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聖女×ロボット×ファンタジー! 死にたくなければモノ作れ、ものづくり魔法が世界をすくう!  作者: 卯月
第四章 ボクの夢は聖女さま!

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開発中のタマゴ

 邪悪な者どもが遠い場所で暗躍していた時。

 勇輝もまた新しいことを始めていた。


 神鳥カラドリウスは結局のところランベルトの物であり、将来的には彼の好みにあわせてどんどん改良されていくだろう。

 今のところはまだ『自分が作ったもの、自分の管理下にあるもの』という印象だが、いずれは雛鳥ひなどりが大人となって巣立つように干渉できない物となっていきそうだ。


 ランベルトが努力し続けている姿を見ていると、そう確信させられた。


 自分も遊んでばかりはいられないなと思わざるをえない。

 さらなる脅威にそなえて、新型兵器の開発を夢想していた。


「んーと、やっぱ大型ビーム砲ははずせないよな……。

 で、エネルギー源はこいつらを合体させて……。

 うーん」


 ブツブツつぶやきながらポコポコと妙なものを作り出していく勇輝。

 妙なものとは、でかい卵だった。

 ベルモンド邸の裏庭に、勇輝の胸くらいまである白くてでっかい卵がなんと五十個。

 十個ずつ五列にならんでズラーっと置いてある。

 異様な光景だった。


「ちょっと何なのよそれ、気味が悪いんだけど」


 義姉クラリーチェから当然のように苦情がきた。


「ああ、ごめんね。ちょっと開発中の兵器……っつーかシステムに必要なんだこれ」

「システム?」

「うん、どんなすげー敵が来ても一発でブッ飛ばせるような、超必殺技を開発中なんだよ!」


 グッと拳をにぎる勇輝を見て、クラリーチェは嫌そうな顔で天をあおいだ。


「まああなたが作る物だから意味はあるんでしょうけどね。

 できればイメージの悪さも何とかしてほしいわ。

 邪魔でしょこんなにいっぱい卵なんか置いて」

「へっへっへっへ……」


 意味深な笑みを浮かべ、勇輝は手前の卵をなでた。


「そんなことより、あの人の方を優先してくれない?」


 あの人、とはランベルトのことだ。

 いま彼は神鳥カラドリウスに乗って、準備運動がわりに精密動作性の強化訓練を行っていた。


 神鳥カラドリウスは四角い岩を抱きかかえ、空を飛んで運んでいる。

 運んだ先にはピラミッド状に積み上げられた複数の岩が置かれていた。

 積みあがったら今度はそれを解体する。

 きれいに下ろし、並べ終えたらまた積み上げる。


 こうすることでちょうど良い力加減と持久力をきたえられるのだ。


 鳥から鳥人間に乗り換えることで、物を持ち運ぶ能力が大きく向上している。

 たとえば上空から戦場に爆弾を落とす。弓矢で射る。

 他にも武器や食料を味方に届けるといった行為がやりやすくなっているのだ。

 現実問題どれほど重い物を持ったまま空を飛べるのか。

 何時間それを維持できるのか。

 どれくらいの強風に耐えられるのか。

 などなど、検証すべき要素は山のようにある。

 まだまだ経験値のほうも積みかさねの時期だった。


 とはいえ、最近は成長めざましくさまになってきている。


「だいぶ順調そうに見えるけどな、もうほっといても大丈夫じゃねえ?」

「いい加減な事いわないでよ!」


 怒られてしまった。


「慣れてきた時が一番危ないの! すでに一回死にかけているんだから!」

「まあ、あれはね」


 早朝の自主トレで事故を起こしたことを言っているらしい。

 あの時は家に回復魔法の上級者であるヴァレリアがいたので事なきを得た。

 その他いろいろと不幸中の幸いが重なったため現在は健康体でいるが……。


「でもまあ、あのね?

 いま作っているものがうまくいけば、聖騎士みんなの負担が軽くなるから」

「……ほんとうに?」

「そりゃあもう」


 こんな会話をかわしていると、ひと通りやり終えたランベルトが機兵から降りてきた。


「ふう、何を言い争っていたんだい」


 どうやら機兵を動かしながらこちらの様子を見ていたらしい。


「あなたの訓練だけにもっと集中するべきだってこの子に言ったのよ」


 クラリーチェの思いやりを、当のランベルトは気に入らない様子だった。

 過保護だと感じたらしい。


「別に自分は好きにしてもらって構わないが」

「あなたまでそんな!

 男ってどうしてこんなに適当なの!

 信じられない!」


 本格的に怒りだしたクラリーチェの前に、勇輝とランベルトは参ってしまった。

 どうしたものかと目を合わせていたところに、メイドのジゼルが近づいてくる。


「みなさ~ん、お客様ですよ~!」


 ジゼルの後ろからルカがヒョコっと姿を見せた。


「こんにちわ!」

「おおルカ! よく来たな!」


 勇輝とランベルトは渡りに船とばかり、大げさにルカを歓迎した。

 これで話題をそらせる。

 誤魔化してしまおう。

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