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悪魔と私の働く日々  作者: 鈴一
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踏ん反り返った悪魔を下から睨み付ける。

「事故で呼んだのは悪かったわよ。でも用事ないし。必要ない。」

「この世界に来るのはかなり久々なのだ。」

「だから?」

「観光とか。美味いもの食べたい。」

「帰って。」

むう、と唸る悪魔。

大の男がそんな風にしても可愛くないぞ。

「とにかく。本当に構ってる余裕ないの。別に解除に同意したくないならいいよ、明日役所で契約解除してくるから。」

こういうときのために、第三者が契約解除してくれるのだ。もちろん何でもかんでもしてくれるわけではないが、今回の場合通るだろう。

「毎日ギルドの仕事で忙しいし。」

「わかった。ならばその仕事に我が手を貸してやろう。」

「はあ?」

座り直した悪魔は自身ありげにこちらをみている。

「何が出来るの?あなた私に張り倒されるくらいじゃない。ギルドの平職員は体力勝負なんだからね。」

「さっきのは忘れろ。」

そう言い、手のひらを上に向ける。

その上にポウ、と生まれた小さな火。それはみるみるうちに大きなボールほどになる。

頬に熱量を感じるそれに思わず顔を引いた。

「我は魔術が得意だ。」

「とりあえずスプリンクラー発動するからそれ消して。」

内心ちょっとびびりながら言えば即座に消える炎。

こんな間近で攻撃系の魔術をまじまじみるのは滅多にないから驚いた。

「でも攻撃魔術が必要な仕事とか滅多にないし。」

「べ、別に攻撃だけではない。他にも色々できる。」

「ほかにもねえ…。」

外仕事の護衛にはなるだろうか。

少し都市部を離れれば危険な魔物がいる。

もちろん仕事で行くことがある場合、護衛込みで行く。

持ってれば安心、腹痛の薬。みたいな扱いでいればいいかもしれない。

「…皿とかも綺麗にできる。」

「…しょうがないな。」

食洗機、欲しかったんだよ。

「じゃあ、しばらくお試しで契約しましょ。」

「ふふふ、良いだろう。数日後には自ら我との契約を望むことになろう。」

なんか言ってる悪魔、オトマージを無視して立ち上がる。

ふと、冷めかけたうどんが目に入った。

「美味いもの食べたいって言ってたけど、悪魔って睡眠とか食べ物ってどれくらい必要なの?」

「疲労による休眠は別として、普段はどちらも必ずしも必要ではないな。」

「じゃああなただけ食事なしでも問題ないんだ。」

「悪魔かおまえは!?」

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