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ここで私は生きて行く  作者: 白野
第四章
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第1話 非日常の足音

 ビルケの「時期に生まれる」という言葉から早2ヶ月が経った。その間ナハトとヴァロはダンジョンの当番をこなしたり、時折ダンジョンに潜ってアッシュの様子を見たり、冒険者として依頼を受けたりと、それなりに忙しく過ごしていた。

 アッシュはあれからずっと眠ったままだ。変わったことといえば腹部がまるで妊娠しているかのように大きくなってきた事だろうか。少しずつその腹部から、ナハトは自分とよく似た魔力を感じるようになってきた。どういう事態になってるのか結局のところビルケたちも上手く言えないようでわからないままだが、表情は穏やかなのでいい傾向であることは確実なようだ。

 精霊は自分達に対しては恐ろしく時間の間隔が遅い。1ヶ月が過ぎた頃、"時期"というのがいつなのかと再度問いかけてみたが、返ってきたのは「そう急くな。まだほんの僅かな時間しか経っていない」というものであった。精霊を探せと言われていた時はほんの少しの休憩すらがみがみ言われていたが―――この分では、1年か2年は先であるのではないかとナハトは感じていた。


「そういえばさ、ナハトは契約が破棄出来たらどうするつもりなの?」


 あくる日の午後、昼食を食べながらヴァロはそうナハトに問いかけた。

 先日またアッシュの様子と魔力運用についての話をしにダンジョンへ潜り、昼前に戻ってきたばかりである。アッシュが目覚めるまで、契約した精霊が生まれるまではまだ時間がかかるのであろうが、ヴァロはそれこそアッシュが眠りについた時からこれからについて考えていた。

 ナハトの目的であった"自分がどこからきたのか"は悲しい結果ではあったが知ることが出来たし、その後に課せられた"精霊との契約の破棄"についてももう目前である。そうなると、ナハトが冒険者になった目的はすべて達成されることになる。今後は何を目的に何処へ行くのか、そろそろそういう話をする時に来ていた。


「そうだな…。君はどうしたい?」

「え、俺?」

「ああ」


 質問を質問で返されて、ヴァロは思わず息をのんだ。それは、言っていいのだろうかと戸惑ったからだ。ヴァロはナハトとドラコと冒険者であり続けたい。いつかは出来なくなる時が来るだろうが、少なくとも今は一緒にいろんな依頼を受けて、美味しいものを食べて、そうやって過ごしていたいと思っている。いつかは他の町にも行って見たいが、それは全てナハトとドラコと一緒にいることが大前提だ。

 だが―――。


(「やっとナハトは自由になるんだよね…」)


 契約が破棄されたら魔術が使えなくなるかもしれない。それがどうなるかはまだ分からないが、それでもやっとナハトは自由になれるのだ。いろんなしがらみから解放されて、自分のやりたいようにしたいように動いていい。

 だというのに、もしヴァロが冒険者を一緒に続けたいと言ったら、きっとナハトはヴァロのやりたいことに付き合ってくれる。ずっと、付き合わせて申し訳ないと言っていたのだからこれは確実だろう。だがそれはヴァロの望むところではない。


(「それにもし魔術が使えなくなっちゃったら…冒険者も厳しいよね…」)


 ちらりとヴァロがナハトを見ると、視線に気が付いたナハトが首を傾げて微笑んでくる。ドラコに視線を向けても、ドラコもこちらを不思議そうに見返してきてヴァロはなんとも言えない気分になった。


「ふふ、どうした?随分変な顔をしているぞ?」

「だ、だってナハトが俺の質問を質問で返してくるから…」


 そうヴァロが言った瞬間、コンコンと玄関の扉をノックする音が響いた。今日は来客のある予定はないし、そもそもこうやって突然やってくる者の大半はルイーゼだ。また言わずにダンジョンに入ったことを文句言われるのかと、ヴァロは覗き窓から外を確認して―――固まった。


「どうした?」


 ナハトの問いかけに、ヴァロはさび付いたねじのような緩慢さで振り向く。


「ヴァロくん?」

「…ディネロがいる」

「なに…?」


 思わずナハトも眉を顰めて、玄関の外が見える窓へ近づきそっとカーテンの隙間から窺った。そこにいたのは確かに平民に紛れ込めそうな服に身を包んだディネロであった。難しい顔で扉を見つめている。

 もう二度と会うことはないだろうと思っていた人物の訪問に、2人は一度扉から離れてリビングへ戻った。不安そうに見上げて来るドラコを撫でていると、もう一人不安そうな顔をしたヴァロがナハトに問いかけて来る。


