと口を開いた。
「私を呼んだ理由は何でしょうか?」
「せっかちだねぇ…」
「雑談をする理由がありませんから」
団長はつまらなそうにため息をつくと、グラスに入った酒を煽ってにやりと笑った。
「なら本題に行くとするかねぇ。おまえはナハトで小僧がコル、小娘がピリエだったか?」
「……ええ」
「あの小僧、第3王子だろう」
「…!?」
出そうになった動揺をナハトは必死に抑えた。指先に力を籠め、奥歯をかみしめる。コルビアスの外見は世間には知られていないはずだ。逃走中も欠かさず風聞に目を通していたし、護衛騎士としてついていた時も確認していたが一度も話題に上がったことはなかった。名前もずっとコルと呼んでいたのにどこでバレたというのだろうか。
心内の動揺は酷かったが、長く黙っていては肯定しているようなものだ。ナハトは呆れたようにため息をつくと、馬鹿らしいと言わんばかりに口を開く。
「違います。あれは私の弟です。異母兄弟ですから似ていないかもしれませんがね」
「ばーか言ってんじゃないよ。それで通そうとするならもっとうまくやるこったね」
団長は低く笑いながらまたグラスに酒を注ぐ。
「ガキどもに対する言葉遣いがまぁ偉そうじゃないか。それに、あんたと王子の所作は丁寧だが、もう一人の子供は明らかに平民のそれだ。分からん方がおかしいだろうよ」
「…それでも、どうして第3王子ではないかという話になるのですか?」
怪しまれないよう足を組み替えた拍子に手を武器に添えた。テントの外から護衛らしき女性がこちらを窺っているのが分かる。
団長は怪しすぎるのだ。コルビアスが第3王子だと知っている事もそうだが、それを知っていて何故囲おうとするのだろうか。ナハトは追われていると伝えているにも拘らずだ。
(「あちらに何のメリットもない以上、ここでいろんなことをはっきりさせておかなければならない」)
そうナハトは思ったのだが―――問いかけられた団長はなんとも面倒くさそうな顔で口を開いた。
「おまえは人を疑う事しか出来ないのかね」
「…は?」
「武器に手を置いてんのは分かってんだよ!まったく…野良猫だって手当てして餌をやって寝床まで与えてやりゃあ、尻尾の一つも振るってのに。おまえはからは”ありがとうございます”の一言も聞こえやしない」
「っ…!ありがとう、ございます…」
嫌味に奥歯を噛みしめ言葉を絞り出すが、彼女はまるで子供に言い聞かせんばかりの態度でため息をつく。
「可愛くないねぇ…。世話してやったってのに警戒心丸出しで面白くもない」
「そうしてくれと願った覚えはありませんが?勝手をしたのはそちらでしょう」
負けじとナハトも言い返すが、あちらは相変わらず椅子にふんぞり返って酒を口にしながら悪態をつき続ける。話しがあると呼び出しておいてのこの仕打ちに、ナハトはただただいら立ちを募らせた。
「人聞きの悪い、本当に可愛げのない野良猫だよ。おまえ、あたしに”拾った”と何度言わせるつもりだね」
また”拾った”と言う団長に心底腹が立った。こちらは命の心配をしているのに聞く耳も持たず、揶揄って煽ってくる様子も気に入らない。
ナハトは大きくため息をつくと持っていた茶をグイッと飲み干した。味わう間も無く流し込んだその器を叩きつけるように置くと、団長は声を上げて笑う。
「気が短いねぇ。そう怒るんじゃないよ。どんだけ隠そうとも、人の口に戸は立てられんて事さね。…それは平民だろうと、貴族だろうとねぇ」
「……」
「聞いといて今度はだんまりかい。忙しい事だね野良猫ちゃん」
にゃんにゃんと、両手を猫の様に動かして団長は笑う。ここで腹を立てては彼女の思うつぼだと深呼吸を繰り返すが、それすら愉快だと団長は笑って酒を注ぐ。酔っているのかとも思うが顔にはその様子はない。
ナハトはもう一度大きく息を吐くと、ゆっくりと口を開いた。
「…もう一度お聞きします。私を呼んだ理由は何ですか?」
これが最後だとナハトは思った。これでまだ揶揄い続けるようなら、朝を迎え次第スーリオを拝借してでもここから離れようと。
