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神々の権能を操りし者 ~能力数値『0』で蔑まれている俺だが、実は世界最強の一角~  作者:
第二章 対校戦編

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26話 乱入者

インターネットの状態が悪くてヒヤヒヤしました・・・


 俺は淡々と二人の攻撃を捌いていく。

 

 左から迫る暴風を拳圧で吹き飛ばし、四方八方から俺を潰そうと飛び交う障壁を手刀で両断する。


 別に無視してもいいレベルの攻撃だが、万が一俺と同種の能力者がいれば突然威力が激増するおそれがある。


 色々と能力を応用して戦っているところを見るにその可能性は低そうだが。


(まあ、それもそうか・・・)


 俺みたいな特異な奴が早々いるはずもない。


 俺と彼らの能力における性質には決定的な違いが存在する。

 彼らはその能力を使用し鍛えることでその力を増していく、対して俺の能力は()()()()()()()()()する。それ故に俺の数値は()()()()する。


 能力数値が『0』の原因はその能力の性質故だ。

 この能力測定機はある程度の数値の上下は対応する事は可能だ。


 しかし、それはある程度でしかない。

 精々が四、五万の数値の範囲だ。


 ()()()()()()数値の上下には対応出来ず必ずエラーを発生させる。


 こういう異常性が存在するからこそ思う、この能力数値至上主義の世界の危うさを。


 もし俺と同じ特異な能力者がいて、そいつが凶悪な存在であれば即座に対処することが出来るだろうか。


 ・・・難しいだろう。


 今までに俺の数値だけを見て、ほんの少しでも警戒をした者は一人たりとも存在しなかった。


 数値とはただの指標に過ぎない。

 真に注視すべきは、その能力とその者の思考だ。


 例え数値が『0』と言わないまでも圧倒的に低い数値だとしても能力次第ではどんな存在でも倒せる可能性があるからだ。


 その事も踏まえなければ、今戦っている二人の様になすすべもなく蹂躙されてしまうだろう。


「どうなってるのよ?! 全く効かないんだけど!」


「分からん! とりあえず攻撃し続けるしかない!」


 どうやら相対する二人は俺に攻撃が通用しない事に焦っている様だ。


 出来ればもっと俺の認識を改められるような戦闘がしたかったが、相手の手札が先に尽きてしまったみたいだ。


 こうなってしまえば最早俺がここに立つ理由もない。

 さっさと終わらせよう。


 右腕を引き一撃を放




 ――ほう、面白い輩がいるではないか、少し実験するとしようか。




 突如として脳裏に響くその不気味な声に背筋が凍りつく。

 全身の毛が逆立ち額から汗が落ちる。

 その声の主が、己の心臓に届きうる危険な存在であることを体が全身で訴えかけていた。


 瞬時に全力の力を足に入れ、その場からの退避を試みるが、一歩遅かった。


 地面から漆黒の闇が襲い掛かり、俺はその闇に呑まれた。


 ・・・・・・





「・・・ミスったな」


 今俺は、何も見えない幽々たる空間に閉じ込めれている。

 周囲を闇が取り巻き、一寸先を見る事さえも叶わない。


「とりあえず色々試してみるか」


 手っ取り早く脱出を試みる。

 拳を強く握り、大きく足を踏み込むと目の前の空間に全力の拳を叩き込む。


「山砕き」


 音速を超える剛拳が闇と衝突する。


「――っ!!」


 予想以上の衝撃に思わず顔を歪める。

 拳にしびれるような痛みが走る。


「固いな・・・ならば」


 深く腰を落とすと、拳に闘気を収束させる。


「防御出来ない攻撃ならどうだ?」


 淡い紅のオーラが輝き始め、空間が揺らめく。

 ふう、と深呼吸を一つ。


「星穿」


 防御不能の必殺の一撃はその勢いのまま空間を穿つ。


 ・・・しかし、


「成程、そうなるのか」


 風穴の空いた空間が一瞬にして修復される。

 抜け出す暇もないほどの速さに思わず顔を顰めた。


「これは、ちょっと時間がかかるかもな」


 この空間の外がどうなっているのかを気にしつつ俺は脱出の糸口を探す。




 ◇




「あれは・・・何?」


 突如として現れた黒い球体。


 それは柳君を呑み込むとその動きを止め、今もなお空中に浮遊している。

 それに触れている訳でもないのに私の直感があれはダメだ、近づいてはいけないと常に大音量で警鐘を鳴らし続けている。


 不気味な球体に冷や汗を流す中、


「な、なんでここに・・・ここにはあいつらは現れないはずだろ?!」


 後ろから山田先輩の震えた声が聞こえて来る。


 始めそれはあの不気味な球体に向けられた言葉だと思った。

 しかし、前方にいる雲流高校の選手が顔を青く染め森の方に視線を向けているのに気づくと、あの球体ではない何かがいるのかと私も視線を森へと向ける。


「ひゅっ」


 あまりの驚きに喉が掠れた音を出す。


 怪物とは何処にでも出現する天災だ。

 しかし、それは現実の世界の話であり、今までもそうだった。


 そしてここは疑似空間だ。

 現実の世界ではない・・・そのはずなのに。


「嘘でしょ・・・」


 森の木々からその姿を現す()()()


 そう、それは一匹ではない。

 およそ二十は優に超える程の怪物が所狭しとひしめき合っている。


 まだ救いがあるとすればその怪物たちに絶対的な強者がいない事だろうか。

 ゴブリンやオーク、そしてスケルトンなどの低ランクの怪物達が視認できる。


 そうは言っても数は力だ。

 このままではこちらがジリ貧になる事は私たちの消耗具合を鑑みれば明らかだ。


「で、でも! ここでやられても元の場所に戻るだけじゃ」


「寧々、この明らかにおかしい状況で、私たちがこの空間から戻されない事を考慮すればシステム自体に異常がきていると考えるのが普通よ。そんな状態でやられれば本当に死にかねないわ」


「そんな・・・」


「大丈夫よ、服部さんが何とかしてくれるわ! 何たって彼女は特殊対策部隊なのだから」


 この言葉はただの気休めだ。

 自分たちの心が壊れないように、絶望しないようにする為のその場限りの慰めでしかない。


 私はこんなケースを聞いたことがない。

 服部さんも既知の状況には即座に対応できるだろうが、こんな異例な状況で即座に駆け付けることが出来るだろうか。


(それでも・・・私はまだ死ぬわけにはいかない!)


 震える手で弓を掴む。

 怪物との戦闘はこれが初めてだ。


 でも、そうだとしても。


(妹を助ける邪魔をするなら何であろうと撃ち抜く!)


 無数の怪物を前に、黄金の弓は私の意思を称えるようにその輝きを増していく。


ブクマたくさん増えてて驚きました!

皆様の応援とありがたい感想にモチベーションが上げ上げなので余裕が出来たら複数投稿もしたいと思いますヽ(≧▽≦)/

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終焉都市の雑草
連載開始です(*´▽`*)
神々の権能を操りし者2
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