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神々の権能を操りし者 ~能力数値『0』で蔑まれている俺だが、実は世界最強の一角~  作者:
第二章 対校戦編

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23話 チームワーク

真鈴視点。次回は隼人に戻ります。

 柳君と別れた私たちは、辺りを警戒しながら森の中を前進する。


 未だ他校とはぶつかっていない。

 その間も奇襲に備えなくてはならないのでただただ精神が削られていく。


「それにしても、先ほどの爆発音・・・爆発系の能力者なんていたか?」


「いえ、渡された資料にはそのような能力者は記載されていませんでした」


 おそらく何かしらの武器だろうと思うが、それらしい武器を持っていた人物はこの空間に移動する前には確認できなかった。


――あの無能力者を除いて。


 柳君が仕掛けた罠に誰かがかかった?

 もしそうだとするならば余程運がよかったのだろう。そして今頃は瞬殺されているに違いない。


 しかし、一人でも倒す事が出来たのなら彼にとってはかなり大きい功績だろう。

 彼に対する周りの態度も少しは変わるかもしれない。



 正直言って私は彼の事が嫌いだ。

 彼の、生に全く執着していない様に見える生き方が。

 まるで自分がどうなってもいいという風なあの表情が。


 彼の事を考えると、同時に私の妹の姿が思い浮かぶのだ。

 病院のベッドで空元気の笑顔で家族を安心させようとするあの姿が。


 その事を思うと彼には嫌悪しか湧いてこない。


 それでも彼は誰かに虐げられるために生まれてきた訳じゃない。

 もし彼が私の力を求めたのなら可能な範囲でそれに応えるだろう。


 今回を通して彼が少しでも変わることを願う。



「あっ! いました! 前方に敵が六名います!」


「距離は?」


「う~ん、百メートルぐらいかな?」


「分かった」


 親友の寧々の能力【分身形成(オルターフォーム)】は最大五人まで自分の分身を生成することが出来る。また、それらの分身とは何処に居ようとも感覚を共有することが可能なのだ。偵察において彼女の右に出る者は学生の範囲では早々いないだろう。


「よっしゃ! やっと戦闘か!」


「初撃は私がするので、その後はチームで翻弄していきましょう」


 服部さんとの模擬戦では最後まで攻撃を掠らせることすら叶わなかった。

 それでも確実にチームとしての練度は上がっていると断言できる。対校戦でも十分に通用するはずだ。


――【人馬宮(サジタリウス)


 目の前に黄金に輝く弓が現れる。


 それを掴むと上空に向けて構える。

 この弓に矢は必要ない。ただ狙いを定め、弦を引くだけで自動的に装填される。

 その威力は私の精神力に左右され、調子が良ければ一撃で戦車数台を貫通できる程の火力を誇る。


「ふー」


 深呼吸をして心を落ち着け、目を閉じる。

 イメージするのは湖畔の静寂だ。今私は湖畔の上に立っている。


 波紋が完全に止まった後、静かに目を開け、弓の弦を引く。

 眩い光が私を包み、辺りを優しく照らす。


 そして、その一矢は放たれた。


千矢の雨(サウザンドレイン)


 一瞬で空高くまで突き抜けた矢はその途中で分裂を始める。

 矢が頂点に達すると、弧をかくように加速しながら地に向かい、破壊の雨が次々に突き刺さる。


 あまりの威力と貫通力に轟音を立てながら連立する木々がなぎ倒されていく。


「二人倒したみたい! 四人こっちに向かってきてる!」


 寧々が状況を報告する。

 今の攻撃で二人しか倒せなかったのか。相手もやはり実力者だ、そう簡単にはやられてくれない。


「来ます!」


 寧々の言葉と共に前方の木々から四人が飛び出してくる。


「山田先輩!」


「おうとも!」


 山田先輩が地面に触れると、そこからクモの巣状に地面が裂ける。


「きゃあ!」


 相手が地面が裂けた事で体勢を崩した瞬間、林先輩から放たれた水弾が相手を捉える。

 これで残り三人。


「この!」


 苛立ちを込めた声を上げながら相手から電撃が放たれる。

 確か彼女は愛園女子学園の数値一万超えの能力者だ。


 彼女の電撃は私目掛けて突き進み、眼前まで迫る。


 しかし、当たる寸前。その電撃は私から逸れ、あらぬ方向に飛んでいった。


「どうして!」


「・・・止められなかった」


 後ろを振り向くと左手を突き出している由良さんの姿が目に入る。

 彼女の能力は【念動力操作(サイコキネシス)】だ。飛んでくる電撃に能力を使ってその向きをずらした訳だ。

 柳君と同じ一年にしてここまで精密な技術を持っていることに驚愕と共に本当に頼もしいと感じる。


「ナイスよ! 由良さん!」


 彼女のフォローは無駄にしない!

 瞬時に弦を引くと電撃使い目掛けて三度速射する。


 一度目は防がれるが二射目で肩を貫き三射目で心臓を穿った。粒子となって消えていく。

 これで残るは二人。


 残る二人に弓を構えた瞬間、私たちを暴風が襲った。


「「きゃああ!」」


「くっ! 林先輩!」


 その予想外の攻撃は、敵であった二人の選手と林先輩に直撃するとその強烈な破壊力で三人をリタイアさせた。


「あら? まだ四人も残ってるわね?」


 その声の主が木の陰から姿を現す。彼女の後ろに付き従うように二人の選手もそれに従う。

 黒髪のショートヘア―に勝気な瞳、そして先ほどの暴風。


 ここまで情報があれば誰かはわかる。

 雲流高校の能力者。今大会で最高の能力数値を誇る実力者。

 東堂 風音。

 その能力は【暴風輪転(バイオレンスレボルブ)】、風を自在に操る能力者。


「皆、まだ立てますか」


「あったり前だ! 俺は先輩だぞ、林が倒れた以上俺がやられる訳にはいかねえ!」


「大丈夫!」


「・・・いけます」


 目の前の強敵を前に立ち上がる。

 私はこんなところで止まる訳にはいかないのよ!


え? 集団戦書くの難しくないですか・・・精進します。

目標は二か月後までに少しでも鳥肌が立つような戦闘シーンを書くこと!

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終焉都市の雑草
連載開始です(*´▽`*)
神々の権能を操りし者2
― 新着の感想 ―
[良い点] スッゴく面白い!
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