第1章 最高の草原
….ほ??
何が起きたかわからない。とりあえず、手をにぎにぎしてみる。持っていたコントローラーはない。そういえばいつの間にかあのクソ重かったヘッドセットも無くなってる。でも見ている景色はさっきと同じだ。
「…これは………あのチェックボックスは誤訳じゃなかったってやつか…?だとしたらこれはゲーム制作ソフトの中の世界…、つまり、あのMODは現実となった!!??」
試しにコンソールをだす動作であった、手を一定の距離振り下ろすというジェスチャーをしてみる。すると、ブンという効果音とともに先ほどと同じコンソールが現れた。
「これは…、きてしまったわーーー!!最高の世界にぃ!!⤴︎︎⤴︎︎」
思わず昂ぶった声が出てしまった。まあ、後で確認はしてみるけど、この世界から戻れても戻れなくてもいいだろう。別に元の世界になんてこれっぽっちも未練はない。いつも現実ではゲームのしか考えてなかったから、ゲームをしていようが、ゲームの中にいようが関係ないことだ。我ながら悲しいが。
とりあえす地形生成ツールを使ってみよう。デフォルトで草原とかいい感じに作れるようになっていたから、とりあえずいい感じの草原エリアを四方50mで足元に生成してみる。
「おお…、目の前が草原だけ広がる世界って、なんか好きなんだよなあ…。昔からよく妄想でこんな心地よい草原で寝っ転がりたいと思ってたんだよ…。もうこれだけでも満足だよ…。てかなんならこれだけがすげーいいんだよ…。」
ドサっと大の字に寝そべり、草の感触を確かめる。
「あっ、ここに凄いいい感じの柔らかい風が吹いていたらどんなに素晴らしいかな!?」
日本語がおかしいのも気にせず、俺はガバッと起き上がり、弱めに設定した風をエリアの端に置いてみた。直後おでこにかかった髪の毛がふわっと揺れる。少しだけ冷たい風が吹いてきて、なんとも心地よい。俺はそのまままた、大の字に寝そべった。
「はぁ〜………、最高かよ…一生ここで寝てられるわぁ〜…」
あまりの気持ちのよさに、俺はそのまま草原の上で寝てしまった。