フルサロムまで行く彼らの元に身を寄せていれば確かに安全かもしれないが、信用ならない相手に四六時中警戒をし続けるのならば、それはコルビアスとピリエを連れての3人旅と何ら変わりはない。それどころか、ナハトの心が平穏である分そちらの方がマシだろう。
ナハトが団長を睨みつけると、彼女はまた低く笑って呟いた。
「それで、おまえたちはどこへ行きたいんだね」
「…答える気がないようですのでここで失礼します」
見限ってナハトが立ち上がるとその背に空き瓶が飛んできた。受け止めると、先ほどまでとは違った様子の団長がナハトを睨んでいる。
「座りな」
「お断りしま…」
「座れって言ってんだよ、野良猫」
先ほどまでの酔っぱらいはどこへ行ったのか。団長に睨まれてナハトは渋々腰を下ろした。こんな小さな老婆であるのに気迫に押されてしまう。
ナハトが座ったのを確認すると、団長はまた同じ質問を繰り返した。
「それで、どこへ行きたいんだね。おまえたちは」
「………アスカレトです」
素直に答えたのは何故かそうした方がいいと思ったからだ。たっぷり間をおいてそう言ったナハトに、団長は頷いて壁にある地図を見上げた。
そうしてしばらくのそれを見ていると、突然パンと両手を叩いて口を開く。
「よし。アスカレトまで行ってやろうじゃないか」
「………はっ?」
「おや?聞こえなかったのかい?」
「聞こえましたが…」
何故この話の流れでアスカレトへ行く事になるのか理解できない。だがそれを口にするとまた必要以上に揶揄われそうで、ナハトは思わず口をつぐんだ。
そんなナハトの前まで団長は歩いてくると、ナハトが叩きつけて置いたままの器にまた茶を注いでいく。
「その代わりおまえたちにはしっかり働いてもらうよ。おまえは用心棒兼演者だ。ショーにも出てもらうよ」
「なっ!?何を勝手に…!」
「小僧は目立つから裏方だね。後は…洗濯くらいならできるだろう。小娘はポタタの皮むきが出来るようだから調理係にしてやるさね」
人の悪そうな顔で笑って、団長はまた椅子にふんぞり返った。何がしたいのかさっぱりわからない。大体、そう言われたところでナハトたちがその通りにしてやる義理などないのだ。なのにどうしてこうも堂々と言い切れるのだろう。
頭に手を当ててため息をつくと、団長はそれを読んだかのように口を開く。
「言っておくが、勝手に出て行こうとするんじゃないよ?おまえたちはあたしたちの”世話”になったんだ。それだけの恩は返すべきだろう?猫だって餌やったらネズミの1匹や2匹連れてくるってもんだ。…あぁ、そういえばおまえは野良猫だったねぇ」
「…やればいいんでしょう。やれば」
絞り出すようにそう言えば、団長はにやにやと笑う。
落ち着いて考えれば、今のところコルビアスにもピリエにも何の不利益もない。ナハトだけ何故かこうも揶揄われているが、やってもらったことだけ考えるならば確かに礼を言うに値する。敵意もなくそれをしてくれる理由が分からないだけで。
「おやぁ?信用できないんじゃなかったのかい?」
「信用はしていません。ですからせいぜいその真っ黒な腹を探られないよう十分お気を付けください。…ご老体」
「…ああ?」
ナハトの呟きに団長の額に青筋が浮かんだ。どうやらこれは禁句であったようだ。ナハトの中で昔の、クソガキであった頃の自分が少しだけ顔を出す。
「話は以上ですか?でしたら私はもう戻ります。もう老い先短いのですから、酒などでこれ以上短い命をさらに短くしないよう、眠るのがよろしいでしょう」
「なっ!?なんだってこの野良猫!!」
「では、おやすみなさい。ご老体」
飛んでくる酒瓶を避けながら外へ出ると、入り口でずっと見張りに立っていた女性と目が合った。右目に眼帯をしたウェーブのかかった栗色の長い髪の女性だ。彼女は呆れたように息をつくと、ナハトにぽつりと呟く。
「…早く戻るといい」
「ありがとうございます」
言われっぱなしであった鬱憤が少しだけ晴れた状態で、ナハトはコルビアスとピリエが眠るテントへと向かった。
コルビアスは年下相手では無意識に偉そうな喋り方になっています。
学園で位の低い貴族相手に偉そうな喋り方をしていたのがいい例です。そう躾けられていたからです。
因みに団長の名前はフランチェスカです。
呼ばれる気配がないのでここで書いておきます。




