コスプレに目覚めた雪女
凍てつく冬の山の奥にひっそりと佇む小屋があり、そこでは男が一人気ままに暮らしておった。
「今日はやけに吹雪くなぁ……」
男が戸を固く閉めようとした時、小さく戸を叩く音が聞こえました。
男は何事かと思い戸を開けると、そこにはバニーガール姿の若い女が手足を震わせてとても寒そうに立っておりました。
「すみません。少しの間だけ休ませてくれませんか?」
男は訳も分からず女を家へと迎え入れ、吹雪が入らぬように固く戸を閉めました。
男は女に服を貸してやり、女はそれを受け取ると、隣の部屋でそそくさと着替え、恥ずかしそうに戻ってまいりました。
「外は寒かろう。猪鍋でも食べて温まるがええ」
「すみませぬ。私は雪女なのですが、今夜のことは誰にもゆうてはなりませぬ……お願い致します」
「そうかそうか……」
男は特に気にすること無く女に鍋を振る舞い、そして酒を飲んで、いつの間にか眠ってしまいました。
翌日、男が目を覚ますと、女の姿はありませんでした──。
暫くして、一人の女が男の小屋を訪ねてまいりました。
「すみません、誰か居りませぬか……?」
男は固く閉めた戸を開け、顔を覗かせると、そこには白い着物を着た若い女がおりました。
「あいすみませんが、身寄りも無く路頭に迷──って、それ私のバニースーツ!!!!」
なんと、男はコスプレに目覚めて、雪女が忘れたバニースーツを着て夜な夜な楽しんでおったのです。
「!! て、ことは……この間の雪女さんで──!?」
「あっ! 自分から言ってしまった!!」
雪女は仕方なく、男と末永く──
「いやいや、流石に変態とは無理(笑)」
暮らさなかったそうです…………。
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(*´д`*)