「…ナハト、どうする?」

「どうもこうも、無視でいいんじゃないか?」

「…え…」


 驚いた顔のヴァロにナハトは苦笑いを返す。荒っぽいやり方ではあるが、正直言えば無視する以外の方法がないからだ。ディネロは十中八九コルビアスのことで訪ねてきたに違いない。室内に招き入れればそれを受けた事になりかねないし、そうなると身分差から断ることは出来ない。結局のところナハトらに残された選択肢は無視しかないのだ。


「どうせ、すぐに諦めるだろう。そこまで粘る理由もないしな」

「…そうだよね」


 というわけでナハトとヴァロはディネロを無視する事にした。何度かノックはあったが、10分もするとそれもなくなる。気配もなくなったため諦めたのかとナハトは思ったが、1時間する頃になるとヴァロがどうにも落ち着かなくなった。

 そわそわとしながらナハトを見る。


「どうしたんだね?」


 気になったナハトがそう声をかけると、ヴァロは少々言いにくそうにしながら答えた。


「…まだいるんだよね…」

「まだって…え、ディネロが?」

「うん…」


 気配を絶っているようでナハトにはわからないが、ヴァロには分かるらしい。


「扉のすぐ前じゃないけど、多分道の反対側にいるよ。前みたいに家に入ってきたりしないで、ずっと待ってる」

「ふむ…」


 随分とらしくないやり方である。貴族といえば無理矢理こちらにいうことを聞かせてくるものだ。だというのに待っているとは。ナハトらが応答しないからなのだろうが、今までのあちらのやり方を考えるとあまりに律儀だ。一体どういう心境の変化だろう。

 そうして考えて、ナハトはまさかと思う。そう思うがまだはっきりとは分からない。確認のためにもさらにそのまま放置し―――夜。いなくなってくれている事を願って外を見ると、驚いた事にまだディネロがいた。


「…まいったな…」


 ヴァロに視線を向けられてナハトは頭に手を当てた。コルビアスはナハトが思っている以上に、ナハトらを買っているようだ。

 ナハトがため息をつくと、ドラコが慰めるように頭を頬に押し付けてきた。


「ナハト?」

「…ヴァロくん、すまない。どうやらあちらはどうしても私たちを護衛として雇いたいらしい」


 ナハトがそう言うと、ヴァロは戸惑ったように視線を彷徨わせた。


「な、なんでナハトが謝るの?ディネロが来た時点で、多分また護衛の依頼をしたいんだって事は俺にもわかるよ?」

「いや、私が謝りたいのはそれじゃない。あちらに機会を与えてしまった事だ」


 ナハトは前回、護衛を続けて欲しいなら正直に話せと条件を出した。それが叶わないなら受けるつもりはないと。そうして出した条件はもっともな事を含みつつ、王族としては答えられないであろう踏み込んだものをあえて提示していた。全ては向こうに引き下がってもらうために。

 だが、どうやら今回あちらはそれを全て答えるつもりがあるらしい。ディネロが無理に入って来ず、こちらの許しをずっと待っているのが何よりの証拠だ。あちらはそうして誠意を現し、以前とは違い話す準備があると暗に示している。


「そっか…。じゃぁ、話を聞いてみればいいんじゃないかな?」

「馬鹿を言うな。そうしたらまた強制されるかもしれないじゃないか」


 軽く言うヴァロにそう言えば、「でも」と口にして続ける。


「あっちは誠意を示してきてるんでしょ?じゃぁ、強制してくる事はないんじゃないかな」

「そ…」


 それは―――確かにヴァロの言う通りだ。こういう時のヴァロの頭の柔らかさには頭が下がる。それならば一番不安のある期間も交渉の余地はあるだろう。思わずナハトが笑うと、ヴァロが不思議そうな顔をしてこちらを見る。


「どうしたの?」

「ふふ、相変わらず君の考え方は柔軟で楽天的だな」

「…それって褒めてる?」

「褒めているとも。よし。ならば、ディネロの話を聞いてみよう」

「え…ええっ!?」


 自分で言っておいて驚くあたりがヴァロらしい。ナハトはドラコにも念のため気をつけるよう言葉をかけて、玄関の扉を開けた。

 道路の反対側、薄暗い中街灯に照らされてディネロが立っている。一度小さく息を吐いて「どうぞ」と声をかけると、ディネロはゆっくりとこちらへ歩いてきた。肩や頭に雪が積もっていて、それを払い落として中へ入ってきた彼の顔は寒さで青くなっていた。


「…暖炉の前にどうぞ」

「…礼を言う」


 呟いた声も僅かに震えていた。だがディネロは部屋に入るなりナハトとヴァロに向かって頭を下げた。困惑するナハトらに向かって言う。


「…カントゥラでは、すまなかった」


 あまりに急な展開に驚く。そもそも今更謝ってもらえるなど、ナハトらは毛ほども期待していなかった。しかもそれは既に終わったことで、言わなければ"そうだろう"と思ってはいても追求できない事柄だ。これでナハトたちがディネロに真っ向から敵意を向けても文句は言えない。だというのにあえてそれを言う辺り、あちらの本気度が窺える。

