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聖女×ロボット×ファンタジー! 死にたくなければモノ作れ、ものづくり魔法が世界をすくう!  作者: 卯月
第六章 聖女大戦

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戦場でおしくらまんじゅう

『ジジイどもにつづけ!

 敵を分断するんだ!』


 勇輝の命をうけて第三、第五の各騎士団が決死隊につづく。

 さらに彼らが横腹を突かれないよう、第二騎士団と遊撃隊は真正面から敵に突撃していった。

 聖騎士団は今、敵集団に対しT字状に突き刺さった形になっている。


 数の上では圧倒的差があるにもかかわらず、むしろ聖騎士団のほうが優勢であった。

 悪魔ディアブルたちは『種類も考えずとりあえずたくさん連れてきた』というだけの雑多な集合体にすぎない。

 それに対し聖騎士団は一致いっち団結して連携れんけいをとっている。


 これまでずっと仲違なかたがいしてきた聖騎士団内部であるが、『負けたら国がほろぶ』という極限状態になってようやく団結することができた。

 数は少なくとも死線をくぐりぬけてきた歴戦れきせん猛者もさたちである。

 たがいに支えあっているかぎり、そうそう崩れはしない。

 

 このように聖騎士団が団結して全軍ムダなく機能しているのに対し、悪魔ディアブルの大軍は半分以上が何もできず群れの中でギュウギュウに渋滞じゅうたいしていた。


 ほとんどの悪魔ディアブルは直線的に敵を襲いに行ってしまう。

 特に、

『殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ……!!!』

 状態のイカレたジジイどもに意識が集中してしまっていた。

 分散して包囲しようとか、もっと効率的に戦おうとか、そんなことを考えられるかしこ悪魔ディアブルなどほぼいない。

 いたとしてもギュウギュウに渋滞してしまった状態から抜け出せなくなっていた。








『なんだこのザマは!?』


 エンリーケは地上でおこなわれている無様な戦いぶりに憤慨ふんがいしていた。


 敵の罠にかかってど真ん中の悪魔ディアブルが大量にやられてしまった。

 あいた空間に敵の手練てだれが突撃してきて被害が拡大。

 想像もしていなかった苦戦をしいられた。


 ここまではまあ仕方がない。

 相手方には聖エウフェーミアのクローンがいるのだ。

 楽勝というわけにもいかないだろう。

 だが、なぜここまで押されている。

 どうして地上の悪魔ディアブルどもはバカみたいに味方同士で『おしくらまんじゅう』みたいなことをしているのだ。

 これでは大軍をつれてきた意味が無い。


『なぜだ! 一体何をしているんだ貴様ら!』






 ――ケツの青いガキがイキがるからだ。


 第三騎士団長リカルド・マーディアーは早くも敵軍の弱みを発見してしまった。

 相手はたしかに数が多い。

 しかしどうも将軍と兵士しかいないように見受けられる。

 現場でこまかい指示を出す中間管理職がいないから、兵士はなんとなく目先の敵集団にむかっていた。

 だが一機の守護機兵に百匹の悪魔ディアブルが襲いかかろうとしても、ごく近距離の数匹しか襲いかかることはできない。

 うしろの九十匹はポカンと口をあけて順番待ちをするしかなくなってしまう。


 アホみたいな話だが、たったいま現場でそれがおこっていた。


 将軍は兵士に戦えと命令する。

 だから兵士は戦おうとした。

 兵士はなにも間違っていない。

 将軍もさほど間違ってはいない。

 間違っているのは組織の構造そのものである。


呪われし異端者たち(アナテマ)》は軍隊ではない。

 カルト宗教団体である。

 これまで彼らは数々のテロ事件をおこし、世界におおきな被害をあたえてきた。

 だがしかし今回のように正面から戦争をしかけたことはなかったのだ。


 彼らはテロリストのプロフェッショナルである。

 だが軍人のプロフェッショナルではなかった。

 だから英才教育をうけてきたはずのエンリーケでさえ、この程度の指揮能力しかないらしい。


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