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聖女×ロボット×ファンタジー! 死にたくなければモノ作れ、ものづくり魔法が世界をすくう!  作者: 卯月
第五章 闇からの救世主

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『ユウキ、たった四人でこれ以上の追撃は無理だ!』


 群がる悪魔ディアブルたちを蹴散らしながら、ランベルトがさけんだ。


「バカ言うな! まだいける!

 二人を見殺しにしろって言うのか!」


 マリアテレーズ皇女とミーシャをのせた馬車は闇夜の奥へ消えた。

 だがまだ近くにいるはずだ。

 方角さえ間違えなければ追いつける。


『夜の森だぞ、見つかるわけがないだろう!』


 森林地帯の夜というものは市街地の暗さとは次元がちがう。

 木々の葉におおわれた地面は光がまったく届かず、自分の手足すら見えなくなるほどなのだ。

 勇輝が一度あの馬車を見つけられたのは、馬車が聖都からつづく一本道を進んでいたからだった。

 空を飛びどことも知れない場所へ行ってしまった以上、再発見は絶望的。

 勇輝にだってそれくらい理解できる。

 理解できるが、感情が許さなかった。


 あの馬車にはマリアテレーズ皇女殿下が。

 友達が、乗っていたのだ。


 なんとしても助けたい。

 助けなければいけない。

 自分がこの手でやらなければいけないのだ!


『お前はルカを殺す気か!』


 思いもよらぬセリフを言われて、冷水でもぶっかけられたかのような気分になった。


『ルカにはもう帰還するだけの魔力しか残っていない!

 空を飛べないラースも暗闇の森へ入れば確実に死ぬ!

 お前と私だけでこの数と戦えるわけないだろう!』

「くっ……」


 戦力がたりない。

 というかそれ以前に勇輝だってかなり消耗しょうもうしている。


『奴は二人のことを人質と呼んでいただろう!

 殺してしまっては人質にならない、しばらくは無事なはずだ!

 戦力を整えるために一度聖都に帰還するんだ!』

「う、ううっ……」

『私を信じろ! 無駄に命を捨てるな!』

「ち、ちくしょおっ!」


 勇輝は聖都の方角へ逃げ出した。

 逃げながら羽根爆弾フェザーボムを夜空にまき散らしていく。



 ッゴゴゴゴオオオオオンン……!!


 

 後ろ姿を追いかけようとした悪魔ディアブルの群れが、怒りの羽根爆弾フェザーボムによって何体も消し飛ばされた。

 しかしそれでも敵の数は圧倒的に多い。

 たった一人の怒りでは、どう頑張ってもかなわない願いだった。


 勇輝たち四人は追撃をふりきって聖都へ帰還する。

 逃げながら勇輝は泣いた。

 ずいぶん久しぶりの涙だった。

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