 しかし、その謝罪を受けるかどうかは別だ。ナハトはドラコを撫でながら目を伏せると、ディネロに暖炉前の椅子をすすめた。


「今さら謝っていただいたところで、あなたを許すかどうかは別の話です。それで?…まさか、それだけを言うためにきたわけではないでしょう?」

「…その通りだ。先に俺が、謝っておきたかっただけだ」


 そう言って一度ディネロは言葉を切った。そしてまた口を開く。


「分かっていると思うが、コルビアス様がお呼びだ。ナハト、お前の言っていたこと全てに答えるつもりがあるとコルビアス様は仰っている」

「…交渉の余地はあるのでしょうか?」


 行ってから囚われてはたまったものではない。また脅される可能性も考えてそう聞けば、ディネロは目を伏せて答えた。


「コルビアス様と直接行ってくれ。俺は今回お前たちへの謝罪と、これをお前たちに渡す役目しかおっていない」

「…分かりました」


 ディネロはそう言うと、コルビアスからの手紙を懐から出して机の上に置いた。一応温かい飲み物も用意したが彼はそれに頑なに手をつけず、最後にもう一度謝ると玄関から帰って行った。


「…と、とりあえず、手紙読んでみる?」

「そうだな…」


 その手紙はいつかもらった招待状とよく似た形式の挨拶から始まっていた。その後に舞踏会では助かった事、その節では申し訳なかった事、直接依頼をしたいから3日後にもう一度屋敷を訪ねてほしいという事が書かれていた。更にその下には、どうしても嫌だという事であれば断ってくれても構わないが、その場合でも一度は話を聞いてもらえないかと、丁寧な言葉で綴られており―――。


「これはまた…別の意味で断りにくいな」

「ナハトは一生懸命お願いされると弱いもんね」

「…そうかもしれないが…君はどうしたい?」


 問われてヴァロは考えた。コルビアスの護衛という仕事自体は別に嫌ではない。色々面倒だと思ったりルールに縛られて嫌だなと思ったりもしたが、虐げられるコルビアスは本当に可哀想で見ていられなかった。力になれるならなりたいと思う。それは確かだ。

 だからやはり問題になるのは期間だ。わがままかもしれないが、ヴァロはやはりナハトやドラコと冒険者をやりたい。


「俺は、期間が決められてるならやってもいいと思ってるよ。実を言うと、少し気になってたしね」

「そうか…」


 ナハトも気になっていなかったかと言われれば気になっていた。小さい体で必死に大人に食らいついている姿は、全く違うとはいえナハトの幼い頃を彷彿とさせた。

 あの頃は誰も助けてなどくれず、気色の悪い大人たちからどう逃れるかを必死に考えたものだ。ナハトは逃げるために、コルビアスは認めてもらうために、目的は全く違うが、自分ではどうにも出来ないところで振り回されている。その点に関してはよく似ていて、だからこそ可能なら手を貸すことも考えていた。真摯に願われていれば。


「…ならば、やはり期間の問題を口にして、期間限定の護衛としてもらえるよう話してみよう。それで君もいいかい?」

「うん、もちろんだよ」


 そう言ってヴァロは笑い、ナハトは肩の上のドラコをそっと撫でた。



 約束の時間に屋敷を訪れるとフィスカが出迎えてくれた。案内されるままコルビアスの自室へ向かう。相変わらず屋敷の中は人気がなく静かで、部屋の前に立つ青い籠手の騎士までそのままだ。

 フィスカのノックで扉が開き中へ入る。シトレンとリューディガーとディネロ、それと案内をしてくれたフィスカと、そこには見た事のある面々しかいなかった。その中心で、コルビアスはどこか疲れた顔で口を開いた。


「よく来てくれたね、ナハト、ヴァロ」


 握手で迎えられ、戸惑いながらも思わずのその手を握り返した。

 コルビアスは自身の後方にあるソファを勧めてきて、フィスカがお茶を入れてくれる。最初の時とは違う客人を迎える動きに2人して戸惑う。だがコルビアスはそんなナハトらをよそに微笑んで話をしだした。


「今日来てもらったのは、ディネロ渡してもらった手紙に書いてあった通り全てを説明する準備が出来たからだ。それと先に言っておくと、この話をナハトたちが断ったとしてもそれで僕が何かをすることは無い。僕がナハトたちに提示できるのはお金くらいしかないけど、お金をそこまで必要としていないのは分かってるから…。それと、ナハトたちには優先したいことがあるというのもわかってる。そういう時はきちんと休みを取ってもらえるようにする」

「…わかりました」


 コルビアスが口にした内容は随分とナハトらに配慮したものだ。断ってもいいと後ではなく先に言う事で、ナハトたちの警戒心を下げようともしてくれている。それが逆に怪しくもないが―――コルビアスの目は真剣だ。

