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聖女×ロボット×ファンタジー! 死にたくなければモノ作れ、ものづくり魔法が世界をすくう!  作者: 卯月
第二章 お嬢様学校でスローライフ!……できるような性格じゃない

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天空に咲く火花

 騎士にとって騎馬突撃こそ戦場の華である。

 聖騎士団の場合、『半人半馬(ケンタウロス)』部隊による集団突撃がそれだ。


 走れば疾風のごとく。

 戦えば鬼神のごとし。

 最も危険な戦地へ我(われ)、先(さき)にと突撃していくさまは、まさに騎士の鑑(かがみ)である。


 その騎士の鑑に翼をつけたらどうなるか?

 意外とそんな安直な発想から生まれた機兵なのかもしれない。


 一切の雑味を廃(はい)した純白の鎧姿(よろいすがた)は、騎士とは斯(か)くも純粋であれとの自己主張だ。


 威風(いふう)堂々(どうどう)。

 もったいぶって現れた天馬(ペガサス)騎士(ナイト)は、見るものすべてに圧倒的な強者の風格をしめす。


 相対する勇輝は、興奮と恐怖で血液が逆流するような熱さを感じた。


「それがあんたの切り札か!」


「いかにも! いざ勝負!」


 お互(たが)いに飛行タイプである。

 どちらから言いだすまでもなく、両者空へと舞い上がった。






 十分な高度に上がりきるまでの間、セラが話しかけてくる。


『ユウキ様』

「どうしたセラ」

『怖いです』

 

 意外なひと言に驚かされる。

 まだセラを作ってから日も浅いというのに、ものすごいスピードで心が成長している。


「俺も怖いよ。

 だから戦うんだ」

『怖いから? わかりません』

「うーん、どう言ったらいいのかな」


 視線を地上におろすと、巨大な聖都の街並みが広がっていた。


「俺たちが逃げたら、他の誰かがこの怖さを相手にしなくちゃいけなくなる。

 そんなわけにいかないだろ?

 聖女は人の前に立って戦うんだ。後ろに隠れちゃいけないのさ」

『不惜身命(ふしゃくしんみょう)の決意ですね』

「……俺そんな言葉、知らないんだけど」

『頑張ってますから』


 ……将来的にはすごいことになりそうである。






 さあ高度は十分。

 まずは小手(こて)調(しら)べに武器での白兵戦をはじめる。

 クリムゾンセラフは日本刀。

 天馬(ペガサス)騎士(ナイト)は手槍(スピア)で戦う。


『ぬおりゃあああ!』


 老将が吼(ほ)える。

 手槍(スピア)の穂先(ほさき)がうなりを上げて紅い天使にせまった。

 勇輝はその強烈な叩きつけを刀でまともに受け止める。


 バギイィン!!


「うおわあああ!?」


 すさまじい重量感にクリムゾンセラフは吹っ飛んだ。

 受け止めた刀にヒビが入っている。これはすぐ魔法で直した。


「やるなっ!」


 基本的な出力(パワー)は向こうが上のようだ。

 だがそれでもあえて、クリムゾンセラフは突っ込む。


「だりゃっ! うりゃーっ!」


 みずから作り出した刀で次々と打ち込む。

 何度も、何度も。


 ガッ! ギン! ガン!


 だが熟練(じゅくれん)の槍さばきの前には通用しない。


『軽いわ小娘!』


 天馬(ペガサス)騎士(ナイト)は十分に勢いをのせて手槍(スピア)を横に薙(な)いだ。


 ドガアアッッ!


 勇輝をのせたクリムゾンセラフはまたも吹き飛ばされる。


「ぐうううっ!」


 だがしかし勇輝は再度突撃し、しつこく同じことを繰り返す。


 ガツッ! ゴッ! ギィン!


『間抜けがァ、死ぬまで繰り返すつもりか!』


 老将の罵倒(ばとう)。

 勇輝も負けじと言い返す。


「間抜けはテメエのほうだ!

 敵の能力無視してんじゃねぇーよッ!」


 ガキンッ!


 槍に妙な感触をうけて、老将は顔色を変えた。


『なにい?』


 何度も敵の攻撃をうけて、手槍(スピア)は多数の傷をおっていた。

 一方、同じ回数ぶつかっているはずの敵の武器は傷一つない。


「ウウオオオオオオオッ!!」


 勇輝はこれまでで最大の力をこめて斬り込んだ。

 強烈な斬撃を受け止めて、手槍(スピア)が嫌な音を立てる。

 

 バキイイイィィィン……!!

 

 槍の穂先が宙(ちゅう)を舞い、地上へ落ちていった。


「はあっ、はあっ、はあっ!」


 息を荒くしながら、勇輝は不敵に笑う。


 勇輝の武器は魔法で何度でも直せる。

 しかしグスターヴォの武器はそうもいかない。ぶつかればぶつかるほどダメージを負い、劣化していく。

 ぶつけ合いの先にあるのは、一方的な勇輝の勝利だ。


『なるほど……。

 これは容易ならざる相手だ』


 天馬(ペガサス)騎士(ナイト)はただの棒と化した残骸(ざんがい)をすて、予備の剣を抜いた。


『お互い身体も温まってきたころだ。

 本気を出そうか』

「ああ、いいぜ」


 強がってみせた勇輝だが、背筋に鳥肌(とりはだ)がたつのを感じた。

 ヤバいのが来る。

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