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聖女×ロボット×ファンタジー! 死にたくなければモノ作れ、ものづくり魔法が世界をすくう!  作者: 卯月
第六章 聖女大戦

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代理、出撃

『おい、代理』


 リカルドは騎士団総長代理を呼んだ。

 しかし代理から返事はない。


『代理』

『…………』

 

 もう一回呼ぶ。

 代理は戦況を見守るのに夢中の様子だった。


『おいクソガキ!

 ボケっとしてんじゃねえぞゴラ!』


 騎士団総長代理・相沢勇輝はビックリして機兵ごと跳びあがった。


『ええっ!?

 ああ、代理って俺のことか!?』

 

 やっと自分の身分を思いだしたらしい。

 実に頼りない上官である。

呪われし異端者たち(アナテマ)》のことばかり馬鹿にしていられない。

 聖騎士団側もたいがい無茶な状態だった。


『もうすぐ奴は動くぞ!

 準備しとけ!』

『え、も、もう?

 まだはやくない?』

『グチャグチャ言ってねえでさっさとしろッ!』


 のん気な上官殿をいつもの調子で罵倒ばとうして急がせる。


『もっと良く戦場を感じろ。

 世界の王様とやらはちっとも思い通りにならねえもんだから、すっかりイラついてやがる。

 自分たちが押されている、何とかしたい。

 だがいい知恵がねえ、人材もねえ、だったらあのガキは次に何をしたがる!?』

『ええっと……?』


 勇輝は自分に当てはめて考えた。

 味方がピンチだ。

 そしてピンチを打開だかいする力が自分にはある。

 他の仲間たちにはない。

 ならば。 


『…………自力で突破口を開こうとする、かな?』

『分かったならさっさとしろボケ代理が!』

『り、了解!』


 勇輝は直属の機兵団に呼びかけ、出撃準備をさせる。


赤備あかぞなえ、もうすぐ出るぞ!

 いいな!』

『オー!』


 全身真っ赤なよろいで武装した天使の軍団が、天にむかって拳を突き上げた。

 完全無人の小型熾天使(セラフ)タイプ。

 とりあえずこの場に用意できたのは50機。

 それ以上だと戦えるほどのエネルギーが維持できなくなってしまう。


『エンリーケは俺が止めますよ』

『ああ、できなきゃヤベエことになっちまうな』


 リカルドに言われてから、よくよく戦場の様子を考えてみた。

 味方が敵陣中央に深々と侵入したこの状況は、第一騎士団長エーリッヒが奴に討ち取られたという状況に似ているような気がする。

 味方は逃げ場もなく、そして密集している。

 考えれば考えるほどヤバそうに思えてきた。


 エンリーケの技は勇輝も一度くらったことがあった。

 敵から魔力をうばい取り、奪った魔力を超高温の光弾にかえて撃ってくる危険な技だ。

 かすっただけで機兵の手足を溶かすほどの殺傷力がある。

 直撃すればまず助からない文字どおりの必殺技だ。



『だが、もう同じ手は通用しないぜ。

 聖女に同じ技は二度通じないことを教えてやる!』


 赤備あかぞなえの天使軍団を引きつれ、クリムゾンセラフが大空へ舞い上がった。

 同時にエンリーケも動き出す。

 グスターヴォたち決死隊の暴れぶりが見逃せないレベルになって来たのだ。

 家来である悪魔ディアブルたちに対処できないなら、自分の手でやるしかない。


 まさにリカルドの読み通りの展開になって来た。

 赤い天使と黒い天使、二度目の対決である。 

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