 ナハトらを嵌めようとする様子はなく、今のところシトレンも大人しい。事前にあちらも話をつけてくれているようで、本当に前回とはまるで違う。ナハトはそれに少し驚きながらも淡々と返事を返した。

 コルビアスはそれを気にした様子はなく、一口お茶を口にしてから話を続ける。


「…ナハト、君に言われたことを僕はたくさん考えたよ。本当にたくさん…。そのうえで、先に一度謝らせてほしい。あの時は本当に、卑怯な事をしてすまなかった」


 コルビアスはそう言って、おもむろに頭を下げた。王族が頭を下げる、それは本来あってはならない事であるが、すぐに噛みついてきそうなシトレンはそれを黙ってみている。その現状にまた驚いていると、コルビアスは顔を上げて続ける。


「ナハトたちにはもうわかっていると思うけれど、僕は第三王子という身分であるが、同じ王族からそうとは認められていない。だけれど有難い事に世間からは神童との評価を得られていてね」


 有難いと言いながら、その顔は困ったような表情を浮かべている。今のところその誉め言葉がもたらしているものが不利益のみであるからだろうが―――。


「そのせいかはわからないが、ずっと命を狙われているんだ。つい先達てあった狩猟大会でも、僕の元に毒の針を持つ魔獣が届けられた」


 ナハトとヴァロは黙ってそれを聞く。狩猟大会の事についてはよくわからないが、毒の針を持つ魔獣というのは確かにいる。狩猟大会というのだから魔獣は対象外であろう。狩られた獣の中にそんなものが混ざり、王子の元へ持ち込まれればそれは確かに騒ぎにもなるはずだ。


「僕は王位に執着はない。第三王子として認められ、命を狙われずにひっそりと過ごせればそれでいいんだ。だけれど、そうと周囲は思ってくれない。今公の場で僕についてくれている貴族は、皆兄様たちから問題視された貴族ばかりで…表立って味方だと言える家門の者は僅かしかいない。それでもニフィリム兄様は僕が王位を狙っているとみて、執拗に僕を貶めようとしてくる」


 それは舞踏会の警護についただけのナハトらにも十分わかっていた事である。あの1日だけで何度ニフィリムからの、周囲からのそれを受けたであろうか。彼がコルビアスをより疎ましく思っている事は確実だ。


「王位継承第一位はリステアード兄様だけど、ニフィリム兄様はそれを良しとしていない。それに父上の…王のお加減は良くなったり悪くなったりと全く安定しないんだ。そのせいかはわからないけれど、最近は特に僕を害そうとする者達が多くてね…。どうしても、リューディガーとディネロだけでは手が足りないんだ。リューディガーは僕の護衛が仕事の中心だけれど、ディネロは諜報が中心だから…。だから…」


 そう言って一度コルビアスは言葉を切った。僅かに目を伏せてすぐに顔ををあげると、真っ直ぐナハトとヴァロを見つめて口を開く。


「どうか、僕のことを助けてくれないだろうか」


 ナハトはヴァロと視線を合わせた。頷きあって、口を開く。


「コルビアス様が私たちを護衛にと望む期間はどれほどでしょうか?」

「……恐らく、一年ほどで様々な事が済むと思う。父上の具合が良くない以上、近いうちにリステアード兄さまが王になられるはずだから。そうしたら王位を争い続けている今よりは落ち着くはずだ」

「一年…」


 思っていたよりは長いが、想定していなかった期間ではない。ナハトが顔を上げると不安そうな顔でこちらを覗き込んでいたコルビアスと目が合う。この様子では、舞踏会の時のコルビアスの頑張りはその甲斐はまったくなかったようだ。

 必死さや不安さばかりが見えるその目を見て、微笑む。


「正直にお話しくださりありがとうございます。わかりました。このお話、受けさせていただきます」

「えっ…」


 受けてほしいと言っていたのにその驚いた顔はどういう事だろうか。確認するようにコルビアスの視線がヴァロに向く。その視線にヴァロもにこりと笑って答える。


「実は俺たちも気になってたので…。ちゃんと話してもらえて、期間さえ長すぎなければ受けようって話してたんですよ」

「…ヴァロくん、そう言う事は言わないものだよ」

「あ…」


 そう言って口に手を当てたヴァロに、少ししてコルビアスが笑い出す。ここへ来て初めて見る子供らしい笑顔にシトレンらも驚いた顔だ。

 だがそれで緊迫していた空気が一瞬で薄れた。コルビアスはひとしきり笑うと作った微笑みではなく自然に笑い、口を開く。


「では、これからよろしくお願いします。」

「…わかりました」


 再度差し出された手を、ナハトとヴァロは受け取った。
















4章始まりました。

大変長くなりますが、よろしくお願いいたします。

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