表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

コスプレに目覚めた雪女

作者: しいたけ

 凍てつく冬の山の奥にひっそりと佇む小屋があり、そこでは男が一人気ままに暮らしておった。


「今日はやけに吹雪くなぁ……」


 男が戸を固く閉めようとした時、小さく戸を叩く音が聞こえました。

 男は何事かと思い戸を開けると、そこにはバニーガール姿の若い女が手足を震わせてとても寒そうに立っておりました。


「すみません。少しの間だけ休ませてくれませんか?」


 男は訳も分からず女を家へと迎え入れ、吹雪が入らぬように固く戸を閉めました。

 男は女に服を貸してやり、女はそれを受け取ると、隣の部屋でそそくさと着替え、恥ずかしそうに戻ってまいりました。


「外は寒かろう。猪鍋でも食べて温まるがええ」


「すみませぬ。私は雪女なのですが、今夜のことは誰にもゆうてはなりませぬ……お願い致します」


「そうかそうか……」


 男は特に気にすること無く女に鍋を振る舞い、そして酒を飲んで、いつの間にか眠ってしまいました。


 翌日、男が目を覚ますと、女の姿はありませんでした──。



 暫くして、一人の女が男の小屋を訪ねてまいりました。


「すみません、誰か居りませぬか……?」


 男は固く閉めた戸を開け、顔を覗かせると、そこには白い着物を着た若い女がおりました。


「あいすみませんが、身寄りも無く路頭に迷──って、それ私のバニースーツ!!!!」


 なんと、男はコスプレに目覚めて、雪女が忘れたバニースーツを着て夜な夜な楽しんでおったのです。


「!! て、ことは……この間の雪女さんで──!?」


「あっ! 自分から言ってしまった!!」


 雪女は仕方なく、男と末永く──


「いやいや、流石に変態とは無理(笑)」


 暮らさなかったそうです…………。

読んで頂きましてありがとうございました!

(*´д`*)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  は、ハッピーエンド……?  コスプレから始まる恋もあるさ。(この作品とは言ってない)  ……てことですね!  面白かったです!ありがとうございました!
[一言] その後、その地方では冬になると男達が雪女払いのためにバニースーツを着て暮らすようになったそうじゃ…。
2020/07/22 19:42 退会済み
管理
[一言] しいたけさんの童話で、最初の三行だけ読んで、オチがシリアスかギャグか当てる選手権をやりたくなりました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